マスク着用が当たり前のような生活が続き、それ以前とはメイクもずいぶん違ったものになってきました。マスクで隠れるからいいや、と、顔の下半分はノーメイクでも、顔を印象づける目もとや眉はメイクを欠かさない人も多いのでは? 化粧品会社で長年メイクの指導を行い、新体操日本代表フェアリー ジャパン POLAの美容コーチも務めるメイクアップアーティスト荻野和子さんに、プロのテクニックを伺いました。
Contents 目次
改めて知りたい「正しい眉」の形
まずは正しい眉の形を確認していきましう。
【眉頭】
眉頭の位置は目頭から垂直に上がったあたり。それよりも内側に入ったり、外側に行き過ぎたりするとバランスがくずれてしまうので注意しましょう。
【眉山】
眉山は黒目の外側の上から目尻の上の間の部分で、眉のいちばん高い位置になります。キュートな印象にしたいときは、眉山の位置を黒目の外側に。エレガントな美人眉に仕上げたいときは目尻の上に合わせるとよいでしょう。
【眉尻】
眉の長さは、小鼻と目尻を結んだ延長線上までにします。眉頭より下がらないようにするのがバランスをとるポイントです。
ナチュラル眉メイクの基本テクニック
1.眉毛が足りない部分をチェック
とくに眉尻の赤色で囲んだ部分の眉毛が少なくなっていたり、なくなったりしているケースが多いと思います。また、全体的に眉毛の生え方がまばらになっていないかどうかもチェックしておきましょう。足りない部分に毛を足していくイメージで眉メイクをスタートします。
2.眉部分の地肌にもファンデーションをつける
眉毛に直接眉を描こうとすると、すべってアイブロウペンシルの色がのりにくいと思います。アイブロウペンシルの色は、ファンデーションのついた肌につくので、眉毛の部分の地肌にも薄くファンデーションをつけることを忘れずに!
3.眉の輪郭を整える
眉が描きやすいように、ブラシで毛流れを整えてからスタートしましょう! 輪郭はアイブロウペンシルで整えます。
●眉の中央から眉尻へ
眉の中央から眉尻に向かって描いていきます。ここは毛が少なくなっていることも多い部分。眉の上側よりも、まぶたに近い下側の眉毛を1本1本描き足すようにしながら、眉尻の形を整えます。眉の太さはやや太めのほうがナチュラルに見えます。
ポイント:眉の形を決めるのは眉の下側のライン。足りない部分をていねいに描き足しましょう。
●眉頭の下から眉山へ
この上昇ラインの角度のつけ方で、印象がガラリと変わります。小顔に見せるなら、横に平行に。大人っぽく見せたい人は角度をつけて描きます。毛が少なく白い地肌が透けているところを埋めるようなイメージで。
ポイント:ペンシルで描くときはかなり軽いタッチで! 力を入れて描くと質感がベタッとしてしまい、ナチュラル感がなくなってしまいます。
輪郭を仕上げたら、眉毛に色がのっていないところがないかどうか、いろんな角度からチェックしましょう。毛のある部分にもうっすら色がのっていればOKです。
4.仕上げにブラシでなぞる
最後に眉の輪郭をブラシでそっとなぞりましょう。ペンシルで描いた部分が眉毛と自然になじみ、ふわふわとした毛の質感がプラスされるので、作りこみすぎない自然な仕上がりになります。
【作り込みすぎないナチュラル眉の完成】
無造作なうぶ毛感をプラスした眉メイクのやり方
ナチュラルな眉に、うぶ毛のような質感をプラスすると、洗練された印象になります。
やり方は、眉の輪郭を整えるところまでは、先ほどご紹介したナチュラルな眉メイクの手順と同じ。そのあと、ブラシで仕上げる前にパウダータイプのアイブロウを使います。眉全体にパウダーを重ねると、うぶ毛の毛足のようにふわふわとした質感が出てきます。このひと手間があか抜けた印象を感じさせるポイントです。
そして、仕上げに眉の輪郭をブラシですっと軽くなぞります。
肌色と眉の境目(ピンク色の部分)の色をなじませるために、ブラシを矢印のように1方向に動かします。こうすることで眉の輪郭付近の本来うぶ毛が生えているところに、自然なうぶ毛感を出すことができます。
【うぶ毛感のある眉メイクの完成】
いかがでしたか。マスクでは隠れない部分だからこそ、ちょっとしたメイクのコツをマスターして、オシャレを楽しんでいきたいですね。
カメラ/布川航太 モデル/霜越万理子(株式会社ポーラ) イラスト/もと潤子 取材・文/牧内夕子