上半身に比べて下半身のボリュームが気になる女性は少なくありません。ダイエットをしているのに、なかなか下半身がスッキリしてこない…そんなお悩みを抱えている人は、ムリなくおうち時間を使って行える「押すだけダイエット」に挑戦してみませんか? 美脚トレーナーの久優子さんのメソッドをご紹介します。
Contents 目次
押すだけでどうしてやせるの?
「足首回し」で、15kgやせを叶えて、スリムな美脚も手に入れた美脚トレーナーの久優子さん。じつは、足首まわしと同時に行っていたのが「押す」こと。
「足首をていねいにまわそうとすると、くるぶしの横に指が行くので、そこを自然に押すようになりました。するとそこが支点となって足首の可動域が増え、脚が細くなっていくのを感じたんです。そこで毎日、足首まわしに「押す」のもプラスしてみました。このおかげで着実に体が引き締まっていき、15kgもやせられたのです」(美脚トレーナー 久優子さん)
なぜ「押す」とやせられるのでしょうか?
「それまでは私は、やせたい一心で足をもんでいたのですが、それでは何も変わりませんでした。〝もむ〟では表面にしか働きかけられないからだと思います。でも〝押す〟は、深部にまで届いて骨、関節や筋肉にまで働きかけるので、その刺激でリンパや血液の流れがよくなります。
とくに、ひざ裏やそけい部、わきの下など、体のあちこちにはリンパ液をろ過するためフィルターのような役割をする〝リンパ節〟がありますが、ここは老廃物が最もつまりやすい部分。押すと、このリンパ節のつまりも解消するので、リンパの流れがスムーズになり、老廃物の排出を促進することができます。
また、関節の骨のキワをしっかりと押すことで関節がゆるみ、ゆがみが改善しやすくなり筋肉も正しい位置に戻ります。さらに、押すことで体のさまざまな臓器とつながるツボや反射区も刺激されるので内臓も活性化し、その面からも代謝が上がります。このように〝押す〟は、リンパ、血液、関節、ツボや反射区という4つにアプローチできるので、効果的にやせられるのです」
押す力は“イタ気持ちいい”が正解!
「押す力加減が弱すぎる人も多いのですが、イタ気持ちいいと感じる強さでしっかりと奥まで押しましょう。軽く押しただけで痛く感じる場合は、そこに老廃物がたまっているからです。痛いからといって力を弱めたりせず、イタ気持ちよく感じる強さでしっかりと押しましょう。コツコツと続けると老廃物が排出されていき、痛みはどんどんなくなっていきます。
また、脚以外のパーツを行うときも、必ず足指や足裏などから刺激するほうが効果が上がります。足首まわしをしてもいいですし、足の親指(爪側)を床に押しつけて足の甲を反らせるだけでもOKです」
また、行うときには、こんな注意点が。
「血液循環が悪くなっている人は、強く押し過ぎると内出血する場合があります。これを防ぐため、足が冷えていて血液循環が悪くなっていると感じたときは、お風呂などで足を温めてから行いましょう。
また、お酒を飲んだあとに行うと、酔いが回りすぎて気分が悪くなることがあるので避けましょう」
「美脚の4点」がつくことが理想的な脚
そんな久さんが考える美脚の定義とは?
「左右のかかとをつけてつま先を少し開いて立った時、太ももの内側、ひざの内側、ふくらはぎの内側、くるぶしの内側の4点がつくのが美しい脚の条件です。これを私は〝美脚の4点〟と呼んでいます。
ただ細いだけだったり、骨格がゆがんでいたりするとこの4点はつきません。でも足首回しと〝押す〟を習慣にすれば、ゆがみが改善して4点がつくようになっていきます。これを目指してぜひ継続してください」
裸足になって、左右のかかとをつけて、足先を少し開いて自然に立ちます。太ももの内側、ひざの内側、ふくらはぎの内側、くるぶしの内側の4点がつくのが美脚の条件。
それでは、さっそく押すだけダイエットに挑戦していきましょう!
押すだけダイエット<脚やせ編・太ももを細くする>
1、片脚のひざを立てて座り、太ももの外側を握りこぶしの第2関節で、ひざの横から太もものつけ根まで押していきます。押し流さず、手を移動させながら押していきましょう。
2、次にひざを外側に倒して、内ももを手のひら全体でまんべんなく押します。
3、太ももを両手で包むようにし、人さし指、中指、薬指の3本で太ももの裏側を、ひざ裏からお尻の境目まで押します。
<下から見ると>
3本の指をしっかり使って押します。
4、太もものつけ根にあるそけい部を両手の親指で押します。リンパ節を開くイメージで親指を密着させて押しましょう。1~4を反対側も同様に行います。
ふくらはぎを細くする
1、ひざを内側に曲げて座り、くるぶしからひざの内側にかけて骨のキワを親指でゆっくりと押していきます。
2、次に両手の親指でふくらはぎを、足首からひざ裏のあたりまで押していきます。
3、リンパ節があるひざの裏も、両手の親指で押してしっかり刺激します。
4、片脚を上げて、親指と人さし指の間のカーブを足首に当て、ふくらはぎをひざ裏まで押し流します。脚の重みを手で感じながら、全体を押し流しましょう。これを10回。
つづいては、四角いお尻を丸くするメニューと、うしろ姿を美しくするメニューをご紹介します。
押すだけダイエット「四角いお尻を丸くする」
1、足を肩幅に開いて立ち、左右のお尻の横ジワの中央に、両手の人さし指、中指、薬指を当てて押します。このとき両足のかかとを上げ、お腹に力を入れて3~5秒キープ。
2、両手の親指を、お尻にキュッと力を入れたときに左右にできるくぼみの部分の環跳(かんちょう)というツボに当て、グーッと強めに押します。これを5回。
3、上半身を前に倒し、お尻の下に両手の人さし指、中指、薬指の3本を当て、真上に押し上げます。これを10回。上体を前に倒してひざのうしろを伸ばして行いましょう。
4、上半身を前に倒したまま、片手の親指以外の指をお尻の下の太ももの内側のあたりに当て、お尻の外側に向かってななめ上に押し上げます。これを10回。反対側も同様に。
<うしろ姿を美しくする>
1、脚を肩幅に開き、両手の親指を、お尻の中心から左右ななめ45度上(仙腸関節)のあたりに当ててグーッと押します。
2、1の部分を押したままお尻を左右→上下に振ります。これを30秒。
3、ウエストの一番くびれている部分のややうしろを両手の親指で押し、そのまま上半身をうしろに倒します。次に上体を戻し、押したままお尻を回しましょう。右回し、左回し各5回。
4、お尻と太ももの境目に、両手の人さし指、中指、薬指を当て、お尻を持ち上げながら、お尻を左右に大きく振ります。左右に振って1回とし、10回行いましょう。
なかなかやせられない下半身のお悩みは「押すだけダイエット」をとり入れながら、夏までに理想の体型を目指してみてくださいね。
モデル/加藤夏子 撮影/山上忠 ヘア&メイク/斉藤節子 取材・文/和田美穂