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CATEGORY : ビューティ |ヘアケア

30代後半になったら髪質の変化を見逃さないで! 専門医に聞く、女性の「薄毛」の原因と6つの対処法

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抜け毛を心配する女性のイラスト

髪のコシがなくなってきた、分け目の地肌が気になってきた…など、30代以降に目立ってくる女性の薄毛や髪質の悩み。「年だから」とあきらめず、早めのケアを心がければ、薄毛予防や加齢による髪質改善も可能です。今回は“髪のかかりつけ医”として、女性のさまざまな頭髪の悩みに向き合う、クレアージュ東京エイジングケアクリニック院長の浜中聡子先生に、女性の薄毛の原因と対処方法についてうかがいました。

監修 : 浜中 聡子

24万人の働く女性の頭髪を救ってきた女性専門・頭髪治療の第一人者。クレアージュ東京エイジングケアクリニック院長。北里大学医学部卒業、北里大学大学院医療系研究科臨床医科学群精神科学修了。2009年10月AACクリニック銀座院長、2017年3月ウィメンズヘルスクリニック東京院長に就任(2019年7月 Dクリニック東京に院名変更)。女性の頭髪に関するお悩みの専門医師として著書執筆のほか、雑誌やテレビなどでも活躍中。

Contents 目次

女性の薄毛は複雑。女性ホルモンも関係…?

ヘアケアに悩む男女のイラスト

「男性の場合、薄毛の原因物質がはっきりしており、頭頂部分やフロント部分がM字型に薄くなるなどの傾向がありますが、女性の場合は個人差があって複雑です。頭頂や分け目部分から薄毛が見られる人もいれば、髪全体が細くなり地肌が目立ってくる人も。また、閉経後のホルモンバランスの変化によって、男性のようにフロント部分が薄くなる人もいるなど、年代によっても悩みの種類が変化していきます」(浜中先生)

女性の薄毛の原因はひとつではなく、さまざまな要因が重なり合っており、そのひとつに「加齢によるホルモンバランスの乱れ」が影響しているといいます。

「毛髪に影響を与える、『エストラジオール』という女性ホルモンがあります。エストラジオールの分泌量は、20代後半にピークを迎え、その後はゆるやかに減少していきます。この分泌量が低下し始める30代以降、髪は乾燥してうねりやすい状態に変化。ハリやコシがなくなり、髪全体がボリュームダウンしてしまうことがあるんです」

女性ホルモンの低下による影響は、30代後半〜40代にかけて徐々に見た目の変化として認められるようになり、「地肌が目立ってきた」「ヘアスタイルが決まらなくなってきた」などの悩みにつながっていきます。

さらに、「血流の低下」も薄毛や抜け毛の原因に。

「通常、1日に抜ける髪は平均80〜100本ですが、頭皮の血流が低下すると、抜け毛の本数が増え、抜け落ちた毛根から新しい髪が生えにくい状態に。さらに毛根へ十分に栄養が行きわたらなくなり、生えてくる毛が細くやわらかい髪質に変化してしまうのです。血流の低下は男女に共通していえる薄毛の原因。加齢によって血の巡りが悪くなる場合もありますが、不規則な生活習慣が影響することもあるため、気をつけたいですね」

健康な頭皮環境を保つための6つのポイント

洗髪中の女性のイラスト

薄毛予防や髪質の変化は正しいケアを行うことで改善が見込めるそう。

「まずは髪の毛の土台となる頭皮環境を健康に保つことが大切です。加齢は止められませんが、頭皮環境を整えることはできます。そのためには栄養バランスのとれた食事をとって、しっかり睡眠をとることがポイントです。東洋医学で『血余(けつよ)』という言葉があるように、髪は全身を巡る血液の余りでつくられています。つまり、不規則な生活や栄養が十分にとれていないと、髪にまで栄養が届かず髪質が悪くなり、抜け毛が増えてしまうということです」と浜中先生。

頭皮環境は、髪の毛が生えるための畑のようなもの。負担をかけず、清潔を心がけ、栄養を与えることが大切です。今日からスタートできる、頭皮環境を整えるための6つの生活習慣をご紹介します!

(1) たんぱく質は必須。バランスのよい食事を!

たんぱく質は髪の毛をつくるのに大切な栄養素。まずは肉や魚、卵、乳製品などのたんぱく質をしっかりとることが重要。そのうえで、良質な油、ビタミン、ミネラルの補給を意識しましょう。豆類、ごま、わかめ(海藻類)、野菜、魚、しいたけ(きのこ類)、いも類などの「和定食」をイメージさせる食事は栄養バランスがよく、胃腸への負担も軽いのでオススメです。

(2)23時までに就寝して、成長ホルモンをうながそう!

安眠する女性のイラスト

髪の成長に欠かせない成長ホルモンの約7割が、睡眠中に分泌されます。特に大事なのは、夢を見ない深い眠り「ノンレム睡眠」をしっかりとること。22時~深夜2時は「髪のゴールデンタイム」と呼ばれ、髪の成長がうながされる時間帯です。このゴールデンタイムにしっかりノンレム睡眠をとるためには23時までには就寝するのが理想ですが、難しい場合は、日付が変わるまでには布団に入るよう心がけましょう。

(3)ウォーキングなどの適度な運動がオススメ!

薄毛の原因となる「血流の低下」を予防するため、有酸素運動で毛細血管の働きを刺激しましょう。長時間の運動やハードなトレーニングは必要ありません。ウォーキングなどやや汗ばむ程度の運動を習慣化するように意識しましょう。

(4)髪の分け目はたまに変えよう!

分け目の位置をいつも同じにしていると、その部分を中心に日焼けをしてしまい、抜け毛や薄毛の原因につながります。これを「牽引性脱毛症」といい、予防するためには、分け目はひとつに決めず定期的に変え、頭髪の負担を緩和させることが大切です。

(5)自分の頭皮に合ったシャンプーを選ぼう!

頭皮は清潔に保つことが大切です。脂漏性皮膚炎や乾燥性皮膚炎を放置し続け、慢性化させてしまうと毛根に負担がかかり、薄毛、抜け毛につながることもあるためです。夜、朝、夕方、それぞれの時間帯の頭皮の乾燥具合、ベタつき具合から判断して、ちょうどよい脱脂力のシャンプーを選ぶとよいでしょう。また、朝の洗髪もNGではありませんが、頭皮のターンオーバーは夜に行われるため、夜に洗髪して1日の汚れやスタイリング剤などを落としてから就寝するのがオススメです。

(6)ストレスをため込まない工夫を!

リラックスする女性のイラスト

ストレスによる緊張状態は血流を悪くする原因になります。最近では、新型コロナの影響で在宅勤務による環境の変化、先の見えないことへの不安など、精神面へのストレスで抜け毛の悩みを抱える人も増えているそう。ヘアケアのためにも、リフレッシュする時間や好きなことに没頭する時間をつくるなどして、ストレスはため込み過ぎないように気をつけましょう。

ちなみに、「頭皮マッサージ」については、リラクゼーション効果は期待できますが、5〜10分程度のマッサージで血流低下を改善するのは難しいとのこと。

「髪は伸びるのに時間がかかるため、効果が現れるのにも6〜7か月程度と時間がかかります。食事、睡眠、運動など、体と心に対してのケアを毎日ていねいに行うことが、質のよい髪と整った頭皮環境を維持するためのいちばんの近道です」

ただし、生えてこなくなってしまった毛根から髪を生やすためには、やはり適切な治療が必要なことから、浜中先生は「薄毛が気になり始めたら早めに専門医に相談することをオススメします」とアドバイスします。

女性はヘアスタイルによって印象が左右されるため、髪のボリュームダウンや薄毛、髪質の悪化は疲れて見えたり、老け込んだ印象を持たれたりしがち。ふだんから健やかな生活習慣を意識し、髪質の変化などのサインに気づいたら、早めのケアを心がけましょう。
次回は、「白髪」の原因や対処法についてお伝えします!

取材・文/佐藤有香

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