梅雨も明け、蒸し暑い天気が続く今日このごろ。夏の肌トラブルや熱中症などの症状に悩まされている人も少なくないのでないでしょうか? 今回は、そんな夏場に活用できるおすすめの入浴法を、医学博士の早坂信哉先生に教えていただきました! 「汗で体がかゆい」「体のほてりを解消したい」「簡単にできる熱中症対策を知りたい」という人は必見です!
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「桃湯」や「ゴーヤ湯」などの季節湯とは?
季節にちなんだ植物などを湯船に入れる「季節湯」。冬至の日に行う「ゆず湯」をイメージする人が多いかもしれませんが、じつは夏にも季節湯があることを知っていましたか?
「今年の土用丑の日は7月23日(土)ですが、じつはこの日に入るべき季節湯があります。それは、『桃湯』と呼ばれているもの。桃湯の桃は、その名の通りくだものの桃ですが、季節湯では桃の実ではなく葉っぱを使います。
じつは桃湯はかなり昔から行われていたと言われる習慣です。桃は中国原産の植物で、魔よけの力を持つと言われており、暑気払いの意味を込めて桃の葉っぱを入れたお湯に入るという習慣ができたという風に考えられています」(早坂先生)。
では、桃湯にはどんな効果があるのでしょう?
早坂先生によると、桃の葉にはタンニンという成分が含まれており、皮膚に対して炎症を抑えたりほてりを冷ましたりするような効果があると言われているとのこと。たとえば、あせもや湿疹、虫刺され対策、日焼けあとなど、夏に多い皮膚の症状にも桃湯は効果的なほか、タンニンには皮膚を引き締める作用があるため、桃湯に入ることで毛穴が引き締まるような効果も期待できるのだとか。
「桃湯は、桃の生の葉を30~50枚ほど布の袋につめ、鍋で煮だし、その煮汁を湯船に入れるというのが一般的な方法です。ただ、皮膚にそれなりの刺激が加わる可能性もあるので、様子を見ながら少しずつ使うようにするといいでしょう」。
「また、桃湯のほかにも『ゴーヤ湯』という季節湯があります。ゴーヤ湯は昔からある伝統的な入浴法というわけではありませんが、ゴーヤの葉にはニキビ菌に対して増殖を抑える効果があります。沖縄の地方ではゴーヤの葉っぱを煮だしてお湯に入れるという方法が行われているようです。ただ、こちらも実際に使用する場合には、皮膚の様子を見ながら少しずつ行うようにしましょう」(早坂先生)。
桃湯やゴーヤ湯などの薬湯を行う場合には、給湯器やバスタブへの影響も考慮しながら行うようにしましょう。はじめは手浴や足浴から試してみるのもおすすめです!
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