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熱中症予防にはお風呂が効果的!?
気温や湿度が高くなるこの時期に熱中症になる人も増えてきますが、早坂先生によると、じつはお風呂で熱中症の予防ができるとのこと。
「梅雨明けの時期になると熱中症の人が増えてきますが、その理由のひとつに、体が暑さに慣れていないということがあります。じょうずに汗をかけないと、どうしても体温が上がりすぎてしまい熱中症になってしまいます。
また、熱中症は気温だけが原因ではなく、湿度がかなり重要です。環境省では、熱中症の危険度を示す暑さ指数(WBGT)を出していますが、こちらも湿度がかなり重要な割合を占めています。湿度が上がるとそれだけで暑さ指数はグッと上がり、危険度が増していくということです」(早坂先生)。
では、お風呂で熱中症予防をするにはどうすればいいのでしょう? 早坂先生がおすすめするのは、お風呂を使ってあらかじめ体を暑さに慣らしておく「暑熱順化」という方法。
やり方は簡単で、40度のお風呂に15分くらいしっかりと浸かって汗を流していきます。入浴前はコップ2杯ほどの水分をしっかりととるようにしましょう。この入浴法をだいたい2週間ほど続けていくと、体が暑さに慣れて汗をかきやすくなり、熱中症になりづらくなるのだとか! とくにふだんからシャワーだけでお風呂を済ませている人は、ぜひ「暑熱順化」の入浴法をとり入れてみてください。
夏のツラいアトピー、じつはシャワーが効果的!?
最後にご紹介するのは、アトピーの人におすすめの入浴法です。夏場になるとアトピーが悪化してしまう…という経験をしたことのある人もいるはず。早坂先生に、夏場にアトピーがひどくなってしまう原因を教えていただきました。
「アトピーやアレルギー体質がある人は、大人になってもやはり夏になると症状が悪化するという場合が多いです。汗がたまりやすい部分や、皮膚と皮膚が接触している関節の部分は、なかなか汗が乾燥せずにアトピーが悪化してしまいます。じつは、この汗というのが、アトピー悪化の原因であると考えられています。もともとは汗の成分に何かアレルギーを引き起こす成分があるのではと考えられていましたが、じつはアトピーの患者さんの汗を詳しく分析すると『MGL-1304』というたんぱく質が見つかったという研究があります。このたんぱく質は、皮膚の表面に付着しているカビの菌が汗に溶けこんで、皮膚に影響を及ぼすということが最近の調査でわかってきています」(早坂先生)。
ではどうすればいいのか、やはりこれはアレルギー物質である「アレルゲン」を流すということがとても大切になってきます、と早坂先生。
「ふだん私は湯船に入りましょうとお話していますが、この蒸し暑い時期に頻繁に湯船に浸かるというのはなかなか大変です。そこでアトピーの悪化防止に活用していただきたいのが、シャワーです。とくに夏はこまめにシャワーで汗を流すことで、アトピー悪化の予防につながりますので、汗をかいて家に帰ってきたらまずはシャワーを浴びるようにするといいでしょう。その際、シャワーを浴びるたびに石けんを使ってしまうと皮脂をとりすぎてしまうので、お湯だけで流すことがポイントです」(早坂先生)。
シャワーのお湯を熱くしすぎてしまうと、かゆみの物質であるヒスタミンが作られてしまうため、シャワーのお湯の温度は42度以下にするように注意しましょう。
季節湯で肌トラブルを予防・改善したり、夏場の熱中症対策に活用できる入浴法を教えていただきましたが、いかがだったでしょうか? ぜひ、この記事でご紹介した方法をとり入れて、まだまだ続く蒸し暑い夏を快適に過ごしていきましょう!
【提供元:Voicy】
参考:お風呂で熱中症予防
そのほか、今回の記事参考元、「夏の季節湯」「夏のスキンケア」の放送を聞くには【Voicy】へ
文/FYTTE編集部