鏡に向かってヘアスタイルを整えていると、チラホラと目に入ってくる白い存在…。白髪を眺めて「最近増えたなぁ」とため息、なんてことはありませんか。
白髪は、第一印象を老けさせてしまう困りもの。そこで、白髪にまつわる素朴な疑問や予防法をアンファー研究所研究員の太田あつ子さんに伺いました。
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「抜くと増える」は迷信、でも薄毛リスクが高まる
誰でも一度は聞いたことがある「白髪を抜くと増える」という言い伝え。これって本当なんでしょうか?
「白髪を抜いても増えるという影響はありませんが、薄毛リスクは高まります。ひとつの毛包(毛根を包む組織)から毛髪が生え変わる回数には限りがあるため、抜くことによってその寿命を縮めてしまうのです」(太田さん)
どうしても気になって抜いてしまう人もいるかもしれませんが、長い目で見れば毛髪へのダメージにつながる、ということですね。抜かずに染めるという場合も、気をつけるべきポイントがあるようです。
「頭皮と毛髪にやさしいヘアカラー剤を選ぶことが大切です。普段のシャンプーも地肌頭皮や髪にやさしい有効成分が含まれているものを選びましょう。
また、永久染毛剤を使用する際は、施術する回数を減らすように心がけてください。永久染毛剤は一度でしっかり染まるという特徴から最も多く普及していますが、刺激が強いため施術回数を重ねるほどに頭髪を傷めてしまいます」
亜鉛や鉄、カルシウムなど“白髪を予防する栄養素”
同じ年齢同士でも、白髪の多い少ないは千差万別。こういった差はいったいどこからくるのでしょうか。
「遺伝的な要因が強いといわれていますが、じつはなぜ白髪になるかはわかっていません。ですが、最近の研究によって細胞レベルでのメカニズムが徐々に解明されつつあります。
私たちの研究でも、70歳未満の方の白髪の多くは、毛根で色素細胞はつくられるものの髪をつくる細胞へうまく運ばれず、結果的に色素が不足し髪の毛の色が白くなる現象を確認しています。細胞髪の色素細胞の輸送機能が働かない状態であることが確認できています」(太田さん)
白髪のできるメカニズムにはなぞが多いものの、有効な予防法や対策法は解明されているのだとか。なかでも、ストレスをなるべくためこまない生活と十分な睡眠は必須です。
また、食生活においても、注目すべき栄養素があるようです。
「亜鉛や食物繊維、鉄、カルシウム、ビタミンA、カリウム、ビタミンEを摂取することは白髪予防に効果的です。食事はもちろん、サプリメントなどを利用するのもひとつの手ですね。
ビール酵母を服用して白髪が改善されたという方もいらっしゃいます」(太田さん)
亜鉛や鉄、カルシウムはレバーや納豆、ビタミンAはレバーや緑黄色野菜、カリウムは大豆や海藻類、ビタミンEはウナギやかぼちゃなどに多く含まれています。ちょっと一品足そうかな、というときなどにはこういった食材を意識してみましょう。
太田さんによると、洗髪時に頭皮をマッサージすることも白髪予防効果が期待できるとか。まずはできることから、白髪対策をはじめてみましょう!
取材協力/アンファー 文/本間美加子