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その食事制限、間違ってない? 管理栄養士が警鐘! 20代〜40代の働く女性に多い「新型栄養失調」とは
今、20代〜40代の働く女性の間で「新型栄養失調」が増えているといいます。「新型栄養失調」とは摂取カロリーは足りているのに、ビタミン・ミネラルなどが不足している状態のこと。これにより肌トラブルや肥満、便秘などが起こり、長期的にも生活習慣病などのリスクが高まります。東京慈恵会医科大学附属病院の管理栄養士、赤石定典さんと島本友希子さんの新著『美肌、太らない、老けないは食べ方が9割』(PHP研究所)からお伝えしていきます。
Contents 目次
女性の新型栄養失調が増えている!
今、20代~40代の働く女性の間で顕著なのが「5大栄養素のうちビタミンとミネラル、そして食物繊維が不足してしまう、『新型栄養失調』です」と赤石さん。
原因として考えられるのは、「間違った食事制限ダイエットを続けてしまう、忙しくて朝食を抜いてしまう、コンビニ食やファストフードに偏ってしまう、同じものばかりを食べて幅広い食品をとることができていない」ことだそう。
たしかに平成29年「国民健康・栄養調査」をみると、ビタミン A・C・D は目標摂取量の半分ほどしかとれておらず、鉄分も大幅に不足。また、骨を作るカルシウムや、ビタミンB1、食物繊維の不足も目立ちます。
栄養素の不足が老化や肥満を招く
「新型栄養失調」の状態だとどのようなことが起こるのでしょうか。
まずは女性の“5大悩み”であるシミやシワなどの肌トラブル、肥満、骨粗しょう症、貧血、便秘は、ビタミン・ミネラル・食物繊維の不足と密接に関係しているということ。
また「『新型栄養失調』はすぐに体に不調が現れなかったとしても、長期的には高血圧や、高脂血症、糖尿病、心臓疾患などの生活習慣病ほか、免疫力の低下など、あらゆる不調につながっていきます」
このように日々の食事が慢性的な体の不調の原因になっている可能性があります。
人生100 年時代といわれる現在は平均寿命と健康寿命(日常生活に制限のない期間)の差が男性で約9年、女性で12 年。
「健康寿命が短くなるのにはさまざまな要因が考えられますが、食生活の影響がとても大きいのです。逆に考えれば、若いうちから必要な栄養をしっかりとっていれば、将来の体の不調も予防し、いつまでも健康で、元気に美しく生きていけるのです」
若いからといって「食生活が多少不健康でも大丈夫」と思っていると、思わぬ不調を招くかもしれません。飽食の現代はふつうに食事をしていてもカロリーは満たされるので、不足しがちなビタミン、ミネラル、食物繊維に意識を配るとより食事内容がよくなるでしょう。
次回は、忙しい朝にパパッと作れる栄養満点の朝食をご紹介します!
文/庄司真紀
参考書籍
『慈恵医大管理栄養士が教える 美肌、太らない、老けないは食べ方が9割』(PHP研究所)
【プロフィール】
赤石定典
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部係長。管理栄養士。華学園栄養専門学校卒業、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部入職、分院への異動を経て、2014年附属病院へ異動。テレビ出演の機会も多く、芸能人の食生活、栄養のとり方などの指導を行い、学内外での活動も多い。
島本友希子
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部所属。管理栄養士。昭和女子大学卒業、日清医療食品を経て、2006年2月東京慈恵会医科大学附属病院栄養部入職。糖尿病療養指導士の資格を活かし、内科班のリーダーとして入院患者の栄養管理を行う。