外出自粛のなか、ダイエットやフィットネスが難しくなっていますが、肥満や生活習慣病などは大問題。食事や運動には気をつけたいところです。この数十年間、ほんとうに多くの種類のダイエット法が登場しました。どれを選べばいいのか迷うところです。このたび国際研究グループが、ほとんどのダイエット法がリバウンドしてしまうと報告。成果を上げるためには、工夫が必要になりそうです。
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14種類のダイエット法について比較
最近では食事を曜日や時間で制限するインターミッテントファスティングやプチ断食が注目されていますが、ダイエットのやり方はさまざまです。カロリー、脂肪、炭水化物など、制限する栄養素を変えるなどして、よりよいダイエット法が模索されてきました。こうしたダイエット法や食事法の効果を比べた研究も多く存在します。今回の研究は、体重のほか、血圧やコレステロールなど心臓と血管の病気の危険因子を調べたものです。
米国や中国などからなる国際研究グループは、体重が多めの人や太った人を対象とする過去の研究を集めて分析しました。調べたのは合計121件の研究(対象者は合計およそ2万2000人)。ダイエット法は塩分を減らすDASH食や魚介や野菜などが多い地中海食など14種類でした。三大栄養素の摂取パターンによって、ダイエット法を低炭水化物食、低脂肪食、三大栄養素控えめ食(低脂肪食に似ていますが、それよりは脂肪が多く、炭水化物が若干少なめ)の3種類に分けて分析し、さらに14種類を個別に調べました。
成果の持続が重要
その結果わかったのは、ほとんどのダイエット法が6か月後にはある程度の減量を達成でき、血圧やコレステロール値も改善するものの、1年後にはすべての効果が消えるということ。ただし、地中海食は1年後でも心臓と血管の病気になる危険要素の改善効果が持続していました。また、6か月のうちに善玉HDLコレステロール値や炎症の指標にされているCRP(C反応性タンパク)がよくなったダイエット法はありませんでした。
詳しく見てみると、6か月後の時点で低炭水化物食と低脂肪食では同じように体重が若干減少(4〜5 kg)、血圧が低下しました。三大栄養素控えめ食も、多少の体重減少と血圧低下の効果が見られました。有名なダイエット法のなかでは、炭水化物を大幅に制限するアトキンスのほか、塩分を減らして魚や野菜を増やすDASH、炭水化物を一定程度減らすゾーンが最も多い体重減少(3.5〜5.5 kg)と血圧低下になりました。
研究グループによると、どのダイエット法がいちばん効果的かというよりも、達成した減量や成果を維持することが重要と述べています。豆類や全粒穀物の摂取を増やし、糖質と塩分、アルコールを減らすのが最も効果的ではと研究グループは提案。体重を継続的に減らしていくには、ダイエット法のタイプにかかわらず、続けられる工夫が大切になるようです。
<参考文献>
Most diets lead to modest weight loss and lower blood pressure, but effects largely disappear after a year
https://www.bmj.com/company/newsroom/most-diets-lead-to-modest-weight-loss-and-lower-blood-pressure-but-effects-largely-disappear-after-a-year/
Ge L, Sadeghirad B, Ball GDC, et al. Comparison of dietary macronutrient patterns of 14 popular named dietary programmes for weight and cardiovascular risk factor reduction in adults: systematic review and network meta-analysis of randomised trials. BMJ. 2020;369:m696. Published 2020 Apr 1. doi:10.1136/bmj.m696
https://www.bmj.com/content/369/bmj.m696
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32238384/