テレワークや外出自粛による巣ごもり生活で、気づいたらお腹まわりがもたついてきた──。そのような「コロナ太り」が気になる人は、コーヒーを1日数杯飲んでみるのがよさそうです。このたび英国から、コーヒーの摂取量が多い女性ほど、体脂肪率が低い傾向が見られると報告されています。コーヒーの成分には肥満を防ぐものがあり、体脂肪を減らしてくれる可能性があるのだそうです。
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摂取量と体脂肪率に関係?
年間約700万トンものコーヒーが世界中で消費されているといわれます。日本でもコーヒーは最もよく飲まれている飲みもののひとつ。これまでにもコーヒーには、病気の予防や肥満防止といったさまざまな健康効果があることが報告されてきました。たとえば、コーヒーを飲むと脂肪を燃やす褐色脂肪細胞を増やしてくれるとの報告も。
このたび英国アングリア・ラスキン大学の研究グループは、コーヒー摂取量と体脂肪率の関係を調べています。研究グループは、米国疾病対策センター(CDC)が行っている「米国国民健康栄養調査(NHANES)」の2003~2004年と2005~2006年のデータを用いて、1日のコーヒー摂取量と体脂肪率や内臓脂肪レベルの関係を分析しました。男女20歳~69歳を調査対象とし、1日にコーヒーをどれだけ飲んでいるかアンケートに回答してもらっています。
男性の体脂肪率も低く
ここで明らかになったのは、1日に2、3杯コーヒーを飲んでいる女性の体脂肪率が低いこと。分析の結果、20歳~44歳の女性で1日にコーヒーを2、3杯飲む人の体脂肪率が最も低いことがわかりました。コーヒーをまったく飲まない人に比べて体脂肪率が3.4%も低かったのです。また45歳~69歳の女性では1日にコーヒーを4杯以上飲む人の体脂肪率は4.1%低いことが示されました。全体でみると、どの年齢層でも1日にコーヒーを2、3杯飲む女性は体脂肪率が2.8%低いことが明らかになっています。この傾向はノンカフェインのコーヒーでも同様の結果が示されました。一方で男性の場合、20歳~44歳で1日にコーヒーを2、3杯飲む人の体脂肪率は、コーヒーをまったく飲まない人に比べて1.3%低い程度でした。
研究グループはこれらの結果から「コーヒーにはカフェイン以外にも体重を調整する生物活性化合物が含まれ、それが抗肥満効果を発揮している可能性がある」と考えています。そういったことから「慢性疾患の予防で肥満を改善するのに、コーヒーあるいはその有効成分をダイエットにとり入れる選択肢もある」とも考えています。
1日に数杯コーヒーを飲むだけなら、ふだんの生活にも比較的とり入れやすい健康管理法といえます。少し意識してコーヒーを飲む量を増やしてみるとよいかもしれません。
<参考文献>
Coffee linked to lower body fat in women
https://aru.ac.uk/news/coffee-linked-to-lower-body-fat-in-women
Cao C, Liu Q, Abufaraj M, et al. Regular Coffee Consumption Is Associated with Lower Regional Adiposity Measured by DXA among US Women [published online ahead of print, 2020 May 3]. J Nutr. 2020;nxaa121. doi:10.1093/jn/nxaa121
https://academic.oup.com/jn/advance-article-abstract/doi/10.1093/jn/nxaa121/5828319
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32361729/
コーヒーを飲むことで肥満防げる!? 秘密は「褐色脂肪細胞」にあり!
https://fytte.jp/diet/71886/