フルーツは健康によいといわれますが、ジュースとなると飲みやすさのあまり太らないかなど心配してしまうかもしれません。小さいころからフルーツジュースを飲むことについての研究からは、その後、フルーツをよく食べるようになって結果的に太ることもないそう。これまでの研究でもフルーツジュースの健康効果は示されていますから、自分のためもありますし、親子でも習慣作りに積極的にとり入れるとよさそうです。
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子ども100人を10年間追跡
今回報告した米国ボストン大学の研究グループによると、米国では子どものフルーツ摂取量(ジュースも含めて)がまだ推奨レベルより低く、特に成長するにつれて減る傾向があるそう。フルーツジュースについては、100%のものも含めて食物繊維が少ない、高カロリー、虫歯になりやすくなるなどの懸念から、飲まないほうがいいという意見さえあるといいます。
そこで研究グループは、就学前にどれくらいフルーツジュースを飲むかがその後の食生活やBMIに影響するかどうかを調べました。3〜6歳の子ども100人を10年間追跡調査した研究データを使い、食事やライフスタイルに関するインタビューやアンケート、身体検査などの結果を分析しました。
食事の質もアップ
その結果、幼少期に100%フルーツジュースをたくさん飲んでいた子どもは、思春期までの10年間にフルーツ全体の摂取量が多くなり、健康的な効果につながりそうだとわかりました。
幼少期に100%フルーツジュースを1日1カップ以上飲んでいた子どもは、0.5カップ未満だった子どもに比べて、丸ごとのフルーツの摂取量が1日当たり0.9カップ多くなり、フルーツ全体の摂取量は0.5カップ多くなりました。米国の「食生活指針」が推奨するレベルを満たしている割合も4倍近く多い結果に。
さらに、100%フルーツジュースをたくさん飲んでいた子どもは、どの年齢時点でも、食事の質を判断する尺度の点数が高くなりました。また、フルーツジュースの摂取量と研究期間中のBMIの変化に関連性は見られず、肥満とは関係しないと思われます。小さいころからフルーツジュースを飲んでいると、体重が増えることなくヘルシーな食生活につながるのではないかと研究グループは指摘しています。
<参考文献>
New study finds drinking fruit juice in early years can have long term dietary benefits
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-06/kc-n-nsf060920.php
Li Wan, Phani Deepti Jakkilinki, Martha R. Singer, M. Loring Bradlee & Lynn L. Moore. A longitudinal study of fruit juice consumption during preschool years and subsequent diet quality and BMI. BMC Nutr. 2020 May 14;6:25. doi: 10.1186/s40795-020-00347-6. eCollection 2020.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32467768/
https://bmcnutr.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40795-020-00347-6