みなさんは、自分の腸内環境や細菌のことを気にしてみたことはありますか? 腸内細菌は全身の健康状態に関係し、心身の不調や病気のリスクにも影響するのです。今回は、この腸内細菌とMACに関して「小麦ブラン研究会」のセミナーで大妻女子大学家政学部食物学科教授の青江誠一郎先生から話を伺ってきました。
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MACってなに?
最近、腸内細菌を元気にするための重要なものとして「MAC」が注目されています。
MACとは、腸内細菌のエサになる炭水化物のことで、Microbiota accessible carbohydrates(MAC/マック)の略称です。
MACは果物や野菜、豆類、穀物などさまざまな食べ物に含まれており、大腸に多くすむ腸内細菌によって発酵されます。
MACをたくさん食べれば食べるほど、腸内の発酵は盛んになり、より多くの短鎖脂肪酸がつくられるのです。
そして、腸内細菌には栄養が届けられ、腸内細菌の生存を助け、さらには腸内細菌叢(そう)の多様性も改善できるといわれています。
注目の食物繊維「小麦ブラン」とは
今回ご紹介するのは、MACとして注目の食物繊維「小麦ブラン」です。
小麦のおよそ15%を占める小麦ブランは、豊富な栄養素を蓄えています。
ミネラル(リン、カリウムなど)、ビタミン(B1、B2、E)を多く含み、食物繊維の含有量も42.8%と穀物の中でもトップ。
食物繊維の中でも、特に多く含まれているのが不溶性食物繊維で、この不溶性食物繊維は腸の動きを良くし、便通をスムーズにしてくれる働きをしてくれます。
日本人が実際に摂取している食物繊維の量は、年々減少。
全世代の平均では、2015年現在で14.5gと目標値を約4~5gほど下回っており、若い人ほど少ない傾向に。
摂取量減少の原因として、食の欧米化により主食であるお米の消費量が減っていることに加え、近年の糖質制限ブームなどにより穀物をさらに避ける風潮もあり、摂取量がなかなか上がりにくいという現状にがあります。
食物繊維の不足は、便秘や生活習慣病の原因になるといわれています。
ここで、小麦ブランを積極的に取り入れることで、食物繊維不足の解消への近道となるかもしれません。
そして、この小麦ブランは体内での「かさまし」効率も一番高い食材といわれています。
胃の中へ入った不溶性食物繊維は、水分を吸収するとかさを増すため、腹持ちもよくなり、食べすぎを抑制してくれる効果も。
さらに小麦ブランに特徴的なのが、不溶性食物繊維が多いにもかかわらず、大腸まで達すると水溶性食物繊維としての機能も発揮するということです。
「ハイブリッド食物繊維」ともいうべきこの二面性を生かし、各消化器ではさまざまな働きをし、腸内環境の改善に役立っています。
小麦ブランとスーパー大麦で相乗効果も
さらにもう1つ、小麦ブランに並ぶ代表格として「バーリーマックス」もあげられます。
このスーパー大麦「バーリーマックス」は、通常の大麦と比べ、水溶性食物繊維(β-グルカン)と第3の食物繊維といわれるレジスタントスターチが多く含まれる栄養価の高い大麦です。
発酵速度が異なる3種類の食物繊維フルクタン、β-グルカン、レジスタントスターチが段階的に腸の入り口から腸内細菌の多く生息する腸の奥まで段階的に届くのが特徴。
スーパー大麦の総食物繊維量は、大麦・押し麦の約2倍、玄米の約7倍、白米の40倍以上もあるそうです。
水分を吸収し、大きく膨らみながら腸の奥まで届く小麦ブランと合わせて食べることによって、より腸内環境の改善が期待できます。
2月1日よりケロッグから新発売となった「オールブラン プレミアム」に、なんと今回紹介した小麦ブランとスーパー大麦の2つが含まれています。
この商品1つで、腸内環境の改善ができるかも!
これからも体の中から健康状態でいるために、一度自分の腸内環境を見直してみてはいかがでしょうか。
文/FYTTE編集部