コーヒー? 紅茶? あなたはティータイムには何を飲んでいますか? 実はコーヒーや紅茶にはさまざまな健康成分や美容成分が含まれています。「紅茶には美容やダイエットをサポートしてくれる成分が含まれているんですよ」と日本紅茶協会認定ティーインストラクターの森田麗子さん。そこで今回は、紅茶が持つ効果について森田さんにお話をうかがってみました。
Contents 目次
紅茶もカテキンやポリフェノールが豊富!
お茶と呼ばれるものはいろいろありますが、紅茶や緑茶は、同じツバキ科の葉を乾燥・発酵加工させてつくられています。違うのは、その発酵法です。紅茶は茶葉を完全に発酵させた完全発酵茶で、緑茶は発酵させない不発酵茶、つまり、「発酵しているか、していないか」が紅茶と緑茶の違いなのです。
緑茶にはカテキンが豊富に含まれているというのはよく知られていますよね。カテキンはポリフェノールの一種で、脂肪を燃えやすくする働きや、糖質やコレステロールの吸収を妨げる効果があるためダイエットに有効といわれています。
「紅茶にもカテキンが入っているのでダイエット効果が期待できます。さらに、紅茶にはカテキンが発酵することによってできるテアフラビンというポリフェノールも含まれているんです。お茶の色を見てもらうとわかるのですが、緑茶は発酵していない生葉に近い状態なのでグリーンですが、紅茶は茶色ですよね。この色はテアフラビンによるもので、緑茶にはない成分なんです。テアフラビンには体を温める作用があるといわれているため、基礎代謝をアップさせる効果も期待できます」と森田さん。
紅茶とコーヒーの効果の違いは?
紅茶には糖質の吸収を和らげてくれる効果もあるのだそう。
糖質の急激な上昇は、ダイエットにとって敵です。なぜかというと、血糖値が急激に上がると、それを早く下げようとインスリンが大量に分泌され、インスリンが使いきれなかった糖を脂肪に変えて蓄えてしまうから。
「それを防ぐためにも血糖値の急激な上昇を抑えることが重要。
また、紅茶に含まれているカテキンには糖質を分解する作用があります。食事のあとなどは糖質が急激に吸収されやすいので、それを和らげる効果がカテキンにあるといわれています。また、脂肪燃焼効果があるといわれているテアフラビンやカフェインも紅茶に含まれているので、相乗効果も期待できます」と森田さん。
カフェインというとコーヒーが思い浮かぶけれど、実は紅茶もカフェインが豊富。では紅茶もコーヒーも効果はまったく同じなのでしょうか?
「紅茶とコーヒーを比べると、紅茶のほうがうるおい効果があります。また、コーヒーは紅茶よりも利尿作用が強いので体の水分を奪いがちな側面もあります。そういったことから考えると、紅茶のほうが効率的に効果を得られると思います」と森田さん。
カフェインがあるので飲みすぎには要注意!
ダイエットには効果を期待できそうな紅茶。カロリーもほとんどないので、たくさん飲みたくなりがちですが、注意が必要です。
「カフェインには胃液の分泌を活発にする効果があるので、ガブガブ飲んだりすると胃がキリキリしてしまうことがあります。また、空腹のときに飲むのもよくありません。胃がキリキリしたり、人によってはカフェイン酔いといって、車酔いしたときのような気分の悪さを感じることもあるからです。空腹のときは紅茶だけを飲むのではなく、何かちょっとつまみながら飲むようにしてください。私たちも仕事で1日にたくさんの量の紅茶を飲むことがあるのですが、食パンを小さくカットしたものを用意して、それをかじりながら飲んだりして工夫しているんですよ」と森田さん。
同じ紅茶でも、茶葉によってカフェインなど成分の含有量が違うのだそう。紅茶をうまく取り入れるには、茶葉の選び方もポイントにるようです。
「カフェインやタンニンの含有量が多いのは、インドのアッサムなどコクのある紅茶ですね。アイスティーにしたとき、クリームダウンといって白くにごったようになるのは、タンニンなどの含有量が多いためです。中国のキームンなどは、アッサムと比べれば含有量が少なめなので飲みやすいかもしれません」と森田さん。
また、紅茶も利尿作用があるので飲みすぎには要注意とのこと。いい効果があるものでも過剰にとりすぎるのは禁物! 適量にするのが正解です。
紅茶は手軽に飲めるのがいいところ。自分に合う茶葉や飲み方を見つけて、じょうずにダイエットに取り入れてみてください。
撮影/鎌田真由(フードコーディネーター) 文/小高希久恵