コロナ太りでダイエットの優先順位を引き上げたという人も多いかもしれません。ダイエット法として話題に上ることの多い“プチ断食”、インターミッテントファスティングも人気でしょう。ただ、断食の取り組み方もひとつのパターンにとどまりません。海外の研究グループは1日にうちに食べる時間を制限するダイエット法の効果を検証しています。制限する時間はどれくらいがベスト?
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制限すべきは食べる量より時間?
インターミッテントファスティングでは、食べる時間を制限する方法で実践する人が多いかもしれません。そのほかのやり方としては、1週間のうち2日、水分程度だけ摂取して週のなかでの食事を減らすやり方もあります。1日のなかで食事できる時間を制限するやり方についても、1日のうち4時間だけ食べられる時間をつくる方法や6時間だけ食べられる時間をつくる方法など、パターンがあります。
米国イリノイ大学の研究グループがこのたび調べたのは、この食べられる時間制限のなかでも特に一般的に行われている「4時間制限法」と「6時間制限法」にどれくらいダイエット効果があるのかという点でした。そこで午後3時〜午後7時の間のみ食事できるグループと、午後1時から午後7時の間のみ食事できるグループ、食事の時間を制限しないグループの3グループに分けて8週間続けてもらいました。時間制限さえ守れば何を食べても構わないルールで、摂取カロリーや体重の減り方などに差があるのかを調べたのです。
体重を減らす効果を確認
結果として確認されたのは、食事制限の時間によらずインターミッテントファスティングのダイエット効果はあるということ。4時間制限法と6時間制限法の間に差はなく、いずれも有効という結果です。
具体的には、自由に食事をとることができるグループと比べ、食事の時間制限をした場合のほうが、摂取カロリーが1日550kcal減って、体重も3%減っていました。さらに、体重が減るばかりではなく、糖尿病につながる耐糖能や酸化ストレスも低下していました。断食することで全身の健康につながる変化もうながされていたことになります。期間中に参加者から、めまいや頭痛などの健康への悪影響が報告されることもなかったそう。
あえて食べるものを減らそうとしなくても、食べる時間帯を決めるだけでダイエットにつながるのは取り組みやすい方法といっていいのかもしれません。コロナ生活で体重がまさに3%ほど増えてしまったという人もいるでしょう。それでは済まないという人もいるかもしれませんが、ここから2か月ほどのプチ断食生活で元に戻せるように取り組むのもよいかもしれません。
<参考文献>
How long should you fast for weight loss?
https://today.uic.edu/how-long-should-you-fast-for-weight-loss
Cienfuegos S, Gabel K, Kalam F, et al. Effects of 4- and 6-h Time-Restricted Feeding on Weight and Cardiometabolic Health: A Randomized Controlled Trial in Adults with Obesity [published online ahead of print, 2020 Jul 8]. Cell Metab. 2020;S1550-4131(20)30319-3. doi:10.1016/j.cmet.2020.06.018
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1550413120303193
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32673591/