残暑が厳しく食欲が減退するなか、冷たいものやのどごしのよい食べものが恋しくなったりしませんか?
そんなときには、おうちで手軽に再現できる、中国の定番ヘルシー料理「豆花(トウファ)」はいかがでしょうか。
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年間を通して日本の食卓にあがり、日本人になじみのある豆腐。中国ではおおまかに、日本の木綿豆腐のように硬めの「豆腐」と、絹ごし豆腐よりもさらにやわらかい、フルフルの食感が特徴の「豆花(トウファ)」があります。
中国では、牛乳よりも豆乳を飲む習慣が根強く、豆乳メーカーは一家に一台の家電、たとえ家で作れなくても、専門店が街のあちこちにあるほど大豆製品が身近にあります。
また、スターバックスコーヒーでは、カフェラテとソイラテが同じ料金という豆乳好きにはうれしいサービスも。
豆乳を固めて作る豆花は、とろとろの食感で、のどごしもスッキリ。食欲がわかないような暑い日や、調子の悪い日にも栄養満点で、もってこいの食べものです。中国の豆花は、スイーツ系の甘いものと、食事系のしょっぱいものがあり、どちらも日本人の口に合うおいしさ!
まず、食事系の豆花ですが、こちらは中国の定番の朝食でもあります。フルフルの温かい豆腐に、桜エビ、ザーサイ、小ねぎ、岩のり、パクチー、ラー油少々に、おしょうゆをかけていただきます。この咸豆花(シエントウファ:咸は塩辛い、という意味)は、朝早くから買い求める人や出勤途中に買う人も多く、街角の個人商店では午後の早い時間に売り切れています。
豆乳のスープと同様、油条(ヨウティヤオ)とよばれる揚げパンを浸しながら、または輪切りにしてトッピングして食べればボリューム満点。ヘルシーなのに満腹感があっておすすめです。
材料はどれも日本で再現できるものばかり。さっそく試してみたいですね。
そして、もうひとつの豆花は甘いスイーツ系。同じくフルフルの温かいプリンのような豆腐に、黒糖のシロップをかけていただくのが基本です。そこにピーナッツや甘くゆでた小豆、キンモクセイの花、白キクラゲ、タピオカやマンゴーなどのトッピングがあり、お店ごとに個性があり選ぶのも楽しみのひとつ。黒糖のシロップのほか、砂糖水、ココナッツミルクなどのベースもあります。こちらは温かくても冷たくてもおいしくいただけるのが特徴です。それでも中国の女子はカラダにやさしい温かいデザートを好んで食べることが多いようです。
豆花は、厳密には日本の豆腐と固める手順での原料が異なりますが、主に大豆からできる豆乳を使用しているので、植物性たんぱく質、イソフラボン、食物繊維、ビタミンBなどの栄養価が高いのもうれしい理由。また、食べごたえがあって腹もちもいいので、ダイエットにも適しています。
さらに、中国で豆乳は、老若男女問わず、年間を通じて体内の陰陽バランスを整える食品と信じられているので、気を整えるのにもよさそう。
日本には台湾発のスイーツが続々と上陸し、流行していますが、ステイホームの今こそ、おうちでレシピを再現して、ちょっぴり海外の雰囲気を味わいながら、ヘルシーな食生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。
写真・文/伊勢本ゆかり