ダイエット中に限らず水はたくさん飲んだほうがいい、と聞きますが、水分を必要以上にとると体が冷えてしまったり、むくみを招いたり体の調子が悪くなってしまう人もいますよね。では、なぜ水分をとることがよいと言われるのか、水はどのように飲むべきなのか、ダイエットカウンセラーの伊達友美先生に教えていただきました。
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水分をたくさんとったほうがいい理由
「水分をたくさんとるといい」とよく言われますね。
それは、人間の体を構成している成分の中でいちばん多いのが水で、55~60%を占めているから。その水は、私たちが口にする水からなるもの。つまり、どんな水を口にするかによって、体の半分が変わる可能性がある。ということで、「水分をたくさんとろう」と言われるわけです。
ただ、日本人はもともと、食事からとる水分が多いため、それほど水を多く飲む必要はありません。例えば、ごはんを炊くのには水が必要で、当然、ごはん粒には水分が含まれています。それに、汁物、煮物、蒸し物、鍋物……と、和食は水分を食材に入れ込む料理が多く、自然と食事から水分を補給できるのです。
ところが、日本人の食生活は年々、西洋化。西洋風の料理は、和食とは反対に、焼いたり、揚げたりして水分を飛ばす調理法が目立ちます。例えば、パンなどはその典型。このようなものばかりを食べていると、当然、食事からとる水分は少なくなります。ということで、現代の日本人の中には水分が不足している人が増えてきたのです。
適量をオーバーすると冷えやむくみに繋がる
実際、こまめに水を飲むようになったら、肌の調子がよくなったり、むくみが取れてスッキリしたり、お通じがよくなるケースも珍しくありません。
しかし、過ぎたるは及ばざるがごとし。
私の患者さんの中には、1日に4Lの水を飲む人もいます。そういう人は、水分のとり過ぎで、体調がよくなるどころか、不調を訴える人もいっぱい。30分おきにトイレに行くような頻尿になったり、体が冷えたり、むくんだり。
じつは私も昔はそうでした。プーアール茶を日に4~5L飲んでいたことがありますが、むくんで体はパンパン。おまけにとても疲れやすくなり、夏バテが一年中続いているような感じでした。
水分は多くとればいいというわけではないことがわかりますよね。
水分は“自分にとっての適量”をとることが大切です。その適量には、食事内容や生活行動パターンなどによって個人差があります。
例えば、美容師、看護師、ヘルパーなど、一日中立ちっぱなしで動く職業の人は、自分では汗をかいているという意識がなくても、代謝で失われる水分を補う必要があるでしょう。反対に、事務職などで一日中座っている人は、それほど水分は必要ないはずです。
ほとんど水を飲まないけどこれってマズイ?
また、職業などに関係なく、ふだんからほとんど水を口にしない人もいますよね。「水をたくさん飲むほうがいい」と言われているので、「私って、ちょっとヤバい?」と不安になっている人もいるかもしれませんが、ほとんど水を飲まなくても健康なら、問題はありません。その人には、外からとる水分がそれほど必要ないということでしょう。逆に、決してムリをしているというわけではなく、本当に欲して多くの水を飲む人もいますよね。この場合も、それで体の調子がよければ、何も問題なし。その量が、その人にとっての適量なのです。
結局、最終的には、自分の体と相談しながら、適量を見極めるしかないということでしょう。
よくわからないという人は、ごはんを主食にし、みそ汁などの汁物を必ずつけるようにして、まず、食事からとる水分を増やすよう心がけてみてください。どうしてものどが渇くようなら食後にお茶を一杯飲むくらいでOKです。
基本的に、お茶にしても、水にしても、食事以外からとる水分は、飲むタイミングや飲み方にも気をつけたいもの。食べ過ぎを防ぐ目的で食前にたっぷり水を飲むのはNG。胃液が薄まり、胃が冷えて動きも鈍くなるため、消化が悪くなるのです。
また、ごくごくのどを鳴らして一気に大量の水分をとると、むくみや冷えの原因になったりもしますから、注意しましょう。「水分はちびちび飲むくらいでちょうどいい」と頭の片隅に入れておいてください。