ダイエットの手段として注目されているプチ断食。一定の時間帯や曜日に食事を控えるのですが、効果がなかなか現れないとお悩みの人もいるかもしれません。体型の変化が見えづらいとしたら理由は何なのでしょうか。海外の研究によると、断食をするとお腹の脂肪が減りづらくなるという結果が。気をつけるとよいかもしれません。
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プチ断食はなぜ効果的?
体重を減らすためにどうしたらよいのか。それは世界中の関心事といっても大げさではないでしょう。ダイエットは美容のためにも、健康のためにも重要。肥満は好ましくないというのは共通認識になってきています。そうしたなかで人気になっているのがいわゆる「プチ断食」です。英語では「インターミッテント・ファスティング(intermittent fasting)」。夜間だけ食事を抜くようにしたり、週に1、2日断食したりして、体重を減らします。その効果はカロリーを減らすことばかりではなく、新陳代謝への効果なども期待されています。
オーストラリアの研究グループは、インターミッテント・ファスティングによって脂肪がどのように減るのかを報告しています。動物実験を行い、1日おきに断食した場合、体の脂肪にどのように反応が見られるかを調べたのです。インターミッテント・ファスティングによる脂肪の燃え方を知ろうと考えたのです。
内臓脂肪は減っていく
ここからわかったのは、内臓脂肪が減る一方で、お腹の皮下脂肪はなかなか減りにくいということ。具体的には、断食中、脂肪は分解され、エネルギー源として使われるのですが、脂肪の種類で差が見られたのです。エネルギーとして使われるのは主に内臓脂肪。一方で、お腹につく皮下脂肪はエネルギー源となるよりも、むしろ脂肪を蓄えるようになったのです。
いわば「保存モード」になっているといいます。断食が続いた場合に、ダイエットにはいいですが、体は危機的な状況だと認識するわけです。結果、断食を続けることで、皮下脂肪はむしろ減りづらくなる可能性もあるということ。プチ断食で内臓脂肪を減らしながら、皮下脂肪を減らすためには別のアプローチをとる必要があるのかもしれません。
<参考文献>
Belly fat resistant to every-other-day
https://www.sydney.edu.au/news-opinion/news/2021/03/03/belly-fat-resistant-to-every-other-day-fasting-study.html
Harney DJ, Cielesh M, Chu R, Cooke KC, James DE, Stöckli J, Larance M. Proteomics analysis of adipose depots after intermittent fasting reveals visceral fat preservation mechanisms. Cell Rep. 2021 Mar 2;34(9):108804. doi: 10.1016/j.celrep.2021.108804. PMID: 33657384.
https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(21)00118-2
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33657384/