FYTTE&GetNaviチームの共同企画「カラダ、ココロ、整う」プロジェクト。ご夫婦で当プロジェクトのアンバサダーを務める、モデルでフラワーライフスタイルプロデューサーの畑野ひろ子さんと、エキスパートとして当プロジェクトの食事・運動面を監修いただいている河村玲子先生の対談を実施。前編の今回は、畑野さんの食に対する考え方、食と体の関係などについて、お話しいただきました。
栄養バランスは、1日のなか、あるいは数日単位で考える
—-畑野さんご自身やご家族の日々の食事についてお伺いします。日ごろ、気をつけていることはどんなことでしょうか。
「一食一食を完璧に」と考えてしまうと大変なので、1日のなか、あるいは数日を通して、バランスが取れればいいと思っています。糖質、たんぱく質、野菜、海藻類などをとれるようにメニューを考えて、たんぱく質も今日は魚だったから明日はお肉にしようとか。体にいいといわれるものでも、同じ食品ばかりとることがないようにもしています。簡単な考え方なんですが、いまでは習慣になっています。
完璧を目指さない、というのはすごくいいことだと思います。人の体ってそんなに厳密ではないので、食事の量や栄養のバランスは、3〜7日程度で調整すれば良いんです。日々ストイックになり過ぎず、今日は食べすぎたから、明日は少なめにしよう!というようにゆるくていいので積み重ねていくことが大事です。
—-いまでは、バランスのよい食事をとることが習慣になっているとのことですが、習慣になるまでにご苦労はありましたか?
主人(元プロサッカー選手で現在は腸内フローラの研究をしている鈴木啓太さん)と出会って「バランスのとれた食事が体の基礎をつくる」という話をされ、「それはそうだよな」と思ったものの、実は「何を出せばいいの?」「たんぱく質に種類があるの?」という次元でした。特に、私が20代のころは、モデルは太ってはいけないということがまず先にあった時代。大変でしたが、主人に聞いたり、いろいろな本を読んだりして、食生活に「バランス」を定着させていきました。
子どもたちの体づくりも含め、主人と出会い、栄養のバランスということを考えられるようになったことは、私の人生においてすごく大きなことでした。世の中がこういう状況のなか、抵抗力や体の芯をつくるという意味でも、バランスのいい食事の重要性を実感しています。
食事量の減らしすぎは筋肉も肌もボロボロに。食べながら整った体を目指して
食事量を増やしたら、太ってしまうんじゃないか?という不安は誰もが持っていると思います。ですが、単に細ければいいのでしょうか?
畑野さんは、食べる量を増やしたとき、どんな変化がありましたか?
体重は増えました。「量やカロリーは少ないほうがいい」「少しでも増えたらすぐ戻さないと」いう生活だったので、食事を増やす前は筋肉量も少なかったですしね。肌も乾燥していてツヤがありませんでした。でも、バーンといきなり増えたわけではなく、徐々に増えていって、程よいところでキープできています。体重の増加とともに体力がついていきました。体重も増えましたし、年齢を重ねてもいますが、いまは当時より肌の調子もいいです。毎日の食事が、いまの体につながっているのかなと思います。
ただ細い体と、ボディラインが整った体は違います。また、やせたいからと食べる量を減らすと、筋肉や肌、骨などをじょうずに作ることができず、見た目も体の中もボロボロになりがちです。体は食べる量が少なくなると、それに応じて基礎代謝を下げます。ですが、徐々に食べる量を増やしていくと、それに応じて基礎代謝が上がったり、日常で消費するカロリーが自然に上がったりすることがわかっています。極端な食事制限をしている人には、おそれずに食事の量を増やし、しっかり動いて、健康的に引き締まった、魅力的な体に近づいて欲しいなと思います。
—-量を増やす段階で、気をつけることはありますか?
カロリーを増やすのが不安で肉や魚を避ける人がいますが、たんぱく質は三大栄養素のなかでもっとも重要で脂肪になりにくいもの。たとえば、糖質や脂質が入っていないプロテインドリンクなどをとってみて、たんぱく質をとることへの抵抗をなくしていき、慣れてきたら、牛肉や豚肉とステップアップしていくという方法もおすすめです。
食事をとったときの感覚で体調がわかる
いま思うと、若いときは勢いでその日その日をしのいでいた気がします。食事を減らしてもいま元気だから平気だし、まわりもやせているし、って。そのときはいいけれど、5年後10年後、体がそのことを覚えていて、体調を崩しがちになる人も多いと思います。私も実際、ホルモンバランスを崩しました。いまは、しっかり食べられているときは調子がいいですし、食事をとったときの感覚でそのときの自分の体調に気がつけます。これからも、食事を通して自分の体に向き合っていきたいですし、敏感でいたいです。
食べられるようになると、体の中からエネルギーがあふれ、心と体が元気になりますからね。エレベーターではなく、階段を使ってみようかな、という意識や行動の変化も起こってきます。畑野さんのように、長いスパンで体に向き合い、大切にしてくれる人が、若い世代でも増えるとうれしいですね。
後編では、畑野さんのある日のメニューや、食に関する日々のお悩み、腸活などをテーマにお送りします。
「カラダ、ココロ、整うプロジェクト」では、おうちで取り組めるカラダづくりの情報をたくさんお届けしています。ぜひこちらのプロジェクトサイトもご覧ください!
https://fytte.jp/healthcare_project/
畑野ひろ子
モデル。ファッション雑誌『JJ』の専属モデルを経て、テレビドラマ、映画、CMなどに出演。現在は雑誌『STORY』で活躍のほか、フラワーライフプロデューサーとしても活動中。二児の母。
河村玲子
管理栄養士・トレーナー。北米でのダイエットビジネスの経験を生かし、フリーランスで活動。女性誌やフィットネス雑誌、ウェブなどメディアでも活躍。
取材・文/馬渕綾子 畑野さん撮影/寺坂ジョニー