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その小さな不調、じつは「デーツ」で改善できるかも…! 健康効果やおすすめレシピもご紹介

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デーツの画像①

美容と健康への意識が高い人たちの間で近年注目を浴びているフルーツ「デーツ」。デーツはナツメヤシの実のことで、スーパーやドラッグストアなどでドライフルーツとして売られています。栄養価が高いだけでなく、おいしく保存性もいいことから、さまざまなシーンで利用されてきました。そこで今回は、今人気急上昇中デーツの魅力やおいしい食べ方について、内科医の工藤孝文先生、管理栄養士の園部裕美先生に教えていただきました!

Contents 目次

コロナ禍の小さな不調にはデーツがおすすめ!

不調を感じている女性のイラスト

長期化するコロナ禍の影響からか、病気とは言えないまでも、体の不調や変化を感じている人も少なくないのではないでしょうか? 「なんとなくうつっぽい「めまいや耳鳴りがする」など、こんなちょっとした不調を改善するためにはデーツがおすすめです、と語るのは内科医の工藤孝文先生。日々多くの患者さんと向き合っている工藤先生は、コロナ禍で訪れる患者さんに大きな変化を感じていると言います。

「検査をしても異常がないのに、うつっぽい、めまい、耳鳴りなどの症状に苦しむ人が、平常時の3倍近くに増えています。これは日常が変化することによって自律神経が乱れることから来る不調で、私は災害不調と呼んでいます。こうした症状は腸内環境と睡眠の状態を改善することで、次第によくなることが多いですね」。

腸内を検査する人のイラスト

そんな小さな不調に悩む人にこそ、腸内環境を整えるために不溶性の食物繊維を多く含む「デーツ」がおすすめなのだとか。じつは、工藤先生は以前からデーツに注目していたのだそう。

「食物繊維によって腸内環境を整えると、精神を安定させるセロトニンという神経伝達物質が正常に働くようになります。精神が安定すれば睡眠の状態も改善され、どんどん健康状態が底上げされていきます。

また、コロナ禍で外出する機会が減ったから太ってしまった、と考える人は多いと思いますが、実は太る原因は運動不足だけではありません。朝、日光に適度に当たっていないことや、存分に趣味に打ち込めないことなどが原因で幸福感を与えてくれるドーパミンという神経伝達物質が減り、そのストレスを解消するために、糖分や油分を求めてしまうと言われています。心当たりがある人は、甘いものや油ものが欲しいと感じたとき、代わりにデーツをつまんでみてください。適度な糖質とミネラル、ビタミンの一部などをとることができ、満足感を与えてくれますよ」。

デーツはどんな人におすすめ?

デーツのイラスト

デーツは健康維持に役立つことがわかりましたが、実際にはどんな人がどのようなシーンで食べると効果的なのでしょうか?

「デーツは樹上で乾燥するため、添加物が含まれず、砂糖も使用していません。自然な味・甘味を体験させる食育として、まず子どものおやつにとり入れてみてください。お菓子やアイスを食べるよりも腸内環境がよくなるためおすすめです。幼い頃の腸内環境は、大人になってからも影響すると言われています。ですから、お子さんの健康の資本を担う大切な食べものとして、デーツを選んであげましょう。

また、食が細く1日に必要なエネルギーが足りなくなりがちなお年寄りにも、自然な糖質はいいですね。葉酸や鉄分も含むので、妊娠中の人にも大変おすすめです。スポーツや仕事の合間の間食にも最適ですし、疲れて甘いものが欲しいときにデーツを食べれば、もうひとがんばりできますよ。ドライフルーツによって含まれる栄養は異なりますから、さまざまな栄養素を含むデーツを選んで食べる価値があります。健康維持のためには、食事に対して毎日の小さな工夫の積み重ねが大切なのです」(工藤先生)。

免疫力アップにデーツが役立つ理由

マスクをしている女性のイラスト

さまざまな健康価値があるデーツですが、実は私たちが今いちばん気になる「免役力」にも役立つのだとか…!

「腸内環境は免疫力にも大きく影響するので、免疫力を高めたい今こそ、腸内環境をよくするために意識して食べましょう。食物繊維の中には不溶性と水溶性があり、不溶性:水溶性=2:1でとることが理想と言われています。不溶性の食物繊維は主に野菜からとることができ、デーツに含まれる食物繊維も約8割は不溶性です。一方で、水溶性の食物繊維はオートミールや海藻などに多く含まれています。

私の一押しは、デーツとオートミールを合わせてとる方法です。また、ここに乳酸菌のとれるヨーグルトを合わせると、腸内環境のためにはさらにいいと思います。好きなものを組み合わせて、おいしく楽しくいただくことが心の安定には大切です。デーツを上手に利用してみてください」(工藤先生)。

今すぐ試したい! デーツを使ったおすすめレシピ3選

そのまま食べても十分おいしいデーツですが、ちょっとしたひと手間を加えることで、よりおいしく健康にもいい一品になります。ここからは、管理栄養士の園部裕美先生がおすすめするデーツのアレンジレシピをご紹介します!

フィンガーデーツボート

レシピ①

デーツを割って、お好みの食材をトッピングするだけのお手軽メニューです。ワインのお供やちょっとした間食にもぴったり!
糖質が主なデーツに、たんぱく質や脂肪を含む食材を合わせれば、より栄養バランスが整い、血糖値の上昇をゆるやかにすることもできます。小腹が空いたときのおやつや、おつまみとしておすすめ。

【材料(2人分)】
デーツ…3個
クリームチーズ…適量
ナッツ(くるみ、アーモンドなど)…お好みで適量
生ハム…適量
こしょう…適量

【作り方】
(1)
デーツは縦に半分に割り、種をとり出す。ナッツは細かく刻む。

(2)
デーツの断面に、それぞれの具材を乗せる。

(3)
仕上げにこしょうをかけて完成。

★園部先生からのアドバイス
具材はお好みで OKです。酸味のあるものを合わせると味がまとまります。スモー
クした鴨や水切りヨーグルトも合いますよ。こしょうのほか、ピンクペッパーやシナモンなどお好みのスパイスでアレンジを楽しんでください。

オーバーナイトデーツ&オーツ

レシピ②

デーツをヨーグルトに一晩つけて食べやすくしておく「オーバーナイトデーツ」。デーツとオートミールの食物繊維とヨーグルトの乳酸菌の組み合わせで、腸内環境を整えるメニューです。たんぱく質やビタミンを含む食材をトッピングすれば、朝食にもぴったり。オートミールを加えているので、ボリュームもあります。砂糖を加えなくても、デーツの自然な甘味だけでおいしくいただけます。

【材料(2人分)】
デーツ…4個
オートミール…大さじ6
ヨーグルト…300g
ナッツ、フルーツ(お好みでくるみ、ブルーベリー、バナナなど)…適量
きなこ(お好みで)…適量

【作り方】
(1)
デーツは縦に半分に割り、種をとる(より食べやすくしたい場合は細かく刻んでもよい)。

(2)
ヨーグルトとデーツ、オートミールを混ぜて1〜2時間冷蔵庫に入れておく(ひと晩おいてもよい)。

(3)
(2)にお好みのナッツ、フルーツ、きなこをトッピングして完成。

★園部先生からのアドバイス
デーツとオートミールが十分に水分を吸収することで、食べやすく消化もよくなります。前日の夜から仕込んでおいて、朝、お好みのナッツやフルーツなどをトッピングするだけで、簡単に朝食ができ上がります。

デーツのエナジーバー

レシピ③

デーツとナッツ、オートミールをまとめて焼くと、腹もちがよく栄養価の高いバーができあがります。時間がないときの朝食や、小腹満たしの間食にもおすすめです。
自然な甘みで香ばしくおいしい、携帯にも便利な今回のエナジーバーは、適度な糖質がとれるのでスポーツの合間や子どものおやつとしてもおすすめ。食物繊維が多いので、血糖値の上昇もおだやかです。卵を入れてたんぱく質を強化することで、栄養満点のバーになります。ココナッツオイルを使えば酸化しにくく、時間がたっても味が落ちにくいのもポイントです。

【材料(2人分)】
デーツ…4個
オートミール…100g
くるみ…60g
卵(全卵)…1個
ココナッツオイル…30g

【作り方】
(1)
デーツは縦に半分に割って種をとる。熱湯をかけてしばらくおき、やわらかくしておく。オーブンを170度に予熱する。

(2)
やわらかくしたデーツ、オートミール、くるみをフードプロセッサーに入れ、細かくくだく(包丁で細かく刻んでもよい)。

(3)
(2)に卵とココナッツオイルを加えてさらに混ぜる。

(4)
オーブン板の上にクッキングシートを敷き、その上に(3)を5mmの厚さに伸ばす。食べやすい大きさに切れ目を入れておく。

(5)
オーブンに入れ、170度で15分焼く。焼き上がったらとり出して、冷ましたら完成。

★園部先生からのアドバイス
フードプロセッサーを使ってより細かくすることで、食べやすくずっしりとした満足感のあるバーになります。形が崩れやすいので、少し抑えるように成形するときれいに仕上がります。すぐに食べない場合は、よく冷ましてからジッパーつきポリ袋やビンに入れて保存しましょう。2~3日はおいしく食べられます。

ドライフルーツのデーツは保存期間が長くかさばらないため、持ち運びや保存食としてもとても便利です。外出時はもちろん、災害時の非常食として準備しておくのもおすすめです。ぜひ、ふだんの食生活に上手にデーツをとり入れて活用してみてください!

プロフィール
工藤孝文先生
みやま市工藤内科(福岡県みやま市)院長。1983 年福岡県生まれ。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現職。専門は、糖尿病・ダイエット治療・漢方治療。「ガッテン !」(NHK)、「世界一受けたい授業」( 日本テレビ ) など、テレビ番組への出演・医療監修のほか、ダイエット関連の著作も多い。日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本抗加齢医学会・日本東洋医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会・小児慢性疾病指定医。

園部裕美先生
管理栄養士 臨床分子栄養医学研究会認定カウンセラー。病院栄養士、陸上長距離実業団専属栄養士を経て、2015 年独立。栄養+心理カウンセリング、セミナー、コラム執筆、アスリートサポートなどを中心に活動。予防医学の分野に携わり、分子栄養学と心理面を合わせたセッションでは、未病で不調な方々のサポートをしている。

文/FYTTE編集部

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