北アルプス山麓の森の中にある穂高養生園。心身に不安を抱える人やリラックスを求める人が滞在し、思い思いにゆったりと過ごす場所です。ここでの滞在中に滋養のある食事とともに提供されるのが、料理人の鈴木愛さんお手製のおやつ。グルテンフリーで卵や乳製品なしの体にやさしい素朴なおやつです。鈴木さんの著書『穂高養生園が考える やさしいおやつ』から初心者でも簡単にできる、とっておきのおやつを2回にわけてご紹介。今回はかぼちゃの蒸しパンのレシピをお届けします。
Contents 目次
かぼちゃの蒸しパン
キメが細かく弾力のある、米粉ならではの蒸しパン。 ほんのり甘いかぼちゃの素朴な味です。
【材料】(直径6cm高さ5.5cmのプリンカップ4個分)
(A)
米粉……100g
ベーキングパウダー……小さじ1(4g)
塩……ひとつまみ
(B)
かぼちゃ……50g
てんさい糖……30g
豆乳……80ml
植物油……20g
かぼちゃ(飾り用)……15g
パンプキンシード……適量
【準備】
・かぼちゃは1.5cm角に切って蒸し、15gは飾り用にとり置く。
・オーブンシートを10cm角に切ってプリンカップに敷く。
・パンプキンシードはフライパンで軽く煎る。
【作り方】
(1)ボウルにAの材料を入れ、泡立て器で均一に混ぜる。
(2)別のボウルにBのかぼちゃを入れてフォークでつぶし、てんさい糖を加えて混ぜる。残りのBを加えて泡立て器でなめらかに混ぜる。
(3)(1)に(2)を加えてゴムべらでムラなく混ぜ合わせ、プリンカップに流し入れて1.5cm角に切ったかぼちゃとパンプキンシードをのせる。
(4)フライパンに水を2cm深さまで入れて火にかける。沸いたら(3)を並べ、ふたをして12~15分蒸す。串を刺して生地がついてこなければ、型のまま網に並べて冷ます。※時間が経ってかたくなったら、蒸し返すとふっくらします。
小麦粉の代わりに米粉、砂糖の代わりにてんさい糖を
「最近は体調によって小麦粉を控えるという方も増えてきました。みんなが安心しておいしく食べられる“やさしいおやつ”をおうちでも気負わず作ってもらえたら。そう願いながらこの本を作りました」と鈴木さん。
小麦粉の代わりに用いるのは米粉。お米を粉砕して粉状にしたもので、昔からせんべいや菓子などに使われてきましたが、近年、より細かく粉砕する技術が進化し、小麦粉の代わりにお菓子などにも用いられるように。
「レシピでは製菓用の米粉を使用しています。粒子が細かいため、スポンジやほろほろとした食感のクッキーも作れます。グルテンがないため生地をよく混ぜてもダマにならず、またふるう必要がなく扱いが簡単です」
そして、甘味料には砂糖の代わりにてんさい糖を。てんさい糖は甜菜(ビート、サトウダイコン)の根の糖分から作られます。
「蜜の成分が残るので精度合いが低く、また天然のオリゴ糖を含むため整腸を助けます。薄い茶色は自然の色。まろやかですっきりとした甘みはどんなお菓子にも合います。溶けやすいものがオススメ」
米粉は以前よりも手軽に買えるようになりましたし、そのほかの材料も身近でそろえやすいように工夫したそうです。 グルテンフリーでもちゃんとおいしくて、体にやさしいお菓子。手軽に作れるので、お菓子作りに不慣れな人もぜひチャレンジしてみてくださいね。
次回は、オートミールと米粉を使ったグラノーラのレシピをお届けします。
文/庄司真紀 写真/『穂高養生園が考える やさしいおやつ』より
参考書籍
『穂高養生園が考える やさしいおやつ』(世界文化社)