日本人と米が切っても切れない関係であるように、イタリア人の食生活において決して欠かすことができないのがパスタです。イタリア人のパスタ消費量は長年世界のトップに君臨し、1人当たり年間約25kg弱の量を消費しているのだとか。でも最近では、グルテンアレルギーの人も多く、またダイエットや健康のため、小麦をとり過ぎないようにしている人も増えてきています。そういう人たちにとっては、デュラム小麦でできた普通のパスタはNG。そこで注目されているのが、小麦の替わりとなるものを原料とするパスタです。オートミールでできたパスタは、アレルギー対策や食事の量を減らしたい人たちの強い味方になっています。
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イタリア人の食生活に欠かせないパスタ。オーソドックスな小麦からできたパスタだけでなく、米、レンズ豆、ひよこ豆、コーンなど小麦を使用しないパスタや、スペルト小麦(小麦の原種で、グルテンアレルギーが発症しにくいと言われている)を使用したパスタも広く出回っており、スーパーマーケットで販売されるほどの市民権を得ています。そんな中で、最近、話題になっているのがオーツ麦パスタです。
イタリアでは健康志向派の間ではかねてからオートミールは注目されていましたが、お菓子に使ったり、ポリッジ(おかゆ)として食べられたりする程度でした。とにかく食にはコンサバなイタリアゆえ、アメリカのようにオートミールそのものが朝食メニューなどとして定着するまでにはいたらなかったものの、オーツ麦を原料とするパスタは歯ごたえもよく、少量でお腹がいっぱいになってダイエットにも向いているので、高評価をする人が多いようです。そして何よりも、味や香りにクセがないので、どんなソースにも合い、デュラム小麦の一般的なパスタと同じように使えるところに利点がありそうです。
歯ごたえのよいパスタには、ミートソースやチーズ、生クリームを使った、比較的パンチのあるソースを合わせたメニューが人気です。また、よりヘルシーさを目指す人たちの間では、強い個性を持った野菜、たとえばセロリ、ラディッキオ(赤チコリ)、ぺペローニ(パプリカ)などを使うことも。もちろん、トマトソースなど、普通のパスタ同様のオーソドックスなソースでもおいしくいただけます。
食べ過ぎ予防など健康への配慮や、小麦アレルギー対策の一環として、オートミールパスタはまだまだ脚光を浴びそうです。
写真提供(パスタ・ナトゥーラの有機オーツ麦パスタ)
Pasta Natura
https://pastanatura.com/
文・写真(上記以外):田中美貴