ベルギーというと「ワッフル」を連想する人もいるかもしれませんね。その独特な食感と、くどくない甘さが日本人の味覚もとりこにしたようで、一躍ベルギーという国を有名にしたほどの人気がありました。隣国フランスの食文化の影響を受けたベルギーは、フランスに負けず劣らずなかなかの美食国でもあります。しかも決して敷居が高いわけではなく、素朴で気どらないレシピが目白押しです。今回はそんなベルギーから、オートミールの食べ方を紹介します。
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ベルギーの北部に位置するフランドル地方は、人気アニメ「フランダースの犬」の舞台になったところです。アニメファンならずとも、この地方の名前を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
この地方には、昔ながらのオートミールの食べ方があるそうです。それは、オートミールを牛乳で煮て、その上にバターを乗せて溶かし、さらに砂糖をかけて食べるというもの。毎朝食べるその素朴な味は、人びとにとって、もちろんなじみ深いものでした。
しかし、ときには味の冒険もしてみたいもの。人びとは、伝統的でシンプルなこのオートミール料理に少し手をかけ、朝でも食べられるレシピを考え出したのです。それが、「りんごの焼きオートミール」です。
作り方をご紹介します。
「りんごの焼きオートミール」(ベルギー・フランドル地方風)
*調理時間:準備20分+オーブンで焼く時間25分=約45分
〈材料(4人分)〉
りんご……3~4個
[A]
・シナモン……小さじ1
・はちみつ……小さじ1(砂糖も可。分量はお好みで調節)
・くるみ(細かく刻んだもの)……好みの量
・レーズン……好みの量
オートミール……150g
バター、またはマーガリン……50g(さいの目に切る)
アーモンド粉……125g
はちみつ……大さじ2
〈作り方〉
(1)オーブンを180度に予熱します。りんごの皮をむき、芯をとり除き、小さな立方体に切ります。
(2)ボウルにりんごと[A]を入れて混ぜます。
(3)(2)を小さなベーキング皿に入れます。
(4)オートミール、アーモンドフラワー、バター、はちみつを別のボウルに入れてよく混ぜ、(3)の上にかぶせ、オーブンで約25分焼きます。
フランドル地方の人たちに聞いてみたところ、このタルトは各家庭で少しずつ味が違うこともあるのだとか。というのも、りんごを切らしている場合は西洋なしなど手持ちの果物を使ったり、りんごと合わせるはちみつを白砂糖にしたり、白砂糖を黒砂糖にしたりと、時と場合に応じて材料が微妙に変わることもあるからだそう。だからこそ、とても家庭的で味の変化も楽しめる、魅力満点のホームメイドな焼きオートミールと言われるのでしょう。
みなさんもぜひ、季節の果物を使って、手軽な焼きオートミールを楽しんでみてはいかがでしょうか。
写真・文/稲葉かおる