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「おいしいものを食べさせてあげたい」という気持ちから生まれた「簡単・時短・節約レシピ」が大人気! 料理家Mizukiさんの料理への思いとは

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Mizukiさんとそのレシピの組み合わせ写真

出す本が次から次へと大ヒット、現在発売中の『今日のごはん、これに決まり! Mizukiのレシピノート 決定版! 500品』(学研プラス)もあっという間に15万部を超えるほど、超人気ブロガーで料理家のMizukiさん。「摂食障害」という病を乗り越え、「私にできることは料理だけだった」と話すMizukiさんの仕事や料理への向き合い方、忙しい人でもとり入れやすい料理のコツなどについてお話を伺いました。

Contents 目次

100%自分が納得できるレシピや写真しか載せないのがモットー

レシピをノートに記録している

――料理本を出版されたり、このようにメディアの取材を受けたりと、日々お忙しいと思うのですが、ブログやInstagramを365日ほぼ毎日投稿され続けています。たまに、「疲れたな…」と思うことはないのでしょうか。

もちろん、ありますよ(笑)。

日常の出来事を毎日投稿し続けるのも大変だと思いますが、私の場合はレシピを紹介することが目的なので、まずはレシピを考えて、次に料理を作り、さらにできあがったものを撮影し、最後に文章と写真を投稿する―という4つの工程が発生します。そのため、レシピが思いつかなかったり、何度実作しても失敗してしまったり、写真がうまく撮れなかったりということが稀にあるので、そういうときはやっぱり「しんどいな…」と感じますね。

代わりに、日常の出来事を投稿するという方法もあるとは思うのですが、それができないんです、性格的に…(笑)。

自分でも柔軟性に欠けるとは思うのですが、レシピを考えられない、料理をうまく作れない、いい写真が撮れないとなると、その日の投稿はお休み。でも、”毎日やる”と自分で決めたのに、自分との約束を守れないのは絶対にイヤなので、結局ほぼ毎日のように投稿し続けています。

――毎日その作業を行うのは大変そうですが、いつかの投稿で「ブログサイト内のランキングで1位になれないと思うレシピは載せない」ということを書かれていたのを拝見しました。

誰もそこまで求めていないとは思うんですけど…(笑)。自分が納得できないとダメなんでしょうね。常にやると決めたことに対しては全力を注ぎたいので、「1位をとらなくてもいい」という中途半端な気持ちでレシピを作ってしまったら終わりだと考えてしまうんですよ。

――そこまでクオリティを担保されているからこそ、多くのフォロワーの支持を得られているのかもしれませんね。

ありがとうございます。少しでも誰かのお役に立てているのかな、と思うと、やはり100%自分が納得できる状態までやりたいんですよね。なので、たとえ、いいレシピが思いついて、作った料理がどんなにおいしくできたとしても、写真がうまく撮れなかったら絶対にアップしません。

ただ、以前お話させていただいたように、昔に比べたら柔軟さが出てきて、だいぶマシにはなったと思います(笑)。

「簡単」「時短」「節約」はおいしい料理を食べてもらいたいからこそ

Mizukiさんの最新刊

――現在発売中の『今日のごはん、これに決まり! Mizukiのレシピノート 決定版! 500品』がすでに15万部を超えて大ヒット。本書を作られるにあたって、どのようなことを大切にされたのでしょうか。

この本は、日々のブログやInstagramに投稿しているレシピの総まとめ的なもので、500のレシピを載せています。テーマは、「簡単」「時短」「節約」の3つ。これは、毎日料理を作る多くの人にあてはまるテーマなのではないかと考えたんです。

私が紹介するレシピは、ひとり暮らしをされている方向けというよりも、どちらかというとご家族やパートナーなど複数人で住んでいて、誰かのために料理をする必要がある人向けなんです。そのため、すべて簡単に作れて、手間と時間がかからず、高い食材を使わなくていいもの、というのが大前提。これは”自分がラクをしたいから“ということではなく、”常においしいものを食べさせてあげたい”という思いが根底にあります。

具体的に「簡単」「時短」「節約」がなぜ”常においしいものを食べさせてあげたい”につながるのかというと、例えば「簡単」であることがいいのは「失敗しなくてすむ」から。おそらくみなさん、失敗したくないのは、「おいしいものを食べさせてあげたい」からですよね? 「時短」は、単に早く作り終えたいからではなく、仕事を終えて時間がない中で作るときでも、やっぱりできるだけおいしいものを作りたいから。「節約」も、ただ食費を削るだけならすぐにできますが、限られた予算の中で、できるだけおいしいものを食べさせてあげたいという気持ちがあるから。

すべては、「おいしいものを食べさせてあげたい」という気持ちに尽きるんじゃないかと思うんです。

なので、料理が少し苦手な人、忙しくて時間がない人、食費を抑えたい人…そんな方々に活用していただけるとうれしいです。

笑顔のMizukiさん

――今お話をうかがっていて、「簡単」、「時短」、「節約」のとらえ方がガラリと変わりました! 今まで表面的なところでしか考えていなかったのですが、突き詰めていくとそこにたどり着くのかもしれませんね。

それと、私はひとつ気をつけていることがありまして、「ズボラ」と「手抜き」という言葉は絶対に使わないようにしています。

いくらおいしい料理が作れたとしても、食べさせる相手への気持ちがそこにないような気がしてしまって…。

――確かに「ズボラ」「手抜き」という表現だと、自分にとってのメリットだけで、“誰かのために”という部分が抜けてしまっているような感じがしますね。

もちろん、自分が作りたいように作るというのは決して悪いことではなくて、最終的に誰かのためにおいしいものを、ということにつながるとは思うんですけど、そうなるとやはり私の中では、「簡単」「時短」「節約」という表現がしっくりくるんですよね。

実際にSNSでいろいろな方から感想をいただくのですが、圧倒的に「子どもが喜んで食べてくれた」「夫がすごく喜んでくれた」「食の細い息子がこのレシピは食べられる」とか、食べた人の感想を喜んで報告してくる人が多い。それを毎日見ていると、みなさん、自分のために簡単にしたいとか、ラクをしたい、ということはほとんど考えていないように思います。

毎日食事を作るのって、すごく大変ですよね。どんなに簡単なものだったとしても、それを毎日毎日作り続けるのは正直しんどい。でも作り続けないといけない。

そんな中で、そういった小さな喜びが得られると、料理が楽しくなり、また次も作ろうって思えますよね。相手のためを思って料理をすると、ポジティブな循環が生まれる気がします。

家の冷蔵庫の中の食材で作れるレシピを

冷蔵庫にあると便利や肉と野菜

――FYTTEの読者に向けて、ヘルシーな食事を作るコツやポイントみたいなものがあれば、ぜひ教えてください!

レンジで作る料理なら、油を使わなくてすむのでおすすめです。

まだ寒い日もあるので、お鍋もいいですね。野菜をたくさんとれますし、何より、料理を作る人も温かい状態で食べられるのがいい。品数が多いと、ひとつ作り終わってほかの料理を作っているうちに、最初に作った料理が冷めてしまうじゃないですか。でも、お鍋ならそれがない。

私は迷ったとき、いつもお鍋にしています。1週間ずっとお鍋でもいいぐらい(笑)。

――仮に1週間毎日お鍋にするとしたら、飽きないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか。

ひとえにお鍋といってもいろいろな種類がありますけど、何を作るにしても、間にしゃぶしゃぶとすき焼きの日を入れれば、たいていの人は喜んでくれると思います(笑)。

みんな好きですよね、しゃぶしゃぶとすき焼き。お肉さえあれば、あとは家にある残りの食材を入れれば完成するので、それこそ、簡単、時短、節約にぴったりなメニューだと思います。

私は市販の鍋のスープもよく使います。今はおいしいものがたくさん出ていますから、忙しい人こそ、大いに活用することをオススメしたいですね。

また、作りたいメニューがなかなか思いつかず、迷ってしまって、最終的に作りたくなくなるときってあると思うんです。そんなときのために、私は常に焼き肉用の肉を冷凍しています。鶏肉だと冷凍しておいても、解凍したあとに切ったり、味つけをしたりして、なんだかんだで結構工程がありますよね。でも、焼き肉のお肉はただ焼けばいい(笑)。薄いので、わざわざ解凍しなくても、そのまま煮たり、焼いたりできるのでとても便利です。

――確かに! 冷凍のまま、フライパンで焼いてもすぐに熱が通るし、お鍋もいける…ラクですね。今日から常備したいと思います(笑)。

切らなくてすむところがまたいいんですよ(笑)。「切る」という作業は、多少なりと意気込みが必要なので、それがないだけでも十分「簡単」「時短」になります。

それと、私は、常ににんじん、じゃがいも、玉ねぎは切らさないようにしています。本書でもいろいろレシピを紹介させていただきましたが、この3つがあればなんとかなる(笑)。

ただ、火を通さないといけない食材なので、本当にサッと食べたいなら、葉物もあると便利ですね。すぐに傷んでしまうものもあるので、日持ちをさせるなら、キャベツや小松菜がオススメ。特に、キャベツは炒めて塩・コショウをしただけで、おいしくいただけますから、わが家でも大活躍です。

この本は食材別になっているので、例えば、「あ、今日は冷蔵庫に鶏むね肉がある」といって、鶏むね肉のカテゴリーを開けば、結構な数のレシピが載っていて、何かしら作りたいものが見つかる――そんな思いからレシピを500品載せています。

「今日は何を作ろう…」と、あれこれ考えたり悩んだりすることなく、本書を通して料理をもっと気軽に、かつ楽しんでいただけたらうれしいですね。

Mizukiさんおすすめ簡単煮込み&スープレシピ

切って煮るだけ!15分で完成の大満足レシピ「鶏肉と白菜のうま塩煮」

白菜と鶏肉をうま塩煮

●材料・2人分
鶏もも肉 1枚(250g)
白菜 1/6個(300g)
にんにく 1かけ
ごま油 小さじ1

水 300ml
酒、みりん 各大さじ1
鶏ガラスープの素 小さじ2
塩 ふたつまみ

粗びき黒こしょう 適量

●作り方
(1)鶏肉は3㎝に切る。白菜はざく切り、にんにくは薄切りにする。
(2)鍋にごま油を中火で熱し、鶏肉の両面を焼き色がつくまで焼く。
(3)A、白菜、にんにくを入れ、たまに混ぜながら8分煮る。器に盛り、お好みで黒こしょうをふる。

キムチとみそでコクうまの食べるスープ「落とし卵のみそスープ」

豚キムチのみそスープ

●材料・2人分
豚バラ薄切り肉 80g
にら 1/3束
白菜キムチ 80g
卵 2個
ごま油 小さじ1

水 400ml
みそ 大さじ1
鶏ガラスープの素 小さじ2/3

白いりごま 適量

●作り方
(1)豚肉は3㎝長さに、にらは4㎝長さに切る。
(2)鍋にごま油を中火で熱し、豚肉を炒める。肉の色が変わったらキムチを加えてさっと炒める。
(3)Aを加えてみそを溶かし、煮立ったら卵を割り入れ、にらも加え、ふたをして弱火で2分煮る。器に盛り、お好みで白ごまをふる。

ほかのレシピが気になったら、こちら!

書影

最新刊『今日のごはん、これに決まり! Mizukiのレシピノート決定版! 500品』(学研プラス)は15万部と大ヒット中。

Mizuki(みずき)

1986年生まれ、和歌山県出身。高校生で摂食障害を患い、23歳で体重が23kgに。20代半ばで病を乗り越えてから料理家の道へ。調理師免許のほか、スイーツコンシェルジュの資格をもち、月間300万PVを誇る人気ブロガー。【Instagramのフォロワーは94万人を突破(2022年3月時点)】身近な食材で誰でも作れる、簡単でおいしく、華やかなレシピに定評がある。企業のレシピ開発、雑誌、テレビ、WEBメディアで活動中。レシピブログアワードを2016年から3年連続で総合グランプリ受賞。◎LINEブログ「Mizukiオフィシャルブログ ~奇跡のキッチン」

 

写真/我妻慶一 取材・文/鈴木啓子

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