ダイエットやボディメイク、美容のために積極的にたんぱく質を摂取する人が増えている昨今。サプリメントを活用するのもひとつの手ですが、ふだんの食事から必要量をじょうずに補いたいと思う人もいるのでは? 肉類、魚類、乳製品/卵、大豆/大豆製品、野菜の分類ごとに、たんぱく質が多くとれる食材がなにか、食品成分表マニアで管理栄養士の藤原朋未さんに教えていただきました!
Contents 目次
毎日の食事、たんぱく質は足りている?
ダイエットやボディメイクに励むみなさんが注目している栄養素のひとつといえば、たんぱく質ではないでしょうか。3食の食事やトレーニング後の栄養補給に、たんぱく質を意識してとられている人は多いはず。
たんぱく質を多く含む食材といえば、鶏むね肉や卵が代表的ですが、その量はどのくらい?たんぱく質が豊富な食材はほかにはなにがあるのか、最新の栄養データである【日本食品標準成分表2020年版(八訂)】を基にまとめました。
自分に合ったたんぱく質の目標量を知ろう!
まずは、毎日の食事で私たちがどのくらいたんぱく質をとるのがよいのかを確認してみましょう。日本人の食事摂取基準(2020年版)より、身体活動レベル別にたんぱく質の目標量が定められています。
たんぱく質は筋肉をはじめ、血液や皮膚、爪など私たちの体を作る材料となる大切な栄養素です。とはいえ、とり過ぎは体に負担をかけてしまいますしエネルギー(カロリー)オーバーにもなりかねません。まずは、自分の身体活動レベルに合ったたんぱく質の目標量を知るところから始めましょう。
身体活動レベルとは、日常生活の内容によりⅠ~Ⅲの3つに分けられた指標です。ご自身の年齢と身体活動にあったたんぱく質の目標量をチェックしてみてください。
低い(Ⅰ):生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
ふつう(Ⅱ):座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客など、通勤・買いものでの歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合
高い(Ⅲ):移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣を持っている場合
食品群別! たんぱく質ランキング
食品成分表に基づき、肉類・魚類・乳製品/卵・大豆/大豆製品・野菜の5つの食品群に分け、たんぱく質の多い順に並べました。それぞれどんな食品にたんぱく質が多く含まれているのか見ていきましょう。
<肉類>
上位5品
鶏ささみ:23.9g
豚ヒレ肉:22.2g
鶏むね肉:21.3g
牛ヒレ肉(国産):20.8g
牛ヒレ肉(輸入):20.5g
肉類は100gあたりの含有量で統一しています。100gは鶏ささみでは2本分、鶏肉であれば1/3枚分が目安量です。
鶏ささみを2本食べれば、身体活動レベル(Ⅱ)の目標量である1食分のたんぱく質量を軽々摂取できることになりますね。
全体で見てみると牛肉は[輸入牛肉]が目立ちます。国産牛肉の方がより脂肪(霜降り)が多い分、たんぱく質量では輸入ものより低いということがわかります。
今回はベーコンやハム、ソーセージなどの加工肉はランキングから除外しています。手軽なたんぱく源ではありますが、塩分も多く含まれますので、これらはたくさん食べるのではなく、補助的な位置づけでとり入れるのがよいでしょう。
<魚類>
上位5品
くろまぐろ赤身:26.4g
びんながまぐろ:26.0g
かつお(春):25.8g
そうだがつお:25.7g
めばちまぐろ赤身:25.4g
魚類も100gあたりの含有量で統一しています。100gの目安量は鮭の切り身1切れ、まぐろの刺身は約6切れです。
上位にはまぐろやかつおが並ぶ結果となりました。どの魚のたんぱく質量も大きな差はなくかなりの僅差。20位以降もぶり、たい、さばなどのおなじみの魚が続き、100gあたり20g以上とたんぱく質を豊富に含むことがわかります。
<乳製品/卵>
乳製品/卵は、1食分として摂取しやすい分量で比較しています。
定番のたまごはゆで卵、スクランブルエッグなど調理もしやすいのでストックしておくと便利ですね。チーズは一度にたくさんは食べられませんが少量でもしっかりとたんぱく質がとれる食品です。
食品成分表には含まれませんが、話題の植物性ミルク(アーモンドミルク・オーツミルク)も合わせて比較してみました。これらは豆乳や牛乳と比べるとやや劣る結果に。たんぱく質補給が目的の場合は豆乳や牛乳、カロリーを抑えたい場合はアーモンドミルク、食物繊維を補いたい場合はオーツミルクなど、用途別に使い分けてもよさそうです。
<大豆/大豆製品>
植物性たんぱく質として欠かせない大豆/大豆製品。
水分量の多い豆腐や一度に多く食べられない油揚げやきなこなどは含有量も低めの結果に。とはいえ、どれも手軽にとり入れられるものが多く、低カロリーなのもうれしいポイントです。
<野菜>
野菜も1食分として摂取しやすい分量で比較しています。
肉や魚と比べると、たんぱく質の含有量は少なめ。そんななかでも、そら豆や枝豆、豆苗などは野菜に分類されますが「豆」としての栄養を合わせ持つため、たんぱく質も多く含みます。野菜と豆の両方の栄養がとれるバランスのよい野菜といえるでしょう。
このように調べてみると、たんぱく質の多く含む食材はたくさんあることがわかりますね。ひとつの食材にこだわらず、ぜひさまざまな食品を組み合わせてとるようにしてみてください。乳製品や大豆製品はおやつやちょい足し食材としてとり入れて。
きっとみなさんのトレーニング効果を底上げしてくれるでしょう。
参考
・日本食品標準成分表2020年版(八訂) 文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
・日本人の食事摂取基準(2020年版) 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
栄養価計算ソフト
・栄養価計算エクセル「楽らく栄養ちゃん 2020(八訂)」 エミッシュ
https://ticket.tsuku2.jp/eventsDetail.php?ecd=01202120060456