食べ過ぎが続いたときや胃腸が疲れているときに見直したいのが食生活。その効果的な回復法としてプチ断食をとり入れる人もいます。パーソナル栄養士の石川威弘さんは「断食はいわば“食べない栄養学”。飽食の時代だからこそ、あえて食べないことで健康管理や体型維持をすることができる健康法です」と話します。今回は、石川さんの著書『気まぐれ断食』より、断食のメリットについてご紹介していきます。
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ダイエット法であり健康法でもある断食
断食は昔から民間療法として活用されており、ダイエットに加えて、さまざまな健康効果があるといわれています。
「脂肪燃焼はもちろん、腸内環境の改善、便秘解消にも効果が期待できます。また、睡眠の質も改善し寝つきもよくなります。朝起きたとき、疲れがとれてスッキリ! ほかにもアレルギーの改善や免疫力アップの効果が期待できます。食べないことにより、自然治癒力など、もともと体に備わっている能力をとり戻し、より健康的になることができます」
断食するタイミングは、以下のようなときにオススメです。
●体重が増えてきた、食べ過ぎが続いていると思ったとき
●最近、体がだるいな、重いなというとき、スッキリしてリフレッシュしたいとき
●食欲がわかない、疲れが抜けない、日中ぼーっとしてしまう日が続いているとき
●季節の変わり目や新しいことをはじめる前
食べ過ぎによる不調は「食べない」ことで改善を
飽食の時代、食の欧米化ともいわれ、飢えよりも食べ過ぎが不調をもたらしています。
「食の変化がもたらした健康問題は、ずっと以前から深刻な社会問題となっています。食べ過ぎによる肥満や糖尿病が増え続け、原因不明のアレルギーや不妊で悩む人も増えてきています。飽食の時代に生きる私たちは、糖質や脂質、添加物などを自分の体が処理できなくなるほどとり過ぎています。体の解毒機能や代謝機能が追いつかないほどです」
こうした食べ過ぎによる不調を改善するのが断食。断食は体の解毒機能を高め、代謝をスムーズにします。
「食べ過ぎによる体の不調・不健康が増えてきた今だからこそ、“食べない”という選択肢が注目されています。日頃からデトックスをするという習慣が重要視されているのです」
従来の栄養学は食べるものや栄養バランスに主眼が置かれていましたが、少しずつ健康のために「食べないこと」が見直されるようになってきました。
「食べ過ぎを見直した結果、食べるものと食べないものを選択することと、食べないことで体にどのようなよい効果があるのかを考えるようになってきました。飽食の時代だからこそ、あえて食べないことで健康管理や体型維持をするのが断食です。今の時代に合わせた食べ方を考える際に、これまでの“食べる栄養学” と“食べない栄養学”の考え方を合わせて取り入れることが重要になっています」
食べ過ぎによる不調は断食で回復を。胃腸の不快感は食べ過ぎなど消化機能に負担がかかっているというサインかもしれませんね。断食というと何かとハードルが高いですが、次回は誰でも取り組みやすい「プチ断食」についてご紹介していきます。
参考書籍
『気まぐれ断食』(SBクリエイティブ)
文/庄司真紀