前回、より手軽に行えるプチ断食の16時間の断食法についてお伝えしましたが、断食の効果を最大限にするうえで、カギとなるのが断食の前後の食事になります。すぐに外食したり、カロリーを多くとったりすると胃腸に負担がかかりますし、せっかく減った体重もリバウンドしてしまうことに。今回は、パーソナル栄養士の石川威弘さんの著書『気まぐれ断食』より準備食、回復食についてご紹介していきます。
Contents 目次
準備・回復食は「まごはやさしいわ」
プチ断食であっても、その前後の期間はいつもよりも何を食べるかに意識を向ける必要があります。そのほうが断食の効率がアップ!
「断食の効果を左右する、断食前の準備食と断食後の回復食も重要です。具体的には『まごはやさしいわ』に当たる食品を意識してとっていきます。胃にやさしく栄養素をバランスよくとることができます。『まごはやさしいわ』は和食を選択すれば、自然にとれるものなので、それほど難しいものではありません」(石川さん)
『まごはやさしいわ』の食材
○まめ(豆類): 大豆・ひよこ豆・レンズ豆・小豆
○ごま(種実類): アマニ・ピーナッツ・くるみなど
○はっこう(発酵)食品: 納豆・みそ・甘酒・キムチなど
○やさい(野菜): きゅうり・トマト・キャベツ・ほうれん草など
○さかな(魚介類): あじ・いわし・ あさり・たこなど
○しいたけ(きのこ類): エリンギ・なめこ・舞茸など
○いも(いも類): じゃがいも・さつまいも・里いも・えびいもなど
○わかめ(海藻類): わかめ・ひじき・昆布など
準備期間に食べないほうがよいものは?
断食するときはいきなりスタートさせるのではなく、少しずつ食事を節制させていくほうが体の負担になりません。断食前に特に食べないほうがいいものもあります。
「断食前の準備期間中は体内の栄養バランスを整えるため肉類や揚げ物、加工食品、お菓子は控えるのがポイント。これらの食べ物を準備期間中に食べてしまうと断食の効果を下げたり、頭痛の原因になったりします。断食は準備期間から始まっています。準備食からしっかり取り組みましょう」
【断食の準備期間に避けるべき食べ物】
肉類……消化吸収に時間がかかるため、胃腸に負担がかかる。
揚げ物……酸化した脂質が体のなかの脂質のバランスを崩すため。
乳製品……動物性たんぱく質や乳糖が胃腸に負担をかける。
お菓子……糖質や添加物を多く含むため。
菓子パン……糖質を多く含み、血糖値に影響するため。
コンビニ弁当……添加物が多く肝臓に負担をかけるため。
インスタント食品……添加物が多く肝臓に負担をかけるため。
ファストフード、ジャンクフード……栄養バランスが悪く、栄養素の欠如が多いため。
ジュース……糖質を多く含み、血糖値に影響するため。
カフェイン飲料……依存性があるため断食がつらくなりやすい。頭痛の原因にも。
アルコール……肝臓に負担がかかり、体のなかのミネラルの浪費を起こすため。
食べ物以外にはたばこも控えたほうがベター。
回復食は断食のカギ!
断食のあとの回復食は断食のカギです。すぐいつも通りの食事に戻るのではなく、必ず回復食を食べるようにします。断食で休めた胃腸のウォーミングアップをするためです。
「基本はお粥などの流動食から食べ始め、そこから徐々に通常の食事に戻していきます。『まごはやさしいわ』などみそ汁や煮物、そばなど消化がいいもの食べ、揚げ物などは回復食を終えてから食べ始めます」
16時間断食を行う場合は、準備食はそれほど意識しなくても大丈夫ですが、断食後の1食目は回復食とし、動物性たんぱく質は断食後2食目から摂取するようにします。
「断食で減量に成功し、体の不調が改善したとしても、断食後に今まで通りの食生活に戻ってしまったら、またもとに戻ってしまいます。そうならないために、ふだんから準備食と同じ『まごはやさしいわ』の食材をとり、準備期間で NG だった食品も極力避けましょう。断食後は特に食生活が崩れないように気をつけてください」
断食は体重のリセットとともにこれまでの悪習慣のリセットにもなります。断食が終わったからといって何を食べてもいいわけではなく、リバウンドしないようにくれぐれも注意を。お祝いやイベントなどの豪華な食事と、ふだんの質素な食事のメリハリが大事とのことでした。
参考書籍
『気まぐれ断食』(SBクリエイティブ)
文/庄司真紀