自分がどれくらい食べたか自覚していながら、食べ過ぎたときには、ついなかったことにしてしまいがちかもしれません。そんななか、海外研究で、食べた量を聞かれると、体重に関係なく誰もが同じくらい、実際に食べた量より少なめに回答していることがわかりました。この結果を参考にすると、アプリなどで食べた量をこまめに記録したりすれば、理想と現実のギャップがうまく埋まると考えられそうです。
Contents 目次
実際の摂取カロリーと差がある?
国や機関が定める健康ガイドラインを作るために、その基礎にもなる食生活の調査が行われています。ところが最近の研究によると、調査の結果と実態にはかなりの誤差があって、不正確な場合が多いことがわかってきたそう。たとえば、BMIや年齢、性別などが実際とは異なるという問題もあるようです。実際よりもやせている、または若い年齢で申告したりしているわけです。
そこで今回、英国の研究グループは、いろいろな体格の221人(男女およそ半々)を対象に、自己申告のエネルギー摂取量が実際に摂取したカロリーとどれくらい差があるのかを調べてみました。正しくエネルギー消費量を計算できる検査を実施し、入念な検査をして計算しました。
900kcalも少なめに申告
ここからわかったのは、太っていてもやせていても、体重によらずエネルギー摂取量を同じくらい少なめに回答しているということでした。具体的には、自己申告に基づくエネルギー摂取量とエネルギー消費量との差は平均およそ900kcalと少なくありませんでした。
自己申告によるエネルギー摂取量の測定は、BMIに関係なく不正確であると認識することが大切だと研究グループは説明しています。ということは、基本的に誰しも思ったよりも食べ過ぎているというわけ。アプリなどで客観的に摂取カロリーを記録したり、またそれに基づいて現実的なダイエット目標を立てたりすることが、意味をもってくるかもしれません。
<参考文献>
Everyone eats three extra burgers a day than they admit
https://www.essex.ac.uk/news/2022/05/19/everyone-eats-the-equivalent-of-an-extra-three-mcdonald%E2%80%99s-a-day-than-they-admit,-study-shows
Waterworth SP, Kerr CJ, McManus CJ, Costello R, Sandercock GRH. Obese individuals do not underreport dietary intake to a greater extent than nonobese individuals when data are allometrically-scaled. Am J Hum Biol. 2022 Mar 8:e23743. doi: 10.1002/ajhb.23743. Epub ahead of print. PMID: 35257435.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ajhb.23743