海外の国々で同時に起きている小麦の不作に、小麦粉の価格が高騰中! そんな中、近年グルテンフリー対応の専門店が増えています。また、日本国内では「米粉」が注目されているそう。今回は、一般社団法人グルテンフリーライフ協会のフォーブス弥生さんに自宅でもグルテンフリーのお菓子作りができる主な材料を教えてもらいました。
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お菓子作りに欠かせない小麦の不作・価格の高騰…どう乗り切る?
日増しに秋の気配が深まってまいりました。たくさんの作物が収穫される秋が到来となり、1年の中で、いちばん食べ物のおいしい季節がやってきましたね。秋にはさつまいも、栗、かぼちゃやぶどうなど、旬の食材を使った秋限定スイーツが多く登場します。一般的にはスイーツは小麦粉を使用したものが多いのですが、近年グルテンフリー対応のスイーツ専門店やオンラインでお取寄せできる店もかなり増えてきました。
最近では、ロシアやウクライナからの小麦輸出減による小麦粉高騰のニュースを耳にするようになりました。しかし、農林水産省のデータによると日本が最も小麦を輸入している国はアメリカとなり、輸入量の約49%を占めています。2番目はカナダで約34%、3番目がオーストラリアで約17%です。これらの国々で同時に小麦の不作が起こり、小麦粉の価格が高騰しています。また、日本は小麦粉の約9割を海外からの輸入に依存しているため、近年グルテンフリー食材としても、国内では「米粉」がとても注目されています。
主にグルテンフリーの材料として使用されているのは、以下のとおりです。
• 米粉・玄米粉:お米を細かく砕いて粉状にしたもの。国内で生産されている米粉の多くは、うるち米やもち米の白米を原料としている。
• 片栗粉:じゃがいもから製造される馬鈴薯(ばれいしょ)のでんぷん。
• オートミール:燕麦(えんばく)という麦の一種で、オーツ麦とも言う。オーツ麦を脱穀し、もみ殻をとって加工したものがオートミール。食物繊維をたっぷり含み、栄養成分のβ-グルカンが大変豊富な食材。
• 大豆粉:大豆を粉末状に挽いた粉のこと。低温焙煎で臭みが少なく使いやすい。
• アーモンドパウダー:アーモンドを粉末状に加工したもの。皮つきと皮なしの2種類がある。アーモンドプードルと呼ばれることもあり、フランス語で「粉」を意味する。
• タピオカ粉:キャッサバの根茎から抽出したでんぷんを乾燥させて粉状にしたもの。
• コーンスターチ:トウモロコシを原料とする細かい粒子の粉末状でんぷん。
• ソルガム粉:イネ科の穀物で、「たかきび」とも呼ばれている。スーパーフード食材として、食物繊維、ミネラルを豊富に含む。
• そば粉:そばの実を粉にしたもの。種類や挽き方によって風味や香りが異なる。
自宅でお菓子作りはしたいけれど、ハードルが高い人や時間をかけずに簡単に作りたい人は、小麦不使用の市販ケーキミックス粉を活用するのがおすすめです。欧米の大手スーパーや健康食品店では多くの種類が販売されており、最近では日本でも手に入るようになってきました。季節のフルーツやナッツなど入れて、オーブンで焼くだけで、簡単にバナナケーキやりんごケーキなど、立派なスイーツが作れます。また、通常のパン作りでは欠かせない「こねる」作業が不要なパンミックスも発売されています。
お菓子作りやパン作りをしたことのない人にとって、ハードルが高いケーキやパンが、グルテンフリーで楽しめるなんて素敵だと思いませんか? これを機に、ぜひお菓子やパン作りにチャレンジしてみてください。