味にクセがなく、幅広い料理に活用できるかぶ。さっぱりとした味わいのピクルス、厚切りにしてステーキ、また正月明けに食べられる七草粥の「すずな」としてもおなじみの野菜です。根だけではなく、葉にもβ-カロテンなどの栄養が含まれているので、すべて活用しましょう。今回は、根と葉の両方を余すところなく使いこなす、下ごしらえと保存のコツをご紹介します。
Contents 目次
栄養素
<根と葉の両方に含まれるもの>
・カリウム
・カルシウム
・マグネシウム
・鉄
・亜鉛
・銅
・ビタミンK
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ナイアシン
・葉酸
・パントテン酸
・ビタミンC
<葉のみ>
・たんぱく質
・β-カロテン
・ビタミンE
・ビオチン など
栄養素のポイント
根と葉に共通して含まれているのがビタミンC。葉は根の約4倍ものビタミンCを含み、ほうれん草の約2倍に相当します(すべて可食部100gあたり)。葉にはβ-カロテン、たんぱく質、ビタミンEなども豊富です。
旬・産地
旬は10~12月ですが、3~4月のかぶも甘みがあっておすすめ。おもな産地は、千葉県、埼玉県、青森県など。昔から栽培が推奨されていた野菜のひとつで、京都の「聖護院かぶ」や、長崎の「長崎赤かぶ」など各地方にさまざまな品種が根付いています。
選び方
葉がピンと張っていて、茎の付け根が淡い緑色をしているものを選びましょう。根は表面にツヤがあって丸く整っているもの、ひびの入っていないものが良いでしょう。
保存方法・期間
かぶをおいしく保存するコツ
葉がついたままだと水分が抜けやすくなるため、葉と根は切り離して保存しましょう。
冷蔵・冷凍保存のポイント
・葉と根に分けて冷蔵保存
葉は根との境目で切り落とし、湿らせたキッチンペーパーで包みます。写真のように茎を下にして保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。根は1つずつキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて野菜室へ。保存の目安は、葉は3日程度、根は約1週間です。
・使いやすい大きさに切って冷凍保存
根は皮をむき、使いやすい大きさに切ります。キッチンペーパーで水気を拭き取り、冷凍保存袋に入れて冷凍します。葉はカットして冷凍保存袋へ。また、葉は硬めに塩茹でして水気を切り、小分けにしてから冷凍保存すると便利です。すべて保存の目安は約1カ月です。
下ごしらえのコツ
かぶは根、葉、葉のつけ根の3つに切り分けて使います。
葉のつけ根の下ごしらえ
葉のつけ根部分は、いちばんうまみの強い部位です。4~6つに切り分けてから、水につけて泥などの汚れを落としましょう。
葉の下ごしらえ
葉はサッと湯通しするとあくが抜けます。切り方は、下の写真のように繊維を断ってざく切りにしましょう。そのまま炒めもの、味噌汁、漬けものなどに使えます。
根の下ごしらえ
皮の内側に厚い繊維があるので、ムラにならないように厚めに皮をむきましょう。凹凸があれば削り取り、表面をなめらかにします。切り分けてから角を削って面取りをすると、煮崩れを防ぐことができます。
皮をむいた根は空気に触れると、多少のあくが出ます。水を張ったボウルに10分ほどさらすことで、あくがもたらす雑味を取ることができます。
蒸したり、漬けたり、炒めたりと、さまざまな調理法でおいしく味わうことができるかぶ。根や葉を余すところなく使いきって、その風味を存分に楽しみましょう。