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心臓や血管の健康を考えるならベジタリアン? 海外研究が注目の結果を発表

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食事

ベジタリアンの人はより健康な生活習慣を送っているといえるのでしょうか? 心臓病や脳卒中が世界的に大きな問題になっているなかで、生活習慣改善のために野菜や果物を食べることがすすめられています。それがどんな人にも当てはまるのか研究が進行中ですが、海外研究ではベジタリアンであることが心臓や血管の病気をもつ人にもよいことが報告されています。野菜や果物を食べることの意義を考えるうえで世界的にもその結果が注目されています。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

平均6か月間の変化を比較

健康的な食生活

ダイエットやフィットネスの手段として食事習慣について考えるのは当然。では、病気の予防のためにという人はどれくらいいるでしょうか?

食習慣は心臓や血管の病気になるリスクに大きな影響を与えることがはっきりしています。さらに発症リスクを高める糖尿病や高血圧の治療や予防にも重要です。野菜中心の食事は生活習慣病のリスクを下げるとされています。

一方で、まだわからないこともあります。もともと心臓や血管の病気のリスクを抱えている人はどうなのでしょうか? 今回、オーストラリアの研究グループは心臓・血管の病気がある人やそのリスクが高い人を対象に、菜食習慣の影響を調べた過去の研究結果をまとめて分析しました。特に参加者を菜食と菜食ではない食事のグループに分けて比べ、両グループの食事内容も記載されている研究(20件、合計参加者2000人近く)に焦点を当てました。

分析したのは、悪玉といわれる「LDLコレステロール」をはじめ、「血糖値(HbA1c)」やいわゆる「上の血圧値」である「収縮期血圧」、「体重」についての平均6か月間の変化。結果に影響を与えるカロリー制限や運動、医薬品の使用、食事のタイプなどを考慮した分析も行いました。

菜食習慣で薬が減ることも

サラダ

こうして明らかになったのは、健康リスクを抱えた人でも菜食は有益だということ。具体的には、LDLコレステロール、HbA1c、体重が菜食により改善。研究に参加した人の多くが血圧や血糖値の薬を服用していましたが、菜食の効果により薬の量が減ったケースも。薬の効果に対して、菜食がプラスアルファの効果をもたらす形になりました。

今回の研究では菜食のタイプ別の分析も行いましたが、データが限られていたためにこれについての結論は出せませんでした。とはいえ、菜食は、健康な人から病気のリスクを抱えている人まで幅広く恩恵をもたらしてくれそうです。

ただ、過去の研究では、肉や魚を食べない徹底した菜食主義の人では脳卒中が増えると報告されたことがあり、食事のバランスを意識することも忘れてはいけないようです。

<参考文献>

Wang T, Kroeger CM, Cassidy S, Mitra S, Ribeiro RV, Jose S, Masedunskas A, Senior AM, Fontana L. Vegetarian Dietary Patterns and Cardiometabolic Risk in People With or at High Risk of Cardiovascular Disease: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Netw Open. 2023 Jul 3;6(7):e2325658. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2023.25658. PMID: 37490288; PMCID: PMC10369207.
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2807597

ベジタリアンだと増える病気は…? 18年間の研究から判明した意外な結果
https://fytte.jp/news/healthcare/83253/

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