とろろでおなじみの山芋。実は山芋という特定の品種はなく、長芋や大和芋、いちょういもといった「ヤマノイモ科」に属する芋類を総称して「山芋」「やまのいも」と呼びます。生のまま刻めばシャキシャキ、すりおろせば粘りのある食感を楽しめるほか、加熱すればホクホクに。さまざまな料理に使える野菜です。
Contents 目次
栄養素
・カリウム
・鉄
・亜鉛
・銅
・ビタミンB1
・ビタミンB6
・葉酸
・パントテン酸
・ビオチン
・ビタミンC
・食物繊維 など(※長芋の栄養価で算出)
栄養素のポイント
山芋は、生で食べられる世界でも珍しい芋。消化酵素のジアスターゼ(アミラーゼ)を含んでいます。
旬・産地
旬は10~12月ですが、貯蔵性が高く、土の中で越冬させて翌年の春に収穫する、春掘りとの併用により、通年で出回っています。
青森県産と北海道産が市場全体の7割以上を占め、長野県産、群馬県産、千葉県産が続きます。
国内に出回っている山芋は、おもに円筒形の「長芋 ※下の写真左」、球形の「大和芋(関東ではつくねいもと呼ばれています) ※真ん中」、扁平な「いちょういも(関東ではやまといも) ※右」の3種類。大和芋には、石川県の「加賀まるいも」、三重県や奈良県の「伊勢いも」、兵庫県の「丹波いも」といった特産品があります。
山芋には、このほかに日本の自生種である、「自然薯」などもあります。
違いは粘りの強さ!
山芋の中でもとくに粘りが強いのは、大和芋(つくねいも)と自然薯で、味も濃いのが特徴。一方で、長芋は水分が多く、粘り気は少なめで淡白な味わいです。いちょういも(やまといも)は長芋より粘りが強く、上品な甘みがあります。
選び方
おいしい山芋の選び方
皮が薄くてハリがあり、表面に傷や斑点がなくきれいなものを選びましょう。ひげ根やひげ根の跡が多いものの方が、粘りが強いといわれています。
また、山芋は乾燥に弱いので、おがくずに入ったものや、真空包装で売られているものがおすすめです。
カットされた山芋の鮮度の見分け方
写真のように、切り口に変色がなく、白くみずみずしいものを選びましょう。
保存方法・期間
しっかり密封して乾燥から守る
山芋は乾燥だけでなく、光や水気にも弱いので、なるべく早めに使いきりましょう。丸ごと保存する場合は、キッチンペーパーで包んでから新聞紙で包みます。寒い時期であれば、冷暗所で常温保存できます。冬季以外は、さらにポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
使いきれなかった場合は、ラップで全体を包むか、切り口をキッチンペーパーで包んで輪ゴムで留めてから、保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。
丸ごとのものは、この方法で約1カ月保存できますが、カットしたものは傷みやすいので、2~3日を目安に使いきりましょう。
冷凍する場合
1.丸ごと冷凍
皮をむいてラップで包み、冷凍用保存袋に入れます。皮付きのままでも冷凍OK。
2.カットして冷凍
皮をむいてせん切りにし、冷凍用保存袋に入れます。
3.すりおろして冷凍
皮をむいてすりおろし、冷凍保存袋に入れたら、平らにならして密封します。
使うときは凍ったまま調理OK
冷凍した山芋は、約1カ月保存できます。使うときは自然解凍、もしくは凍ったままでも調理できます。丸ごと冷凍したものは、凍ったまますりおろせるので便利。冷凍するとぬめりによるかゆみが気にならなくなるだけでなく、なめらかな食感にと仕上がるというメリットも!
下ごしらえのコツ
あく抜きして変色を防ぐ
山芋は皮の下にあくがあるので、水洗いしたら、写真のように厚めに皮をむきましょう。
山芋がかぶるくらいの水に酢を1、2滴加え、10分ほどつけましょう。
酢水はかゆみ対策にも!
酢水につけると、変色だけでなく、ぬめりによるかゆみも防ぐことができます。
切り口の変色を防ぐには?
山芋を切ったときに黒っぽくなるのは、山芋に含まれる「チロシン」という成分が空気にふれて酸化するため。白さを保つには、切り口を水につけて空気を遮りましょう。