3月は寒暖差が激しく、気候の変動が不安定で体調を崩す人も多かったのではないでしょうか。4月に入ると気温・気候が安定し、ようやく春を迎えます。暖かくなるとダイエットを考える人もいるのではないでしょうか。今回は、日本から古くから親しまれてきた「葛粉(くずこ)」のダイエットや健康効果について、一般社団法人グルテンフリーライフ協会 フォーブス弥生さんに教えてもらいました。選び方にもポイントがあるようです。
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「葛粉」がスーパーフードに。効果やとり入れ方、選び方について
花の便りが聞かれる頃合いとなってきました。薄着になる時期に向けて、そろそろダイエットを考える人もいるのではないのでしょうか? ダイエットを始めるには春がよい時期だと言われています。冬は寒さから身を守るために体が脂肪をため込みやすく、やせにくい傾向にあります。一方、気温が暖かくなると、体は脂肪をため込むことが少なくなります。さらに、屋外に出る機会も増えることで、活動量や運動量が増えて消費エネルギーや代謝が上がります。適度な運動とあわせて、食生活も見直していきましょう。
そこで今回は、日本で古くから食品や生薬として使われてきた「葛粉(くずこ)」についてです。葛粉はマメ科のつる性多年草、秋の七草のひとつである葛の根からデンプンを精製して作られる食用粉です。葛粉は、英語ではarrowroot powder (アロールート・パウダー)またはarrowroot flour(アロールート・フラワー)として呼ばれており、近年、健康効果からスーパーフードとして世界で注目を浴びています。また、海外では第3のグルテンフリー食材としても注目されています。
日本では漢方薬としてなじみ深い「葛根湯(かっこんとう)」があります。葛根湯は、葛の根を主成分としており、7種類の生薬(葛根・麻黄・桂皮・芍薬・生姜・大棗・甘草/カッコン・マオウ・シナモン・シャクヤク・ショウガ・ナツメ・カンゾウ)からなり、風邪のひき始め、肩こりや胃腸不良の改善にも効果があるとされています。
さらに、マクロビオティックの世界では葛粉がよく利用されています。料理のとろみつけには、通常片栗粉を使用しますが、片栗粉はじゃがいものデンプンで陰性(体を冷やす性質)のためマクロビオテックでは使用しません。一方、葛粉はマメ科の根のデンプンであり、血行を促す素材とされています。
葛の効能としては、以下が挙げられます。
●血行促進
葛根の部分は、発汗、解熱、鎮痙剤として使われる生薬です。血行促進作用や発汗作用などがあり、風邪や発熱などの症状を和らげるといわれています。
●イソフラボン
マメ科の植物に含まれているポリフェノールの一種です。生活習慣やストレスによって増えすぎた活性酸素を抑え、生活習慣病の予防や改善に役立つといわれている成分です。
●サポニン
植物の根、葉、茎などに広く含まれている配糖体の一種で、コレステロールを除去し、体内で血栓を作り動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑制する効果があります。
しかし、葛粉の糖質量は葛粉100gで85.6gです。決して、低糖質ではありませんが、葛粉に対して4〜5倍程度の水分を使うため、実際に使われる葛粉の量は少ないのですが、食べ過ぎには注意が必要です。
さらに、「葛粉」を購入する際に気をつけていただきたいのが値段です。通常、葛粉とは高価な食材です。というのも、根を掘ることの重労働、精製にかかる手間ひまや根に含まれるデンプンの割合が10%以下などのさまざまな理由から食材の中でも、資源減少で貴重なものです。そのため、安価に出回っている商品には、じゃがいもやさつまいもなどのほかのデンプンなどを混ぜて販売されている場合がありますので、原材料を確認して購入してください。
私たち日本人が、昔から親しんできた伝統的な和製ハーブのひとつである葛粉を食生活にじょうずにとり入れてみてはいかがでしょうか?