FYTTE

Diet
CATEGORY : ダイエット

1日何歩で「座りすぎ」の悪影響を避けられる? 海外研究で新たにわかったウォーキングの効果とは

Share
散歩

手軽に始められて健康効果が明らかなウォーキング。1日4000歩程度でも死亡や病気のリスクが下がるという研究結果も出ています。一方、座っている時間は短いほうがよいと考えられていますが、このたび海外研究から、できれば1日およそ1万歩、また少なくとも4000~4500歩を歩くことで、座っている時間にかかわらず心臓や血管の病気と死亡のリスクを下げられるとの報告がありました。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

座っている時間の長さはウォーキングの効果に影響?

ウォーキング

これまでの研究では、1日1万歩程度を限度に歩数が多いほど心臓や血管の病気と死亡のリスクが下がり、一方、座っている時間が長いと心臓や血管の病気と死亡のリスクが高くなるという結果が示されています(たとえば1日10〜14時間座っていると、30〜50%のリスク上昇)。

長時間座っていることが健康に与える悪影響は広く認識されているわけですが、これをどの程度ウォーキングで挽回できるものなのか、その効果の限界ははっきりしていませんでした。

そこで、今回、オーストラリアをはじめとする国際的な研究グループは座っている時間の長さによって、ウォーキングの効果を得るために必要な1日の歩数が変わるのかどうかについて、調べてみました。

使用したデータは、数多くの研究に利用されている英国の大規模追跡調査「UKバイオバンク」から得られたものです。手首に加速度計を装着して1週間の身体活動を測定した7万人以上のデータを分析しました。

1日の歩数の中央値(全体の中心に当たる人の歩数)はおよそ6200歩。今回分析するうえで、もっとも少なかった5%の人の2200歩を基準としました。また、座っている時間は10.6時間が中央値だったため、10.5時間以上を「長い」、10.5時間未満を「短い」として分け、およそ7年の追跡期間中の心臓や血管の病気と死亡のリスクについて、歩数と座っている時間との相関性を検討しました。

1日4000〜4500歩でも半分の効果

歩く女性

研究の結果、確認されたのが、1日の間に一定の歩数を歩くことで座っている時間が長くても短くても、心臓や血管の病気と死亡のリスクが低下することです。

病気と死亡のリスク全体で見ると、座っている時間にかかわらず、1日9000〜1万500歩を歩くことでリスクがもっとも下がりました。このうち病気のリスクは、座っている時間が長いグループは21%、短いグループは29%下がりました。また、死亡と病気のリスクを下げるためには少なくとも4000~4500歩を歩くとよいこともわかりました。

心臓や血管の病気と死亡のリスクを下げるウォーキングの効果は、座っている時間の長さにかかわりないようだと、研究グループは結論づけています。1日9000〜1万500歩がリスクを下げる最適歩数で、リスクを下げる効果を得るならば1日最低4000〜4500歩を目安にウォーキングを実践するといいようです。デジタルの身体活動計が普及しつつあるなか、目安にしてもよいかもしれません。

<参考文献>

Taking 10000 daily steps may counteract the risk of cardiovascular disease in sedentary people
https://www.bmj.com/company/newsroom/taking-9000-to-10000-steps-daily-may-counteract-the-risk-of-death-and-cardiovascular-disease-in-highly-sedentary-people/

Ahmadi MN, Rezende LFM, Ferrari G, Del Pozo Cruz B, Lee IM, Stamatakis E. Do the associations of daily steps with mortality and incident cardiovascular disease differ by sedentary time levels? A device-based cohort study. Br J Sports Med. 2024 Mar 8;58(5):261-268. doi: 10.1136/bjsports-2023-107221. PMID: 38442950; PMCID: PMC10958308.
https://bjsm.bmj.com/content/58/5/261

1日「1万歩」の習慣は合理的! 海外研究で明らかになった歩数と健康の関係
https://fytte.jp/news/healthcare/179529/

歩くと想像以上に健康に。12週間のウォーキングがその後の自分を変える!
https://fytte.jp/news/healthcare/71240/

関連記事

  1. Beautyウズ(UZU)待望の新作はリップ!「38℃ / 99℉ リップスティック 」と「38℃ / 99℉ リップトリートメント」を全色レビュー

    ウズ(UZU)待望の新作はリップ!「38℃ / 99℉ リップスティック 」と「38℃ / 99℉ リップトリートメント」を全色レビュー

    46
  2. Diet食べても食べても満足できないときに。食べ過ぎをリセットするツボ5選【鍼灸師が教えるお悩みケア】

    食べても食べても満足できないときに。食べ過ぎをリセットするツボ5選【鍼灸師が教えるお悩みケア】

    89
  3. Beauty秋のごわつき・ざらつき肌を3つのアイテムで徹底解決。酵素や酒粕の力でツルスベ肌になろう!

    秋のごわつき・ざらつき肌を3つのアイテムで徹底解決。酵素や酒粕の力でツルスベ肌になろう!

    0
  4. Diet激うまメニューが完成! 乳酸菌、食物繊維もとれるキムチを使ったアレンジレシピ3品

    激うまメニューが完成! 乳酸菌、食物繊維もとれるキムチを使ったアレンジレシピ3品

    0

おすすめの記事PICK UP