夜食や夕飯の一品おかずとしておすすめ! また、秋の夜長のお酒のお供にも◎。練りものはあまり食べない、という人もいるかもしれませんが、魚由来のたんぱく質は良質でヘルシー! 今回は、練りものの栄養価についてと、練りものを使った簡単レシピを発酵料理研究家の真野遥さんに教えていただきました。
Contents 目次
練りもの、白身魚由来のたんぱく質がおすすめ!
※この記事では、紀文食品「紀文アカデミー 練りもの教室 練りものには栄養がいっぱい」管理栄養士の杉本恵子先生の解説よりお届けしていきます。
たんぱく質の栄養価は、それを構成するアミノ酸の種類と量によって優劣が決まっているそうです。
「アミノ酸のうちでも、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジンの9種類は、人体でほとんど合成されないうえに、人体にとって必要不可欠なもので、必須アミノ酸と呼ばれています。
人間はこれらの必須アミノ酸を、必ず食物から摂取しなければなりません。お魚のたんぱく質はこれらの必須アミノ酸を量的に満たし、バランスよく含んでいるため、吸収や体内での利用効率のよい良質のたんぱく質なのです」(管理栄養士 杉本先生/以下同略)
必須アミノ酸のバランスがいいことで体内での効果や違いは?
「たんぱく質は、筋肉や骨・血液の素になるほか、ホルモンや酵素など、体のさまざまな調節機能や免疫を作る大切な働きに必要です。たんぱく質は腸内でさまざまなアミノ酸に分解されたのちに吸収されます。
このとき、必須アミノ酸のバランスが理想的なアミノ酸バランスに近いほど吸収がよく、体内での利用効率もよくなります」
魚由来のたんぱく質は、必須アミノ酸が豊富でバランスがよいうえに、お肉に比べて低脂質なので、脂質をとりすぎる心配がなさそうですね!
また、塩分も少なく、消化がいいのも魅力的です。
「練りものは可食部100%のお魚で、豊富なたんぱく質、カルシウムが自慢。世界が注目するヘルシーフードです。練りものの栄養価をそれぞれ比べて見ると、かまぼこは卵と変わらないほどのたんぱく質が含まれています。しかもこれは良質なお魚のたんぱくなのです。
さらに、つみれやさつま揚には、日本人に不足しがちなカルシウムが豊富に含まれています。また練りものは低脂肪なのもうれしい特徴。戦後になって日本人の食生活が欧米化してきたことで、成人病や肥満が問題になってきましたが、その欧米ではヘルシーフードのかまぼこが見直されています」
魚由来のたんぱく質は、必須アミノ酸のバランスがよい、低脂質で塩分が少なく、消化がいい…なんていいことづくし! とはいえ、動物性のたんぱく質(肉、魚、卵や乳製品、)は、運動や筋トレなど筋肉作りには必要なもの。植物性のたんぱく質も、抗酸化作用やホルモン、体の機能を整えるなどの栄養素として大事。
なかなか難しいかもしれませんが、どれも、バランスよくとるのが大切ですよね。
簡単!練りものを使ったアレンジレシピ5つ
練り製品は火を通さずに食べられるうえ、価格もお手ごろで買いやすい。タイパもコスパもよい商品です。うまみもあるので、少し調味料を足すだけで味わいに深みが増すそうです。
今回、発酵料理研究家の真野遥さんに練りもののアレンジレシピを教えていただきました。また、相性のいいお酒のペアリングもご提案いただきました。
※ダイエットや健康を意識してアルコールは控えたい、という人は微アルコールや低糖質、低カロリーなどのアルコール飲料を選びましょう。
【らっきょうちくわ】レモンサワーがおすすめ!
黒こしょうを振るだけでもおいしいですが、ちくわの穴にらっきょうを詰めて、ひと口大に切った「らっきょうちくわ」もおすすめ。ちくわは味も食感もしっかりしているので酸味がキリっときいているレモンサワーに合わせると、 メリハリが生まれて心地よく楽しめます。クセのない味わいと皮のシャキッとした食感が、炭酸系の飲みものと合います。
【材料】(2人分)
ちくわ…2本
らっきょう…6〜8個程度(細めのものを選ぶ)
黒こしょう…適量
【作り方】
1.ちくわの穴の中にらっきょうを詰め、4〜5等分に切る。
2.器に盛り、お好みで黒こしょうを散らす。
【さつま揚お好み焼き風】ビールテイストがおすすめ!
さつま揚は、揚げたことによる油のこってり感と甘みが特徴。今回のお好み焼きアレンジは、パンチのある複雑な風味になり、飲みごたえのあるビールテイストによく合います。揚げもの系の練りものは苦味のある飲みものと相性が◎。
【材料】(1〜2人分)
さつま揚…2枚
マヨネーズ…適量
青のり…適量
紅しょうが…適量
【作り方】
1.さつま揚はオーブントースターでさっと焼き、1cm幅の削ぎ切りにする。
2.器に盛り、全体にマヨネーズをかけ、青のりと紅しょうがを散らす。
【笹かまのカルパッチョ】白ワインがおすすめ!
笹かまは、淡白でしっとりしたクセのない風味。スライスした笹かまにレモン汁とオリーブオイルを垂らし、あれば玉ねぎやトマトのスライス、パセリやディルなどのハーブを散らしてカルパッチョに すると白ワインの軽快な味わいにより合います。
【材料】(2人分)
玉ねぎ…1/4個(あれば赤玉ねぎか新玉ねぎ)
笹かま…2枚
レモン汁…1/4個分(小さじ2)
オリーブオイル…大さじ1
お好みのハーブ…適量(ディル、パセリ、ミントなど)
ピンクペッパー…あれば適量
【作り方】
1.玉ねぎは繊維に沿って薄切りにし、15分ほど水にさらしてザルにあげる。笹かまは1cm幅の削ぎ切りにする。
2.器に玉ねぎを盛り、笹かまを並べる。レモン汁をかけてオリーブオイルを垂らし、あればピンクペッパー、ハーブを散らす。
【カニカマのマヨパン粉焼き】ハイボールがおすすめ!
カニカマは練りものの中でも香りが強く、カニの風味がしっかりしている練りものです。今回のレシピは、マヨネーズとパン粉を散らしてトースターで焼くだけなので簡単。マヨネーズのこってり感とパン粉のサクサク感がプラスされ、ハイボールの発泡感とウイスキーの風味にマッチします。
【材料】(1〜2人分)
カニカマ…4本
マヨネーズ…適量
パン粉…大さじ1
パセリ(みじん切り)、黒こしょう…適量
【作り方】
1.耐熱皿にカニカマを並べ、マヨネーズをかけ、パン粉をたっぷり散らす。
2.オーブントースターに入れ、こんがりと焼き色がつくまで3〜4分ほど加熱する。
3.お好みでパセリや黒こしょうを散らして完成。
【クリームチーズ板わさ】日本酒がおすすめ!
かまぼこの場合は、切り込みを入れて、クリームチーズとわさび、かつおぶしを混ぜたものをはさむと日本酒と相性がグッとよくなります。また、かまぼこは、淡白な味わいと歯応えのある食感が特徴で、ゆずこしょうやミョウガ、青じそを添えて食べると無糖のチューハイにも◎。
【材料】(2人分)
かまぼこ…2/3本程度
(A)クリームチーズ…50g
(A)わさび…大さじ1/2
(A)かつおぶし…3g
【作り方】
1.かまぼこは1cm幅に切り分け、それぞれ上部中央に3/4ほどの深さまで切り込みを入れる。
2.ボウルに(A)を入れて混ぜ、1のかまぼこの切れ目にはさむ。
■レシピ監修・撮影/発酵料理研究家 真野 遥(まの はるか)
料理家、発酵室よはく店主。日本酒に合う発酵食レシピの提案を中心に、企業やメディア向けのレシピ開発やコラム執筆など幅広く活動中。東京での5年間の料理教室主宰を経て、2023年に京都へ移住。左京区で酒屋「発酵室よはく」をオープン。発酵を通じて暮らしに余白を醸すことを目標としている。著書に『手軽においしく発酵食のレシピ』(成美堂出版)、『いつものお酒を100倍おいしくする最強おつまみ事典』(西東社)がある。
■協力・記事監修/紀文食品
■文/FYTTE編集部