「糖質制限をがんばっているのにやせない」「ご飯を食べると太る気がして不安」そんな悩みを抱えていませんか? じつは、やせない原因は“食べないこと”ではなく、“食べ方”にあるのかもしれません。今回は、糖尿病専門医・薗田憲司先生(通称“血糖おじさん”)の著書『“血糖値”を制して脂肪を落とす!完全無欠のやせる食事ビジュアルBOOK』から、朝と昼に実践できる「やせる食事」の基本ルールと、血糖値を安定させるコツをご紹介します!
Contents 目次
朝食編 血糖値の爆上がりを防ぐ3つの作戦
まず押さえておきたいのが、薗田先生が提唱する「血糖値改善&ダイエット 成功の近道 基本1〜6」。これは、血糖値改善とダイエット成功のために欠かせない6つのポイントです。
1. ダイエットで筋肉を落とさないための1日の摂取エネルギー量の最低ラインを知ろう
2.糖質は完全に抜かない! ごはんを最低1食100g食べて血糖コントロール
3. 脂質の量や質にも注目して腸と血管を若々しく保とう
4. ダイエットメニューは朝・夕のみ! 昼は好きなものをメインに食べてOK
5. 食物繊維・たんぱく質ファーストの食べ順を無意識レベルで習慣に
6. 甘みのついた飲みものと距離をおいて脱・太る味覚
これらを軸にすれば、ご飯を食べながらやせることは十分可能だといいます。
起床後の体は、長時間の空腹で膵臓が休んでいるタイミングです。ここでいきなり糖質だけをとると、血糖値が急上昇し、インスリン分泌が追いつかず食後高血糖になりやすくなります。
これを防ぐには、
①適量の糖質に加え、たんぱく質と食物繊維を組み合わせること
②たんぱく質&食物繊維→糖質の順で食べること
この2つがポイントです!
薗田先生がすすめる「朝の3つの作戦」はこちら。
1.起床後はまず水・白湯・無糖茶をコップ1杯
…起床後は水や白湯などを飲み、体内の水分バランスを整えます。甘い飲みもの(スポーツ飲料、炭酸飲料、野菜・果物ジュースなど)は単純糖質で、主食の複合糖質よりも吸収速度が速く、空腹時に飲むと血糖値を急激に上げます。
2.朝食を固定化する
…“モーニングルーティーン”のようにPFCバランスの整った朝食を固定化すれば迷わず簡単に続けられます。栄養バランス・手軽さ・コスパの揃った朝食をルーティン化しましょう。
3.たんぱく質&食物繊維を先に食べる
…起床後は空腹時間が長いため、食事の最初に糖質を一気にとると血糖値が爆上がりします。たんぱく質はゆっくり消化・吸収され、食物繊維は小腸で糖質の吸収を穏やかにするので、朝食はたんぱく質、食物繊維ファーストの食べ順の徹底を!
ごはん派、パン派の最高の朝食とは?
「ごはん派」におすすめの朝食

もち麦入りごはん(茶碗小盛り100〜150g)に、目玉焼き( 卵1個) +冷凍ブロッコリー+ミニトマト、納豆そして、水か無糖のお茶を組み合わせた朝食をご紹介します!
たんぱく質は、動物性の卵+植物性の納豆。食物繊維は、もち麦ごはん、納豆、切る手間いらずの野菜からとることができます。
血糖コントロールはもちろん、バランス、手軽さ、コスパ最高の朝食です♪
★POINT★
朝から食物繊維をしっかりとるために、もち麦ごはんをチョイスし、さらに納豆の植物性たんぱく質、食物繊維、納豆菌が腸と血管を若々しくしてくれます!
「パン派」におすすめの朝食

ボリューム満点ですが、エネルギーは適正かつPFCバランスばっちり! 脂質の多いベーコンやハムは使わず、卵+脂肪0のギリシャヨーグルトを組み合わせてたんぱく質をしっかりとれるパン派の朝食です。
精製度の低いパンを選び、たんぱく質と野菜を組み合わせることで、急激な血糖値上昇を防ぎます。バターやジャムはつけずにシンプルに食べるのがコツです。
★POINT★
全粒粉食パン、バナナ、カットレタスのサラダで食物繊維たっぷりの朝食に!
卵+ギリシャヨーグルトで筋肉作りに欠かせないたんぱく質がとれます。
昼食編 太りにくいメニュー選びと食べ順の工夫
昼食は「食べたいものを選んでOK」のタイミングです。体内時計を調整するたんぱく質BMAL1(ビーマルワン)は、日中に減少し夜に増えるため、昼は脂肪がつきにくい時間帯。

そのため、昼食は揚げものやラーメン、お寿司など、食べたいものを楽しんでOK。ただし、血糖値の上昇を抑えるために副菜の選び方や食べる順番を工夫することが大切です。
★揚げものが食べたいとき
コンビニのから揚げやコロッケは、おにぎり1個+サラダやみそ汁と組み合わせると血糖値が安定。衣を外す、ノンオイルドレッシングを使う工夫も有効です。
★めん類が食べたいとき
ラーメンやパスタ、うどん・そばは野菜やきのこ、海藻を加えて具だくさんに。血糖値が上がりやすいため、先にサラダや野菜スープを食べると安心です。
★お寿司が食べたいとき
寿司は最初にサラダや酢のものを食べると血糖値が上がりにくくなります。茶碗蒸しやみそ汁、枝豆などを加えると栄養バランスも整います。
★おにぎり・パン・サンドイッチが食べたいとき
糖質に偏ると血糖値が急上昇するため、サラダチキンや卵、チーズなどのたんぱく質をプラス。レタスやトマトを挟んで食物繊維を補うのも効果的です。
甘いものは脂肪がつきにくい15時ごろの間食がおすすめ。適量ならダイエットの妨げになりません。さらに食後は座らず、食器洗いや掃除、散歩など軽く動くと血糖値が下がり脂肪もつきにくくなります。
朝はたんぱく質&食物繊維ファーストで血糖値の急上昇を防ぎ、昼は好きなメニューも食べ順と副菜で太りにくくするのがコツ♪
Part2では、「やせる食事」夕食編をお届けします。お楽しみに♪
参考書籍/

著者/薗田憲司(血糖おじさん)
そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック 渋谷駅道玄坂院院長。糖尿病専門医。年間1万件以上の外来を担当。糖尿病患者の父を持ち、自身も食事改善を実践。外来では患者1人にかけられる時間が限られているため、多くの糖尿病患者やダイエットに悩む人に役立つ情報を発信したいとの思いから、SNSを開設。血糖値とダイエットの関係性や食事のアドバイス、糖尿病の最新事情などを発信している。著書に『“血糖値”を制して脂肪を落とす!完全無欠のやせる食事ビジュアルBOOK』(Gakken)ほか。
イラスト/ミツコ
文/FYTTE編集部



