朝の目覚めの1杯といえば、コーヒーや紅茶、緑茶がおなじみです。また、残業や勉強の眠気覚ましにエナジードリンクを愛飲している、という人も多いのでは? これらのドリンクに共通している成分は、昨今なにかと話題のカフェイン。普段なにげなく口にしているものの、カフェインについて知らないことが多いのも事実です。
そこで、そもそもカフェインってどんな効果があるの? 1日にどれぐらい摂取していいの? といった、カフェインにまつわる素朴な疑問について紹介します。
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カフェインは脳を覚醒させ、脂肪を燃やしてくれる
カフェインとは、コーヒーやお茶に含まれる代表的な成分です。カフェインを摂取すると、脳内で神経伝達物質であるドーパミンが増加します。ドーパミンは脳の“やる気スイッチ”的な働きがあるため、コーヒーやエナジードリンクを飲むと眠気が吹き飛び、疲れが消えたように感じるのです。集中力が高まり、作業効率がよくなるのもドーパミンの効果というわけですね。
また、スポーツをするときにカフェインを摂取すると、エネルギー源として体脂肪を優先的に分解し、燃焼を助けるダイエット効果があるといわれています。交感神経を刺激して体を動かすエネルギーをどんどん燃やしてくれるわけですから、運動量が増やせるというメリットも期待できるのです。
要注意! カフェインの中毒性
食品に含まれている成分ながら、カフェインには依存性があることでも知られています。「今すぐコーヒーが飲みたい!」
「濃いお茶がここにあればいいのに……」といったイライラは、体内のカフェインが少なくなったために起こる禁断症状の一種なのです。
また、短時間で大量にカフェインを摂取すると、動悸や息切れ、胃痛や吐き気などの急性中毒も引き起こしやすくなります。
コーヒーならば1日3~4杯が安全摂取量
依存性がある、となると健康への影響が心配になりますが、適量を守りさえずればカフェインは有害な成分ではありません。健康へ悪影響のない1日あたりのカフェイン摂取安全値は、成人の場合400mg(※)。コーヒーならばカップ3~4杯(600ml)になります。紅茶や煎茶ならば1日1L以上は飲んでも問題がない計算になります。
エナジードリンクや栄養ドリンクなどのカフェイン添加飲料を飲む場合は、とくに注意しなければなりませんが成分表示に注目することで万一の急性中毒を防ぐことができます。商品によって差はありますが、カフェイン含有量が200mgを超えるものもめずらしくありません。1缶飲むだけで1日の基準摂取量の半分を超えるわけですから、そのあとはコーヒーなどのカフェインを含む飲みものをとらない、といった注意も必要です。
意外な落とし穴、じつはコーラやチョコレートにもカフェインが
カフェインを含む食品というとコーヒーやお茶が一般的ですが、じつはココアやコーラにも含まれています。
以下は主な飲みもの100mlに含まれるカフェイン量です。普段、どれだけ自分がカフェインを摂取しているか、確認してみてください。
玉露…120mg
ドリップコーヒー…60mg
インスタントコーヒー…57mg
紅茶…30mg
煎茶…20mg
ウーロン茶…20mg
コーラ…10~13mg
ココア…3~5mg
また、原料となるカカオ豆にカフェインが含まれているチョコレートにも要注意。チョコレート味、コーヒー味のアイス、シリアルなどにもカフェインは含まれています。
適量を守ってとり過ぎなければ私たちの生活を大いに助けてくれるカフェイン。自分の普段の摂取量を把握して、上手に付き合っていきたいものですね。
※日本ではカフェイン摂取量に関するガイドラインは定められていません。本記事は内閣府食品安全委員会によるファクトシートから、カナダ保健省の基準値を参考資料としました。
https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/caffeine.pdf
文/本間美加子