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特におすすめの水煮缶5つ
さまざまな食材を使った水煮缶が発売されていますが、中でも特に優れた健康効果を持つ水煮缶を厳選してご紹介! 東京医科大学の小田原雅人先生に、それぞれどんな栄養が含まれているのか、そしてどんな効果が期待できるのかをお聞きしました。
さば水煮缶
さばは「青魚の王様」と呼ばれ、血液をサラサラにするEPAや、脳や神経組織の機能を活発にするDHAが豊富。EPAとDHAはどちらも魚の脂に含まれる成分で、特に旬のものに多く含まれています。
さらに、さばにはカルシウムの吸収を促進するビタミンDも豊富。水煮缶ならカルシウムたっぷりの骨まで食べることができるため、相乗効果が期待できます。
通常とり除かれてしまうことが多い血合いにも、実は栄養がたっぷり! この部分には、鉄やタウリン、ビタミンB群が含まれています。
EPAには、血液をサラサラにするだけでなく、肥満を防止する働きがあることもわかってきました。私たちが食事をとると、胃から十二指腸、小腸へと少しずつ消化が進んでいきますが、その小腸の下部に「L細胞」という細胞が集まる場所があります。その「L細胞」から分泌されているのが「GLP-1」という消化管ホルモン。この「GLP-1」の分泌が少ない人ほど太りやすい傾向に。食物繊維と一緒にとることで、分泌量をアップさせることができます。
ただし、水煮缶の食べ過ぎによるカロリーオーバーには注意しましょう。
さけ水煮缶
さけに含まれるアスタキサンチンには、強い抗酸化力があります。そのため、アンチエイジングに効果的。さらに、白身魚の中では、たんぱく質量がトップクラス。脂肪分が少なく、高たんぱくで、ビタミンB群を全て含んでいるため、ダイエットには最適です。
さけの皮にはコラーゲンが豊富なので、皮も骨もまるごと食べられる水煮缶をどんどん活用していきましょう!
あさり水煮缶
あさりに含まれる栄養は、亜鉛や鉄、カリウム、カルシウム、タウリンなどさまざま。特にビタミンB12の含有量は、貝類の中でもトップクラス。貧血予防に効果的です。
ビタミンCが豊富な緑黄色野菜と組み合わせることで、吸収率もアップ!
水煮缶なら、砂抜きなどの下処理がいらないのもうれしいですよね。
トマト水煮缶
トマトに含まれるリコピンには強い抗酸化作用が。体にダメージを与える活性酸素を撃退してくれる働きがあるため、シミやシワ、肌荒れを防ぎ、アンチエイジングに効果的。
水煮缶のリコピン量は、生のトマトよりも数倍多いと言われています。油脂と一緒にとることで吸収率もアップ。
トマトの酸味には、新陳代謝を促したり、疲労回復に効果的なクエン酸が含まれています。食欲を増進させる働きもあるため、あまり食欲がないときにもおすすめ。魚の臭みを消す効果もあるので、さばやさけの水煮缶とも相性バツグンです。
大豆水煮缶
たんぱく質が豊富で「畑の肉」とも呼ばれる大豆。体内では合成できない9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。食物繊維も豊富で、ビフィズス菌を増やすオリゴ糖も含まれるため、整腸効果が期待できます。
さらに女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをすると言われる、大豆イソフラボンも豊富。
大豆サポニンには、コレステロールの蓄積を抑えるほか、脂肪燃焼をサポートするアディポネクチンという物質の分泌を促進する働きも。そのため肥満予防にも効果的です。
ご紹介した5つの水煮缶をじょうずに活用して、健康ライフを手に入れてみませんか?
文/FYTTE編集部
参考書籍
監修/小田原雅人 料理・レシピ/奥薗壽子 写真(缶詰め一部)/浅山美鈴
『水煮缶で健康になる!』
この本では、水煮缶の健康効果をわかりやすく解説。さらにおすすめの食事法や、奥薗さん考案の水煮缶レシピも必見です。レシピは、「ずぼらレシピ」でとても簡単なものばかり! ぜひ参考にしてみてくださいね。