さっくりした歯ごたえで、ほどよい粘りと種のプチプチと弾けるような食感が魅力のオクラ。普段あまり使う機会がない方には、茹で加減が難しい野菜かもしれません。実は、オクラをおいしく食べるには、茹でる前のちょっとした下ごしらえにポイントがあります。早速、料理研究家の高城順子先生に教えていただきました。
Contents 目次
食感を良くする下ごしらえ2ステップ
オクラは、茹でて使うのが基本。オクラの食感を活かすために欠かせないのが、「ヘタの下処理」と「うぶ毛を取る」ことの2つです。
ヘタの下処理の方法
ヘタの周り(ガク)の硬い部分を、包丁の柄に近い方で面取りするように削り取ります。また、軸の硬い部分も切り落とします。こうすると、ヘタのところまで食べられて、丸ごと天ぷらや炒めものにするなど、余すことなく使えます。
先端は切らずに茹でる
茹でる前に先端部分を切り落としてしまうと、切り口から中に水が入り、料理の仕上がりが水っぽくなってしまいます。先端が黒ずんでいる場合は切りますが、この場合も茹でた後に切りましょう。
うぶ毛を取る方法
オクラをサッと水洗いしてボウルに入れ、塩をまぶして写真のように指でやさしくこすります。一度にたくさん処理する場合は、「板ずり」が便利。水洗いしたオクラをまな板の上に置き、塩をふって手のひらでやさしく押さえながら前後に転がして、表面をなめらかにしましょう。
塩を使うことで下味効果に
うぶ毛の処理に塩を使うことで、オクラに下味をつけられるため、一石二鳥で下ごしらえができます。
中までしっかり茹でるときは穴をあける
やわらかめの食感に茹でる場合は、中までしっかり茹でる必要があるため、楊枝などで表面に数カ所穴をあけておくと良いでしょう。空気抜けが良くなるので、茹でている間に膨らみすぎたり、茹でた後にしぼんだりするのを防ぐ効果もあります。
「サッと茹でる」の目安は約1分
沸騰した湯に下ごしらえしたオクラを入れ、サッと茹でます。茹で時間は1分ほど。湯から取り出すタイミングは「オクラを入れた後、湯が再沸騰してから一度だけ向きを返して、ひと呼吸おいてから」と覚えておくと良いでしょう。
ガクの下あたりに竹串を刺してチェック
茹で具合を確かめるときは、ガクの下あたりに竹串を刺して、すっと通るくらいになればOKです。
冷まし方は、「どのような食感に仕上げたいか」によって使い分けるのがコツ。粘りを逃さず、歯切れの良さを出したいなら、取り出したオクラを氷水にサッとつけてから、すぐザルに上げて冷まします。急激に冷やす「色止め」を行うことで、色が鮮やかになるのもポイントです。
しっかり冷やせないときは、余熱も計算に入れること
急速にしっかり冷やしたいときに、氷がない場合は、余熱でやわらかくなるのを計算に入れて、少し早めに湯から上げるようにしましょう。
ほどよい歯ごたえに仕上げたい場合は、茹で時間を少し短くしましょう。少し硬いと感じる程度でザルに上げ、余熱で中まで熱を通しながら冷まします。
オクラは茹で方で食感が一変!異なるおいしさを楽しめる
●歯ごたえを活かす
かために茹でれば、粘りが控えめで、シャキシャキとした食感に。他の食材とあえる場合などに、しっかりとした存在感を出せます。
●とろとろ食感を楽しむ
長めに茹でてやわらかくしてから刻むと、ネバネバ、とろとろの食感が際立ちます。
採れたては茹でなくてもおいしい!
オクラは、出始めの時期(6~7月)のやわらかいものや、採れたてのものなら、生のまま食べられます。水洗いして水気を拭き取り、塩もみしてうぶ毛を取ったら薄切りに。おひたしにしたり、味噌汁に入れたりして食べると、茹でたときとはまた違った食感を楽しめます。
太いものは種を取りましょう
生食に向いているのは、直径1㎝くらいの太さのものまで。それ以上太いものは、皮も種も硬くなります。食感を損なわないよう、種は取り除くと良いでしょう。
提供: VEGEDAY powered by KAGOME