整理収納アドバイザーの草わけ的存在である、古堅純子さん。今まで2000軒以上のお宅の掃除、片づけを担当し、現在「幸せ住空間セラピスト」として活躍。さまざまなお宅でさまざまな人に出会ってきた古堅さんは、「片づけ下手な人とやせられない人は似ている」ことを発見! 豊富な経験から導き出された、片づけとダイエットとの共通点を教えてもらいます。
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片づけ下手は遺伝じゃない!?
片づけ下手な人の特徴として、それを遺伝や性格のせいにしていることが多い、ということを感じます。「母も片づけがヘタだったし」とか。あとは、めんどうなことは後回しにしがちという点も共通しています。
片づけって、確かにめんどうくさい。だからこそ「えい!」っとやる気を起こさせるための明確な「目標」が必要なんです。
「家族が気持ちよくくつろげるリビングにしたい」「お客様がいつ来ても自慢できる部屋にしたい」etc…何でもいい。重要なのはどれだけ本気かということ。
これって、ダイエットにも言えることですよね。「なんとなくやせたい」という人よりも、「3か月後にハワイでビキニを着る!」という人のほうが、確実にやせられるのと同じです。
で、「えい!」とがんばって片づけることができたら、あとはそれをいかに“習慣化=ルーティン化
できるか。意識せずとも、モノを元の場所に戻すことができるようになれば、部屋は散らからないのです。
わが家には息子が2人います。彼らは使ったものを元に戻す生活習慣が小さい頃から身についています。自分が寝ているベッドも、毎朝必ず整えてから登校する。この話をすると周りの人によく「男の子なのにえらいね」と言われるのですが、えらいわけじゃない。単にルーティン化している、ということなんです。
片づけをルーティン化するには?
片づけが苦手な人にとって、ルーティン化はそう簡単なことではないでしょう。そういう人は、まず小さな目標をクリアすることから始めればOK。いきなりパーフェクトを目指さなくてもいいのです。
例えば「テーブルの上にチョイ置きをしない」を、まず3日間続けてみる。クリアできて達成感が味わえたら、次は1週間、1か月と続けてやってみる。そうやって続けていくうちに片づけはルーティン化していきます。同時に、出しっぱなしにしているとき、何となく気持ち悪いような感覚が芽生えてきたら、しめたもの。
ハードルを高くしすぎないこと、これもダイエットと同じですね。一気に10kgやせようと最初から飛ばし過ぎると、途中で必ず息切れしてリバウンド。でも、1か月で-2kg達成できたら、次の1か月でまた-2kgを目指す。そのほうが心身ともに健康的で、リバウンドもしにくいはずです。
スッキリした部屋を維持できるようになると、自分にとって必要なものと、そうでないものがわかるようになります。
すると、例えば「やせたい、やせたい」と言いながら体型カバーできる服ばかり買い足して、クローゼットがパンパン…なんてこともなくなります。「やせたら似合う服を買おう」と未来志向になり、片づけにもダイエットにもプラスになる考え方ができるようになるのです。
幸せに生きるためには?
部屋やクローゼットにあふれるモノを整理するには、ファーストステップとして、それらとしっかり向き合う必要があります。“ものと向き合う=自分と向き合うこと”です。
自分と向き合うことができると、「私ってこういう人だから」とか「生まれつきこういう性格だから」という思い込みから解き放たれます。片づけられない、やせられないと落ち込んでいた気持ちが軽くなって、心が元気になるはずです。
身も心もお部屋もスッキリした状態で、あなたは何がしたいですか? 新たな自分に出会うために、初めの一歩を踏み出してみましょう!
▼古堅式片づけルールをもっとくわしく知りたい人はこちら!
取材・文/遊佐信子