やせたいから、朝食や昼食を抜く。けれど、食事をガマンしているのになかなか体重は落ちない。それどころか太ったという声も! 食事を抜くダイエット法に潜む盲点をダイエットアドバイザーの岸村和代さんに解説していただきます。
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脂肪を溜め込みやすいうえ、食欲暴発の危険が!
ダイエットをしているときは、1食でも食事を抜いたほうが摂取エネルギーが抑えられるためやせやすい!と思いがち。けれど、やせるというメカニズムはもっと複雑で、摂取エネルギーだけ考えてもダイエットは成功しないと、岸村さんは言います。
「最も問題なのは、食後の血糖値の上がり方です。食事を抜くと、そのあとの食事のあと、血糖値が急激に上がります。1食、2食と抜けば抜くほど、その上がり方は急激になり、インスリンが大量に出て脂肪を溜め込みやすくなってしまうのです。これだけで太りやすい状態ですが、さらに、血糖値が急激に上がったあとは急激に下がるため、無性に食べたくなる。つまり、食欲スイッチが入って、食べすぎてしまうケースが多いのです」
血糖値の急上昇&急降下は、体内のたんぱく質の糖化を進行させるという報告もあり、肌のコラーゲンが変性してたるみやしわを引き起こす可能性も大。美容面から見てもマイナスです。
食事間隔があくほど吸収しやすい体になる
食事を抜くことのデメリットはまだまだあります。
「食べない時間が続くと飢餓状態になって、次の食事の吸収がよくなるのです。体としては、次、いつ食べものが入ってくるかわからないと判断し、飢餓に備えて栄養を溜め込もうとします。こうやっていると、消費しにくく蓄えやすい=太りやすい体をつくってしまいます」と岸村さん。さらに、もうひとつデメリットがあると言います。
「食事を抜くと、食事に伴う消化・吸収のためのエネルギーが使われません。つまり、消費エネルギーが減ってしまうのです。これを食事誘発性熱産生と言いますが、1日の消費エネルギーの10%にもなります。その量は食べる食材や時間帯によっても違い、たんぱく質は糖質の5倍ほどの熱を生み出すと言われています。また、朝の食事で高く、夜は低いこともわかっています」
こう考えると、朝食を抜くなんて、ダイエット的にとてももったいないのです。
やせるためには朝食は抜かない。でもパン1枚なら食べないほうがいい!?
朝食を食べたほうがいいならパンでも食べておこう!と思った方もいるのでは? けれど、パン1枚、おにぎり1個など、糖質だけの食事にするなら、逆効果と岸村さんは言います。
「糖質だけの食事では、血糖値が急に上がって急に下がるという状態になり、やはり太りやすくなります。そうならないためには、野菜やたんぱく質を組み合わせることです。トマトジュース、豆乳、ヨーグルト、ゆで卵など、何でもいいですから一緒にとるのです。特にたんぱく質をとれば、食事誘発性熱産生が増えるので効果的ですね」
1日の食事量が同じなら、こまめに分けてとったほうがやせやすいというデータもあるそう。たとえば、お弁当をお昼に全部食べてしまうのではなく、昼と夕方に半分ずつ分けて食べるほうがダイエット的にはよいのです。
食事を抜くダイエットから、食事回数を増やすダイエットへとシフトチェンジしてみてはいかがでしょうか?
さらにくわしく、岸村さんのメソッドを知りたい人はこちら!