置き換えダイエットは簡単で実践しやすいですが、知らない問題点や危険も多くひそんでいます。置き換えダイエットでやせたといっても、気をつけないとすぐリバウンドするはめに…やり方をしっかり学んだうえで、実践してみましょう!
Contents 目次
■厳しい食事制限には置き換えダイエットを
肥満の治療として、まず考えられるのは食事療法です。とはいえ、カロリーをひたすら減らせばいいというものではありません。
最低でもこれだけはとるべきという最低限のカロリーが定められています。日本の場合は1200kcalとされ、これを下まわると栄養失調で健康を維持することがむずかしくなるため、どんなに厳しい食事制限が必要な人でも、この限度を守らなくてはなりません。
減量の必要がある場合、1200kcalを目安にして、食事のメニューを工夫していくのですが、やはり限界があります。
決められた数字の範囲内で食事を考えると、メニューが単一化しがちなばかりか、低いカロリーで抑えようとすると、どうしても足りない栄養素が出てきたりするのです。
そこで浮上してきたのが、置き換えの発想です。
1食当たり200〜300kcalという低いカロリーの、サプリメント的な食品の中に、ビタミンやミネラルなど必要な栄養素を凝縮して詰め込んだものがあれば…。
それを食事に置き換えれば、どんなに低いカロリーでも体を壊すことはないし、まちがいなくやせるはず…。
■置き換えダイエットにはいくつかの問題点も…
こうして、置き換えダイエット用の健康食品は誕生しました。
もともと医療機関で研究開発されたもので、言ってみれば、医療機関のお墨つきの方法です。
でも、じつは、いくつかの問題点があるのも事実なのです。
まずひとつめは、置き換えダイエット用の食品に含まれる栄養素は、ナチュラルではないということです。
ビタミンやミネラルなどの栄養素は植物などからも取れますが、自然のものは含有量や成分などにバラつきがあるため、これらにはすべて合成のものが使われます。
合成成分が含まれる食品をとるということは、不自然なもので体を作ることになってしまうのです。
また、置き換え用の食品は液体のものがほとんどですが、それも問題。
液体のものでは、かむ必要がありませんし、固形のものに比べるとはるかに消費がいいわけですから、胃腸の活動も少なくなります。
厳しい食事療法が必要な高度の肥満の人は、3食ともこれをとる場合がありますが、そうなると確実に胃腸が衰えてしまう可能性があるのです。
ということで、3食の置き換えは、医師の管理下ではないと行ってはいけないことになっています。
■使い方をまちがえると危険がいっぱい
さらに、リバウンド率が非常に高いのも、置き換えダイエットの特徴です。
1食、2食を置き換えれば、摂取カロリーは大幅にダウンしますから、確かにやせます。
でも、やめたらあっという間にもと通りになってしまう…。
こんな人が多いでしょう。それには理由があります。
置き換えダイエット用の食品は、病的に太ってしまった人が緊急避難的に用いるものなので、そうではない人がダイエットに利用する場合は、1食か2食の置き換えをしながら、それ以外の食事をどうとったらいいのか、食の改善をトレーニングしなくてはいけません。
こうしてじょじょに食事を改善していきながら、だんだんと置き換え食品を手放していく。このような使い方をすれば、リバウンドもしないはずなのですが…。
多くの人は、ただ置き換え食品を用いるだけで、そのほかの食事を改善しないため、やめればすぐに体重が増えてしまう。
つまり、置き換えダイエットは、「1日1食or2食をこれに置き換えれば、あとの食事は従来通りでいい」という使い方ではダメなのです。
以上のようなことを考えると、置き換えダイエットは両刃の剣。使い方をまちがえると、危険がいっぱいです。
みなさん、どうか正しい使い方をしてくださいね。
ちなみに、巷には、この置き換えダイエットとしてさまざまな食品が出まわっていますが、あまり安価なものは考えもの。
きちんとした原材料を使った、信頼できるメーカーのものを選びましょう。