近年、ヘルシー志向の外国人に人気を呼んでいる日本食。豆腐や納豆といった食材だけでなく、じつは日本茶も注目を集めています。日本茶の輸出額は5年前の2倍にも伸び、世界的に静かなブームとなりつつあるようです。
ひとくちに「日本茶」といっても、栽培法や製法によって種類はさまざま。私たち日本人がもっとも消費しているのは「煎茶」で、一般的には「緑茶」とも呼ばれています。何気なく口にしている煎茶はカロリーゼロという特長だけでなく、体にうれしいやせ成分がタップリ。煎茶に秘められたダイエットパワーをご紹介しましょう。
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【煎茶(緑茶)のダイエットパワー1】カテキンが中性脂肪を減らす!
私たちの体を動かすエネルギー源となる「中性脂肪」は、食べ物に含まれる脂質や糖質を消化・分解する際に体内で合成されます。生きていくうえで欠かせない、大切な物質といえるでしょう。しかし、油分たっぷりの食事を摂り過ぎたり、運動不足の生活を続けていたりすると、体内の中性脂肪を使い切ることができません。その結果、余った中性脂肪は、いわゆる「ぜい肉」として体に蓄積され、肥満の原因となります。
お茶に含まれる渋み成分の正体、カテキンは血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させることで知られています。煎茶のカテキン量を1とすると、紅茶は2/3、ほうじ茶は1/2、ウーロン茶は1/3程度。カテキンを多く摂取するためには、煎茶がもっとも効率的といえるでしょう。また、飲むたびに新しい茶葉に替え、熱いお湯で濃い目に淹れた方が、抽出されるカテキン量が多くなります。
【煎茶(緑茶)のダイエットパワー2】カフェインで脂肪燃焼!
お茶やコーヒーの苦味成分として知られるカフェインは、運動をする前に摂取すると、エネルギー源として体脂肪を優先的に分解し、脂肪の燃焼を促進させることがわかっています。スポーツのウォーミングアップ前には1杯の煎茶を飲み、リラックス&カフェイン摂取をするのがオススメです。また、日常的に煎茶を飲むことで「歩く」「階段をのぼる」などのちょっとした動作の際にも、脂肪が燃えやすい体質になることが期待できます。
煎茶の茶葉に含まれるカフェインはお湯の温度が高くなればなるほど、多く溶け出す性質をもっています。脂肪を燃焼させるためには、熱湯でお茶を淹れるようにしましょう。
【煎茶(緑茶)のダイエットパワーその3】カリウムでむくみ撃退!
人間の細胞内ではナトリウムとカリウムという、ふたつのミネラルが一定の比率で保たれています。このバランスは体調に大きく関係しており、これが崩れてしまうとさまざまなトラブルの原因となります。女性に起こりがちな体のむくみも、そのひとつです。
ナトリウムが過剰に摂取されると、細胞内にもナトリウムが多く入り込むため、その濃度を薄めようと水分も一緒に取り込まれます。水ぶくれのようにパンパンになったこの細胞の状態こそが、むくみの正体。解消するためには、カリウムを摂取して、ナトリウムと余分な水分を体外に排出する必要があります。
湯呑み1杯(150ml)の煎茶に含まれるカリウムは約40mg。ウーロン茶は約20mg、紅茶は約12mg となっています。ナトリウムはおもに食塩から取り入れられるため、しょっぱい食事を好む方にはとくに効果的。普段から煎茶を飲むように心がければ、むくみの解消につながります。
【煎茶(緑茶)を使ったオススメレシピ】
・体脂肪を効率よく燃焼させる 緑茶×寒天
・茶葉ごと食べてダイエット効果アップ! 緑茶入りスコーン
カテキンの効果が発揮されるのは、摂取後2~3時間程度。全体的に吸収率は高くなく、体内にストックすることもできません。毎日少しずつでも煎茶を飲むことが、ダイエット効果を持続させるコツともいえるでしょう。また、カフェインと聞くと中毒症状を心配されるかもしれませんが、2時間程度で十数杯飲むといったがぶ飲みをしない限り、健康被害はありません。朝昼夜の食事に合わせて、1日3~6杯程度の煎茶をいただくのが適量といえるでしょう。
寒さの本番を迎えるこれからの季節、熱~い煎茶で体をあたためつつ、脂肪を貯めない体でいたいものですね。
文/本間美加子