新年を迎えれば新年会などの機会も増え、夕食が居酒屋メニューになる日が続く人も......。そんな日々の食生活で気をつけたいのが「糖質」のとり過ぎ。カロリーとは違う糖質の働きや、居酒屋でも安心して食べられる低糖質メニューについて、管理栄養士の金丸絵里加先生にお話をうかがいました。
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糖質量の高い食べ物が太りやすい体を作る!?
ごはんやパンなどの炭水化物に多く含まれている「糖質」は、私たちが日常生活を送るための“エネルギー”となる大切な栄養素のひとつです。しかし、とり過ぎれば逆に悪影響を及ぼすこともあるといいます。糖質量が多いものを食べ続けると、私たちの体にはどのようなことが起こるのでしょうか?
「私たちの体内に入った糖質はブドウ糖に変換され、血液に吸収されて体中を巡ります。血液中にブドウ糖が増えて血糖値が上がってくると、徐々にインスリンが分泌され血糖値を下げてくれます。これが通常の働きです。
しかし、空腹時にいきなり糖質量の高いものを食べると、血糖値は急激に上昇。上がり過ぎた血糖値を下げようとしてインスリンが大量に分泌されます。実はインスリンには、ブドウ糖を中性脂肪に変え脂肪細胞に蓄える働きがあるので、大量に分泌されれば食べたものをどんどん脂肪として蓄えてしまうというわけです。
また、インスリンの大量分泌によって血糖値が急激に下がると、今度は低血糖の状態に。こうなると体が危機感を感じて激しい空腹状態を招き、食べたのにおなかが空いてまた食べる…という悪循環に陥ってしまうのです」(金丸先生)
急激に上昇することでさまざまな悪影響があるという血糖値。この上昇スピードを抑えるには、食べ方を工夫する必要があると金丸先生は言います。
「たとえば同じ量の糖質を摂取する場合、短時間で食べるほど血糖値の上昇スピードは速くなり、ゆっくりと時間をかけて食べるほど遅くなります。『早食べは太る』といわれるのには、こうした理由があるのですね。また、野菜→たんぱく質→炭水化物という“食べ順”を守ることも効果アリ。酢や油分には血糖値の上昇を抑制するほか、消化吸収にも時間がかかるので、これらを意識して取り入れるのもいいかもしれません」(金丸先生)
低糖質の居酒屋メニューで美味しく楽しくダイエット!
では、限られた居酒屋メニューの中から糖質の少ないものを選ぶとしたら、どんなものがあるのでしょうか? おいしくて高い満足感を得られる、金丸先生オススメの低糖質メニューをご紹介します。
食べるならコレをチョイス!居酒屋の低糖質メニュー
・冷ややっこ(絹ごし豆腐100g) 1.8g
・ステーキ(牛リブロース肉1枚210g) 0.4g
・焼き鳥(手羽先串1本) 0.0g
・プロセスチーズ(1切れ20g) 0.3g
・3色ナムル 4.1g※ 参考『目で見る食品糖質量ハンドブック』(学研プラス)
手軽につまめるチーズやナムルから、おなかにしっかりたまりそうな肉料理、魚料理まで、低糖質メニューも種類は豊富にそろっています。
逆についつい食べてしまう“高糖質メニュー”は以下のとおりです。
コレは避けたい!居酒屋の高糖質メニュー 5つ
・フライドポテト(135g)…39.5g
・ポテトサラダ(小鉢1杯 じゃがいも70g)…12.9g
・ミックスお好み焼き(1枚 小麦粉50g、キャベツ100g)…48.0g
・餃子(1皿5個 )…19.4g
・焼きうどん(1皿うどん250g)…54.4g
※ 参考『目で見る食品糖質量ハンドブック』(学研プラス)
おそらく誰もが気軽に頼んでしまいそうな“居酒屋らしい”メニューがズラリ。残念ながらいずれも糖質量の多めですので、ダイエット中はなるべく控えたいものです。
2016年の新年会や飲み会でのメニュー選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
監修/金丸絵里加 フリーの管理栄養士、料理研究家、フードコーディネーターとして活動中。栄養価計算 (カロリー計算)や栄養指導、そしてその改善メニューの作成など、だれもが家庭で、楽しく、おいしく健康管理ができるような料理を提案したいと日々活動している。
文/ほそいちえ