味覚は食行動をコントールするセンサーのようなもの。濃い味や甘いスイーツに慣れてしまうと、舌がマヒして薄い味つけやうまみを感じにくくなります。すると、食べているものすべてが高カロリーという事態に…。
今回はダイエット外来の専門医である工藤孝文先生に、味覚とダイエットの関係について教えていただきます。著書『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』から、ご紹介していきます。
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こってり味や甘いものは舌がマヒしてしまう
「やせたいけど、食べたい」って、ヘンだと思いませんか? 本気でやせたいなら食べる量を減らせばいいだけ。しかし、頭ではわかっていても食べたい欲求には逆らえず、つい、食べてしまいます。
なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか。答えはとても簡単。それは、 あなたの食行動をコントロールするセンサー、味覚が狂っているからです。
こってりと濃い味つけの食事。砂糖などの糖質をたっぷり含む飲みものやスイーツ。
確実にあなたを太らせる食べものです。日常的に食べていると、舌がマヒして正常な味覚を失ってしまいます。
味覚を整えれば、ダイエットもスムーズに!
食べものの味は、舌の上にある味蕾という細胞によって感知されますが、濃い味つけのものばかり好んで食べていると、味の感じ方が鈍くなっていきます。こってり味はより濃くギトギトな味を求め、激甘スイーツもペロリと完食できてしまう「デブ味覚」へとまっしぐら。
そして、摂取するものすべてが高カロリーというおそろしい事態になるのです。これでは「そんなに食べていないのに太る」のは当然です。
もしあなたが、「食べていないのにやせない」と思っているとしたら、デブ味覚になっている可能性を疑ってみましょう。
食欲コントロールはダイエット成功の必須条件。
しかしデブ味覚のままでは、味も量もガマンを強いられツラいので、ザセツはほぼ確定です。「食べていないのに、やせない」という矛盾した食行動から脱することは困難です。
まずは、「デブ味覚」から「やせ味覚」に変えること。ここを出発点とすると、ダイエットはとてもスムーズに、ストレスなく進められることがわかりました。
私が提案するのが、“味覚リセット”です。薄味でも満足できるやせ味覚を取り戻せば、ヘルシーな食材でもおいしいと感じられるため、食事の満足度が高まります。
さらに、脳の“こってり味や甘い味は自分を幸せにしてくれる”という誤学習を正していくことで、抑えきれない食欲を手放すことができるのです。
参考著書
工藤孝文著『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』(アスコム)
文/庄司真紀