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ダイエット中、油はとってもいいor悪い?誤解しやすい脂質の役わり

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アマニ油

以前は、ダイエットといえば「油を抜く!」というのが常識でしたが、最近では油の質を選んで、しっかりプラスすることが大切だということが、ようやく一般的に浸透してきました。ここで、脂質(油)について、改めて知っておきましょう。管理栄養士の伊達友美先生に脂質の大切さについて教えていただきました。

監修 : 伊達 友美 (管理栄養士)

ダイエットカウンセラー。管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。戸板女子短期大学食物栄養科ゲスト講師。自ら25kgのダイットに成功した経験を持ち、栄養学×食事法×睡眠×ダイエット×メンタル×ファッションスタイル学といった幅広い知識をもとに、これまでに32年間、食改善アドバイスを行う。制限型の食事ではなく、代謝アップの栄養をプラスする「プラス栄養メソッド®︎」を基本とした指導法が女性を中心に人気を博し、メディアにも多数出演。著書に『ダイエットカウンセラーが教える お酒を飲んでも太らないうまい食べ方』(青春出版社)など。

Contents 目次

脂質不足から起こる冷えによるやせにくさ

体重計と女性
人の体にとって、油が必要だということをまだまだ知らない人も多いようです。脂質は、1gあたり9kcalのエネルギーを作ります。ですから、糖質やたんぱく質に比べてカロリーが高いという思いから、ダイエッターのみなさんはどうしても控えてしまいます。しかし、逆に考えれば、効率的に熱エネルギーを作って、体を温めてくれるものなのです。
ダイエッターのみなさんが悩んでいる「冷え」は、じつはエネルギー(カロリー)不足が原因になっている場合がほとんど。カロリーを気にして、エネルギーを作る食べものを控え過ぎると、体は熱を起こすことができなくなって、冷えてしまうのです。
体が冷えていると、代謝が下がって消費するカロリーが少なくなりますから、太りやすくなってしまいます。脂質も適度にとってカロリーを補わないと、やせにくい体を自ら作ってしまうことになりますから、注意しましょう。

女性に欠かせない!大切な脂質の働き5つ

そして、油には次の5つの重要な働きがあります。

<1>心臓のエネルギー源:心臓はバクバクと動くたびに、油を使います。ですから、心臓の病気になると、まず油のコントロールをしなければいけません。心拍数を上げる運動を効率的に行うには、心臓の機能を高めることが重要です。やせるために運動をするなら、脂質をしっかりとりましょう。

<2>脳を作る栄養素:水分を除けば、脳ミソは半分以上「脂質」でできています。食欲をコントロールしたり、自律神経を整えるためには、脳の機能を上げなければいけません。

<3>女性ホルモンの材料:じつは女性ホルモンはコレステロールという脂質から作られます。ムリな食事制限をして脂質不足になるとと、まず生理が止まるのはそのせいなのです。

<4>腸の潤滑油:女性のお悩みで多いのが便秘。ダイエットをすると、それまでは自然にあったお通じがスッキリしなくなってしまう人も多いでしょう。便秘には、食物繊維と水分が必要といわれますが、スベリをよくするオイルがなければ、便がつるんと出ることはありません。じつは、油不足も便秘の原因。脂質は腸のエネルギー源でもあるのです。

<5>皮脂膜を作る:お肌のうるおいを保つためには、水分が必要ですが、その水分を適度に閉じ込めておくためには、油の膜も大切です。皮膚の表面にある皮脂膜は、うるおいを保つ肌のバリアー。これがないと、お肌が乾燥してカサカサしたり、ちょっとした刺激にも敏感になってしまいます。乾燥肌や敏感肌は、脂質の不足が大きな原因のひとつなのです。

どうですか?脂質は、健康や美容に、そして何よりもダイエットに重要だということがおわかりいただけたでしょうか?

オメガ3脂肪酸をとってヘルシーでキレイな体に

大切だからといってただ油をとればいいのではなく、問題は、油の「質」です。最も危険なのは、トランス脂肪酸。マーガリンやコーヒーミルク、ショートニングに含まれています。専門家の間では、「狂った油」とか「プラスチックオイル」と呼ばれています。非常に不自然な油なので、上記の油は体のトラブルの原因になるといわれています。常温で固まっている油(飽和脂肪酸)は、あまりとり過ぎない方がよいでしょう。肉の脂身、鶏の皮、バターなどです。ちょっと前にブームになったココナッツオイルも、この飽和脂肪酸の仲間です。基本的に、体内で合成できるものですから、必要以上に食品として口からとらなくても大丈夫。

オリーブオイル
不飽和脂肪酸といわれる油のなかで、オメガ9脂肪酸の多いオイルの代表はオリーブオイルです。加熱調理にはよいですが、これも体内で作ることができるので、ムリに多くとる必要はありません。体内では合成できない必須不飽和脂肪酸の多いオイル「オメガ6脂肪酸」は、ベニバナ油やコーン油などに含まれますが、サラダ油として現代人はかなりとっています。
とり過ぎると、体内で炎症をおこし、アレルギーやニキビなどの原因になることもあります。

体内で作ることができなくて、ふだんの食事からはなかなかとりにくいのが「オメガ3脂肪酸」。DHAやEPAを含む旬の魚を生で食べたり、ナッツなら素焼きのクルミをおやつに食べるのもオススメです。エゴマ油、アマニ油なども、だいぶ手に入りやすくなりましたね。

健康や美容のためなら、1日に小さじ1杯を目安に。ダイエット、冷え、便秘、ニキビ、敏感肌などが気になる人は、小さじ2杯くらいを目安にしてみましょう。ただし、このオイルは非常にデリケートで酸化しやすいので、加熱調理はできません。瓶入りのオイルは、冷蔵庫に保管して、3か月以内には使い切るようにしましょう。

 

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