ダイエットには食欲のコントロールがはずせません。ただ食欲と戦ってもザセツするだけなので、満足感を得ながら、食べるカロリーや量を減らしていくほうが効果的です。今回は、ダイエット外来の工藤孝文先生に、太りやすい食行動をリセットするため5つの生活習慣を教えていただきます。著書の『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』からご紹介していきます。
Contents 目次
太りやすい食行動をリセットする5つの生活習慣
1 おなかがすいたら食べる
1日3食を基本としても、毎日、同じ時間に食べることにこだわらないでください。朝だから食べる、12時になったから食べる、お風呂から上がったから食べるといったように、ほとんどの人は、いつもの習慣や時間を基準にして食事をとっています。
でも、じつは大切にしたいのは、時間ではなく「空腹感」です。
・空腹感を覚えるまでは食べない
・空腹感がなくなったら食べるのをやめる
たった2つのことを守るだけで、食事量が抑えられるとともに、無意識にダラダラと食べ続けるなどの食行動のクセが解消されていきます。
空腹感には長寿遺伝子といわれる「サーチュイン遺伝子」の働きをONにする働きがあるとされています。
やせて健康、元気、美しさを求めるのであれば、「空腹になってから食べる」を実行しましょう。
2 量だけは気をつける
ダイエット中に食べていけないものはありません。この言葉を私は、ダイエット外来で何百回、何千回と口にしてきました。
ただし、「なんでも食べていいけど、量には気をつけましょう」というアドバイスもつけ加えておきましょう。
なんだ、やっぱり。うまい話には裏があると思いましたか? でも、食べられないことに比べたら、食べられるだけいいですよね。
空腹感がなくなったら、食べるのをやめる。スイーツなど甘いものの場合は、空腹感ではなく満足感を覚えたらやめる、を基準にするといいでしょう。
3 口の中に食べ物が入っている間は、次の食べ物を入れない
肥満傾向にある人は食への執着心がとても強い。言い換えれば、空腹への恐怖心が強い、ともいえます。また、衝動性が強いのも特徴で、食べたいとなったら、ガマンがきかず、食べることに集中してしまいます。
こういった、食への執着心と衝動性を手放すのに一番いい方法は、食事の途中に箸を置くこと。たびたび箸を置くことで、客観的な視点が持てるようになり、執着心や衝動性を手放せるのです。
4 自分を食べ物のゴミ箱にしない
子どもの食べ残しを「もったいない」と自分の口に放り込んでいませんか?
“よく食べるキャラクター”に認定されて、飲み会で最後の1個を食べる係になってはいないでしょうか?
もっと、自分を大事にしてください。自分の気持ちを、体を、大切にしてあげましょう。自分を食べ物のゴミ箱にしてはいけません。
また食への執着心と衝動性が強い人は、「足りなかったらイヤだな」と考えて料理を多めにつくる傾向があります。そして、食べ切れなかったぶんをやはり自分の口に入れてしまいます。
5 座っている時間を極力減らす
激しい運度は、かえって食欲を誘発してしまうので、ダイエット中はあまりおすすめしていません。しかし、日常生活の中でエネルギー消費量を高めていくことは、強くおすすめします。
立ったり座ったり、階段を上ったりといった非運動性の身体活動では、肥満者と非肥満者を比較すると、肥満者のほうが1日2.5時間も座っている時間が長かったという報告があります。消費カロリーに換算すると、この差は 1日およそ350kcalにもなります。
座っている時間を少しでも減らす。その心がけがやせる生活への近道です。
太る傾向のある人の食行動はすべてつながっています。
どこかひとつを断ち切るだけでも、全体がいい方向に進んでいくこともよくありますので、とりかかりやすいところから、ぜひ始めてみましょう。
参考著書
工藤孝文著『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』(アスコム)
文/庄司真紀