ダイエット中は栄養バランスの偏りに気をつけて、お肉や魚、野菜を上手にとり入れていきたいもの。ですが、なかには本当は苦手な食材なのにダイエット中には食べた方がよさそうだから、と無理矢理食べている人もいるのでは。野菜嫌いや魚嫌いだと本当にやせられないのでしょうか? ダイエットカウンセラーの伊達友美先生に教えていただきました。
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好き嫌いがあるとやせられない?
ダイエットはもちろん、健康のことを考えても、〝偏食〟は悪いことだと思われがちです。「何でもバランスよく食べよう」とか「好き嫌いはダメ」などとよく言われるのも、「偏食はいけないこと」という前提があるからです。
でも、そうではありません。たとえ魚が嫌いでも、野菜が嫌いでも大丈夫。偏食でも、やせることはできるのです!
だって、世の中には、ものすごく偏った食事をしていても、やせてキレイな人もいるでしょ? 反対に、バランスよく食べていても太っている人もいます。
大切なのは、その食事が自分に合うか合わないか。偏食の人でもやせてキレイな人というのは、自分に合うものをじょうずに選んで食べているはずだし、反対に、バランスよく食べているのに太っている人は、その食事が合っていないということです。
嫌いなものはムリに食べなくてOK
食べ物が合う、合わないは、本当に人によって違います。例えば、マクロビオティックの食事法でみんなキレイにやせられるかというと決してそうではないでしょう? もちろん、その食事で体調がよくなる人もいますが、中には玄米がうまく消化吸収できなくて、お通じが悪くなったり、太る人もいるのです。
このようなことを考えても、嫌いなもの、食べられないものは、ムリに食べなくてOKです。
味覚はわかりやすいチェックポイント。苦手で食べたくないものは、その人にとって、体に合わないということ。たとえどんなに体にいいとかやせると言われるものでも、食べて「まずい」と感じるものや、体に不調が出るようなものは食べないほうがよいのです。
栄養が偏るのが心配
そんなことをしていたら栄養が偏ってしまうと、不安に思う人もいるかもしれません。でも、大丈夫。人間は不思議なもので、大人の場合、その人に足りない栄養素は腸内細菌がある程度はつくり出すことがわかっています。例えば野菜をまったく食べない人なら、腸内でビタミン類がつくられると言われているのです。
それに、あるものが食べられなくても、それに代わる食品はいくらでもある。例えば牛乳が嫌いでも小魚や海藻でカルシウムは補えるし、レバーが嫌いでもほかの赤身の肉や魚などで鉄分は補えます。ですから、嫌いなものがあっても、やせることはできるのです。
なんとなく偏食になっている場合は改善も必要に
ただし、ひと口に〝偏食〟と言っても、特定の食品やメニューが苦手で食べられないために食事が偏る場合と、なんとなく同じようなものばかりを食べているために栄養が偏ってしまう偏食の2種類があります。
前者の場合は、ムリをして偏食を直す必要はありませんが、後者の場合は、ちょっと考え直したほうがよいでしょう。
例えば、毎日サンドイッチを食べている、ジャンクなものばかりを欲する、揚げものがないとダメ……。という人は、「本当にそれが好きで食べてるの?」と自分自身に一度確認をしてみて。よくよく考えると、「別にお米が嫌いなわけじゃない。今度からおにぎりを食べよう」と思えるかもしれません。
また、揚げものがやめられないのは体が油を欲しているからなのかも。エゴマ油など質のいい油を積極的にとるようにしてみると、揚げものは欲しくなくなるかもしれません。ジャンクなものを好む人も同じです。
さらに、甘いものがやめられないという人は肉が足りていない場合もよくあります。肉をしっかり食べるようになったら甘いものを欲しなくなったというケースが多いのです。こんなふうに、足りないものを補うと、直る偏食もあります。
偏食を自覚している人は、自分がどちらのタイプかをよく考えてみましょう。何かが足りなくて、なんとなく偏食ぎみになっているようなら、早めに改善したほうが、ダイエットはうまくいくと思いますよ。