ダイエットをするために、お米を食べないようにしているという人は少なくないはず。でも、お米を食べる順番が違うだけで肥満や血糖値の急上昇を防ぐことができます。ここでは、「和食の食べ方を知れば、女性はもっと美しくなれる」著書のエリカ・アンギャルさんに、正しいお米の食べ方について教えていただきました。
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美しくなるためには白米も必要!
和食といえば、白米が欠かせませんよね。しかし、最近、低糖質ダイエットが一般に知られるようになり、白米をたくさんとるという理由で、和食を敬遠する人も少なくないようです。
また、ごはんが大好きなのに、無理に我慢をして、結果的にリバウンドを招いている人もいるようですね。
私の考えでは、ごはんは和食にとって欠かせないもの。無理にカットする必要はないと思っています。
農耕民族であった日本人は、古くから米を食べてきたため、穀物を分解するアミラーゼという酵素を多く持っています。ですから、米を完全にカットする必要はなく、適度にとる分には太りません。
基本的に、ごはんなどの糖質を十分にとると、セロトニンという化学物質が脳から分泌され、食後に満足感を得られます。
逆に、ごはんを一切カットしてしまうと、満足感を得られにくいため、結局は間食に走ったりして食べ過ぎを招くのです。
低糖質ダイエットでは、糖質をカットする代わりに、たんぱく質を多くとるのがルール。
しかし、たんぱく質をとり過ぎると消化・吸収に負担がかかります。すると、多くの酵素やビタミンが使われ、肌や爪まで栄養が行き届かなくなり、美しさが損なわれます。
ですから、美しくなるためにも、ごはんは適宜ならとったほうがいいのです。
食べる順番に気をつけて肥満と血糖値急上昇を防ぐ
また、和食ならではの食べ方も肥満を予防するポイントです。
朝食を例にあげると、パン食の場合、トーストにジャムとコーヒーだけといった食事になりがち。これだと栄養が糖質に偏っているため、血糖値が急上昇してしまいます。
和食の場合は、ごはんだけで食べるということはまずなく、必ず味噌汁などの汁物や、焼き魚、卵、おひたし、漬け物などのたんぱく質や野菜のおかずをつけます。
これらのおかずとともにごはんをとれば、血糖値の上昇は緩やかになるので、太りにくいのです。
外食の場合も同じことが言えます。
イタリアンやフレンチの場合は、前菜の前にパンが出てくることが多く、それを食べながら最初のお皿を待っていたりしますよね。
この最初のひと口が血糖値を急激に上昇させます。
これに対して、日本の会席料理は、最初に野菜や豆腐などの小鉢が出され、次に吸い物、刺身などのたんぱく質、魚や肉などの主菜が出てから、最後のシメにごはんという順番で出てきます。
これは、血糖値を急上昇させない素晴らしい健康的な食べ方なのです。誰が最初にこの順番を考えたのかと感心するほど、非常に理にかなっています。
もちろんいくら和食でも、最初にごはんからたくさん食べてしまうと血糖値の急上昇を招きます。
そこで汁物やたんぱく質、野菜のおかずから先にとることは、太らないために必ず守りたいルールです。
このように、食べる順番に気をつければ、ごはんをそれほど敵視する必要はありません。
実際に、同じ食事内容でも、食べる順番によって血糖値の動きが大きく変わるという研究結果があります。
その研究では、炭水化物を最後に食べたときの血糖値は、最初に食べたときよりはるかに低いという結果が出ています。
白米に麦やオリーブオイルを混ぜるだけで健康に
より太りにくくするなら、白米に最近流行っているもち麦や、大麦、押し麦、黒米などの雑穀類、大豆などを混ぜるのもいいですね。
食物繊維の多いものを混ぜると、より血糖値の上昇が緩やかになるのです。
また、ごはんにオリーブオイルを混ぜて炊くのもおすすめです。
脂質が加わることで血糖値の上昇が緩やかになるうえ、良質の油もとることができます。オリーブオイルとごはんは意外と相性がよく、おいしく食べていただけます。
あるいは、鶏がらスープを混ぜて炊いてもいいですね。
玄米や雑穀類を混ぜて炊くときにオリーブオイルやスープを加えれば、パサついた感じがなくなり、しっとりとした食感になります。
いずれにしろ、日本はお米の食文化の国。とり方に気をつけながら、おいしくいただきましょう。
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文/和田美穂