「空腹を我慢すると太りやすい体になる」と管理栄養士の足立 香代子さん。お腹が空いているとその後の食事で食べ過ぎたり、血糖値を急上昇&急降下させてしまうこともあり、太るもとになってしまいます。そういう時には上手に間食を取り入れましょう。今回は足立さんの著書「最新! 太らない食べ方」から、太らない間食の仕方についてお送りいたします。
Contents 目次
知っておきたい間食のルール
おやつを選ぶ上で、カロリーが高いことが太る理由の1つになりますが、最も大きな原因は糖質。
「血糖値を急激にあげやすいのが糖質です。糖質の多いものはたくさん食べると『太る』につながります」と足立さん。
ケーキ、クッキー、チョコレート、菓子パン、おせんべいやポテトチップス…間食でよく口にするものはほとんどすべてが糖質高めです。
そこでまずは押さえておきたい間食の心得は「間食するならカロリーの高さよりも糖質の多さを気に掛ける」こと。
例えばカステラとたい焼きならカステラ、モンブランとチーズケーキならチーズケーキ、フルーツタルトとショートケーキならフルーツタルト、という具合です。
次に覚えておきたい間食のルールは、
- 間食でとってよいカロリーは1日200kcalまで
- 糖質はたんぱく質や脂質とあわせて食べる
この2点です。
200kcalの目安はクッキーなら4〜5枚、ショートケーキ1/2、ミルクチョコレート1/2枚、キウイ3個、コンビニのおにぎり1個などです。
このくらいであればカロリーオーバーとなることがありません。
たんぱく質や脂質とあわせて食べるというのは、1つは糖質の代謝を促すこと、もう一つは腹持ちをよくするため。
例えばメロンパンよりもウインナーロールや豚ひき肉を使ったミートパイ、野菜サンドよりもカツサンド、あんまんよりも肉まんのほうが間食向きといえます。
間食にこそ取り入れたい“4天王”
腹持ちの点でも栄養補給の点からもオススメの間食は?
乳製品
「乳製品のよさはたんぱく質だけでなくカルシウムがしっかりとれるところにあります。しかもカロリーもそれほど高くありませんし、実に間食向き」と足立さん。
色の濃い野菜や小魚からもカルシウムは摂れますが、乳製品のカルシウムは吸収がよく効率的に摂取できます。
「チーズやヨーグルトなどの乳製品をたくさんとると、女性は乳癌や子宮がんになりやすいという説もありましたが、今はそのような相関性はないことがわかっています。
むしろ健康的には乳製品が動脈硬化や冠動脈疾患のリスクを軽減するとされています」
ただし、低脂肪のものやチーズの加工品で糖質の多いデザートチーズは間食には向きません。
ヨーグルトも無糖タイプかできるだけ低糖質のものを選ぶとよいでしょう。
卵
完全栄養食と言っていいほどの栄養バランスの高い卵。
「ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンA、カルシウム、亜鉛、鉄など、たった1個の中に豊富な栄養素が含まれているほか、体内で合成することのできないたんぱく質「9種類の必須アミノ酸」を全て含んでいる、まさに栄養の宝庫です」
ナッツ類
植物性たんぱく質であるナッツ類は、全般的に良質の油脂が多く含まれていて腹持ちもとてもよい食材です。
食物繊維も豊富なので血糖値が上がりにくい点もメリット。
フルーツ
甘みがあってカロリーも低め、おまけにビタミンCをたっぷり摂れるのがフルーツです。
また果物に含まれる水溶性食物繊維は血糖値の急上昇を抑えてくれます。
「特にオススメしたい果物がキウイフルーツです。カロリーは1個約70kcal程度と低く、グリーンキウイにはビタミンCが約70mgとたっぷり。成人の1日あたりに必要なビタミンCは100mgですから1個食べるだけで70%近く補え、糖質の代謝に必要なビタミンB1もあります」
同じような価格で1年中買え、傷みにくくて日持ちがしやすい、ナイフで切ってすぐスプーンで食べられる手軽さも間食にぴったりですね。
間食は栄養を補う感覚で食べると、空腹も抑えられますし、長い目で見て健康にもよいといえます。
特に夕食を食べ過ぎてしまう人は、間食を取り入れるとよいでしょう。
参考書籍
足立 香代子 (著)
最新! 太らない食べ方―「食べないでやせる」は大間違い!
(廣済堂健康人新書)
文/庄司真紀