果物を食べると健康にいいとよくいわれるようになっています。ではジュースを飲んでも、健康につながるのでしょうか。糖分の高さは気になるところですが、このたび、100%のジュースについては、健康につながる効果が期待できそうだと報告されました。
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食事全体に目を向けることが必要
ジュースは甘いことから、子どもはできるだけ控えたほうがいいのでしょうか。こうした点について、米国オハイオ州立大学の研究グループは、ふだんの食事のなかにとり入れると、むしろヘルシーだと報告。過去の研究なども踏まえて、健康面からジュースは植物由来の栄養成分が豊富で、食事の栄養の質をアップさせてくれると説明します。
特に米国の全国栄養調査によると、フルーツジュースを飲む人は飲まない人に比べて食事の質がよく、果物をまるごと食べていることが多いため、ビタミンC、マグネシウム、カリウム、食物繊維を多くとっている傾向にあるそう。しかし、過去30年間でフルーツジュースを飲む量が大幅に減少し、減った分も果物で補われてはいないことが課題に。研究グループは果物とジュースを組み合わせて摂取することで食事の質を上げられると強調します。
100%オレンジジュース、肥満やメタボ少ない
もうひとつ、やはり米国ルイジアナ州立大学などの研究グループも2012年に、100%オレンジジュースを飲んでいる人は飲んでいない人に比べて、食事の質がよく、栄養を十分にとっていて、肥満リスクが低いという結果を報告しています。米国の全国栄養調査のデータを使って、100%オレンジジュースの摂取量と栄養レベルや食事の質の関連性を調べたのです。
分析の結果、100%オレンジジュースを飲んでいたグループ(通常の摂取量は1日210 ml)は、飲んでいなかったグループに比べて、ビタミンA、ビタミンC、葉酸、マグネシウム、カリウムが十分にとれている人の割合が多いと判明。100%オレンジジュースを飲んでいたグループは食事の質も高く、果物などの摂取量が多いという結果になっていました。
しかも、平均BMI、総コレステロール、LDLコレステロールも低く、肥満の割合は21%低い結果に。男性ではメタボリックシンドロームの確率が36%低くなっていました。
研究グループは、フルーツの1日推奨摂取量を満たすため、健康的な食事の一部として100%オレンジジュースを適度に飲むとよさそうと結論しています。日本でも参考にしてみるとよいかもしれません。
<参考文献>
J Am Coll Nutr. 2019 Jul 18:1-6. doi: 10.1080/07315724.2019.1615013. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31318659
Nutr J. 2012 Dec 12;11:107. doi: 10.1186/1475-2891-11-107.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23234248
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3545988/