健康的でスリムな人は、食生活もヘルシー。なんとなくそんなイメージがあるかもしれませんが、これは男女や年齢を問わず同じようにいえるのでしょうか。このたび、食事の質が体重の増減につながっているという結果が、オランダの研究から明らかになりました。やはり日ごろの食事内容は大切だと認識するきっかけになりそうです。
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オランダで約8万6千人を追跡調査
どれくらいの人が自分のふだんの食生活を健康的にしようと配慮しているのでしょうか。農林水産省の「食育に関する意識調査報告書」よると、日本の場合、食生活について心がけていると回答したのは男性65.1%、女性84.1%。圧倒的に女性のほうが気を遣っているという結果になっていました。しかし、20代ではこれほど割合は高くなく、男性で53.9%、女性でも61.0%と大幅に低下します。
今回、オランダ・フローニンゲン大学医療センターの研究グループは、遺伝子情報や病気の関係を調べた30年間の調査データのうち、2006年から2013年の間に肥満症でなかった18~93歳の男女8万5千618人のデータを使用。4年間の体重変化と食生活の関連性を男女別、年齢階級別にして、分析しました。
10代、20代は食生活が悪いと体重が増える
すると、不健康な食生活を送っていると体重が最も増えてしまうのは、10代と20代であるという結果に。一方で、70歳以上の女性の場合、体重が減ってしまうことが明らかになりました。もっとも年齢に関係なく、健康的な体重を保つのに大切なのは、健康的な食生活を心がけるということ。若い人ではおおむね不健康な食生活を送っていると、体重が増えてしまうという結果です。
先ほど示したように日本の調査では、20代では食生活に気をつけている人の割合が低い傾向が見られましたが、若いうちこそ健康的な食生活を心がけることが大切かもしれません。まさに、私たちの体は食べたものでできているということ。日ごろから何を食べるか、あらためて気を配りたいところです。
<参考文献>
農林水産省「食育に関する意識調査報告書」
J Nutr. 2019 Nov 5. pii: nxz262. doi: 10.1093/jn/nxz262. [Epub ahead of print] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31687774